甲種4類、全範囲をこの1ページから
消防設備士 甲種4類(通称「甲4」)の試験範囲を全30記事でカバーしました。
この記事は、その全記事をおすすめの学習順に並べたロードマップです。上から順番に読み進めていけば、筆記試験も実技試験(鑑別等・製図)も対応できる知識が身につきます。
甲種4類の試験構成
まず、試験で「何がどれだけ出るか」を把握しておきましょう。
最大のポイントは「構造・機能・工事整備」が20問で最多ということ。ここを得意にすれば合格がグッと近づきます。
また、甲種は乙種にはない製図試験があります。感知器の配置や配線を図面上で描く実践力が求められるので、しっかり対策しましょう。
おすすめの学習順序
「法令から始めるべきでは?」と思うかもしれませんが、自火報のシステムを知らずに設置基準を学んでもイメージが湧きません。さらに、自火報の仕組みを理解するには電気の基礎が不可欠です。電気→構造→法令→工事→製図の順で、知識を積み上げていくのが最も効率的です。
Step 1:電気の基礎知識(5記事)
自火報は電気で動くシステムです。回路計算や計測器の問題は筆記10問を占め、構造の理解にも直結します。ここを飛ばすと後半で苦労するので、まずしっかり固めましょう。
- オームの法則と合成抵抗
── V=IR。直列・並列回路の合成抵抗の計算。すべての電気計算の出発点 - 電力・電力量・ジュール熱
── P=VI、W=Pt、Q=I²Rt。ジュールとカロリーの変換も押さえる - 交流回路の基礎
── 実効値・リアクタンス・インピーダンス・力率。交流特有の計算方法 - 電気計測器の基礎
── 電圧計・電流計の接続方法、回路計、絶縁抵抗計。鑑別試験でも出題 - 電磁気の基礎
── フレミングの法則・電磁誘導・変圧器・コンデンサ。感知器の動作原理に直結
Step 2:構造・機能(13記事)
試験の最重要科目(筆記20問+実技7問に直結)。自動火災報知設備(自火報)を中心に、ガス漏れ警報設備・火災通報装置まで学びます。
まずはシステム全体像
- 自火報のシステム全体像
── 構成機器6つと信号の流れ。P型・R型の違い。ここで全体の地図を掴む - 受信機の種類と機能
── P型1級/2級/3級、R型、GP型、GR型。蓄積機能と区分鳴動 - 感知器の分類と全体像
── 熱・煙・炎の3タイプ。取付面の高さとの関係。全体の見取り図
感知器を種類別に学ぶ
- 差動式感知器
── スポット型(空気室・ダイヤフラム・リーク孔)と分布型(空気管式・熱電対式) - 定温式感知器
── バイメタル式・公称作動温度の選び方(+20℃ルール)・感知線型 - 補償式・熱アナログ式感知器
── 差動式+定温式の二刀流(OR型)。熱複合式(AND型)との違い - 光電式感知器
── 散乱光式(スポット型)と減光式(分離型)。種別と取付面の高さ - イオン化式感知器・煙複合式
── Am-241によるイオン電流方式。光電式との検出特性の違い - 炎感知器
── 赤外線式(CO₂共鳴放射4.3μm)と紫外線式。天井高制限なし
感知器以外の機器
- 発信機・地区音響装置・表示灯
── P型1級vs2級、音圧90dB/92dB、区分鳴動と一斉鳴動 - 中継器と配線の基礎
── 耐火配線(840℃30分)vs耐熱配線(380℃15分)。送り配線
関連設備
- ガス漏れ火災警報設備
── 半導体式・接触燃焼式検知器。都市ガスvsLPガスの設置位置の違い - 消防機関へ通報する火災報知設備
── 火災通報装置の構成と動作。自火報連動と手動起動
Step 3:法令類別(6記事)
自火報やガス漏れ警報設備の設置基準に関する法令です。「どの建物に」「どこに」「何を」設置するかを学びます。
- 自火報の設置義務(施行令第21条)
── 面積不問・300㎡・500㎡・1000㎡の4段階。特定一階段等も要注意 - 警戒区域の設定方法
── 600㎡以下・50m以下・1フロアの3ルール。竪穴区画は別区域 - 感知器の設置基準
── 取付面の高さ制限、感知区域と梁のルール(0.4m/0.6m)、感知面積と必要個数 - 受信機・発信機・音響装置の設置基準
── 発信機の歩行距離50m以下、地区音響装置の水平距離25m以下 - ガス漏れ警報設備の設置基準(施行令第21条の2)
── 地下街・特定用途地階1,000㎡以上・温泉採取施設の3カテゴリ - 通報設備の設置基準(施行令第23条)
── 設置義務3段階と電話免除。自火報連動義務の対象建物
Step 4:工事・整備(4記事)
自火報を「設置・維持管理する」ための実務知識。実技試験では試験方法や回路計算が頻出です。
- 自火報の工事方法
── 金属管・PF管・CD管の違い、曲げ半径6倍、D種接地100Ω - 感知器の試験方法
── 加熱・加煙・減光試験。空気管式の5試験。作動時間の判定基準 - 受信機の点検と試験
── 同時作動試験(2回線)、予備電源試験(60分+10分)、火災復旧試験 - 回路計算
── 末端抵抗と監視電流、電圧降下(Vd=I×r)、共通線1本7回線以下
Step 5:製図(2記事)
甲種限定の実技科目。ここまでの知識をすべて使って、図面上で感知器の配置と配線を描きます。筆記・鑑別で十分な知識を付けてから取り組みましょう。
法令共通もチェックしよう
甲4の筆記試験には「法令共通」が8問出題されます。自火報に限らず、消防法全般の基本知識が問われる科目です。
以下の記事で対策できます。特に重要なものに「★」を付けています。
消防法の基本
- ★ 消防法の目的(第1条) ── 予防・警戒・鎮圧、生命・身体・財産
- ★ 消防法令上の定義 ── 防火対象物・消防対象物・関係者の違い
- ★ 特定防火対象物と非特定防火対象物 ── 判断基準と具体例
- 防火対象物の数え方 ── 令8区画・複合用途の考え方
消防用設備等の制度
- ★ 消防用設備等の種類(施行令第7条) ── 消火設備・警報設備・避難設備
- ★ 設置及び維持(消防法17条1項) ── 施行令別表第一と備考4カ条
- 既存遡及と特例(消防法17条の2の5) ── 遡及される設備とされない設備
- 附加条例(消防法17条2項) ── 市町村条例で基準を強化できる理由
- 措置命令(消防法17条の4) ── 設置命令・維持命令・罰則
防火管理・点検制度
- ★ 防火管理者(消防法8条) ── 選任義務・管理権原者・甲種と乙種
- 統括防火管理者(消防法8条の2) ── 協議選任・共用部分管理
- 防炎規制(消防法8条の3) ── 対象建物と防炎対象物品
- ★ 点検報告制度(消防法17条の3の3) ── 機器点検・総合点検の頻度
- 防火対象物点検報告制度 ── 300人以上の建物・特例認定
消防設備士・検定制度
- ★ 消防設備士制度(消防法17条の5) ── 甲種と乙種の違い・独占業務
- 消防設備点検資格者 ── 第1種と第2種の権限比較
- 検定制度(消防法21条の2) ── 型式承認・型式適合検定・12品目
- 消防同意(消防法7条) ── 建築確認と消防同意の関係
学習のコツ
最後に、甲4の勉強で意識するとよい3つのポイントをお伝えします。
それでは、オームの法則と合成抵抗から学習をスタートしましょう。