感知器の試験方法は、感知する対象で分ける
感知器の試験方法は、感知器が何を利用して火災を判断するかで整理すると分かりやすくなります。
| 感知器 | 見るもの | 学習上の試験方法 |
|---|---|---|
| 熱感知器 | 温度上昇、一定温度への到達 | 加熱試験 |
| 煙感知器 | 煙濃度、減光率 | 加煙試験、感度確認 |
| 光電式分離型感知器 | 送光部と受光部の間の光の減少 | 減光フィルターによる確認 |
| 炎感知器 | 炎からの赤外線・紫外線 | 製品仕様に従った光源・試験器による確認 |
| 差動式分布型(空気管式) | 空気管内の空気の膨張 | 作動、流通、接点水高、リークの確認 |
この記事では、甲4・乙4の学習で混同しやすい「試験器具と感知器の対応」を中心に整理します。実際の法定点検では、消防法17条の3の3、消防法施行規則31条の6、消防庁長官が定める点検基準・点検要領、設計図書、製品仕様に従います。
加熱試験
加熱試験は、差動式感知器、定温式感知器、補償式・熱複合式感知器など、熱を利用する感知器の確認で使う考え方です。
差動式スポット型は、周囲温度の上昇率を利用します。加熱が緩やかすぎると、リーク孔から空気が逃げて作動しにくくなるため、差動式の原理とセットで理解します。
定温式は、一定温度への到達を利用します。現場での点検方法と、型式上の性能試験を混同しないことが大切です。
定温式の40秒・120秒・300秒
感知器規格省令14条では、定温式感知器について、公称作動温度の125%の温度、風速1m/sの垂直気流に投入した場合の作動試験が定められています。室温0度のときの表では、次の時間が出てきます。
| 種別 | 室温0度での作動時間 | 整理 |
|---|---|---|
| 特種 | 40秒 | 速い |
| 1種 | 120秒 | 中間 |
| 2種 | 300秒 | 遅い |
この数値は、感知器規格省令の性能試験として押さえる数値です。現場点検で毎回この温度条件を再現する、という意味ではありません。
加煙試験と感度確認
煙感知器は、煙の濃度や減光率の変化を利用します。学習上は、スポット型の煙感知器には加煙試験器、光電式分離型には減光フィルター、と分けて覚えると整理しやすくなります。
加煙試験では、感知器に煙を与えて受信機側で火災表示が出るかを確認します。実務では、指定された試験器具、試験用ガス又は発煙材、換気状態、復旧状態などを確認します。
煙感知器の感度に関する確認は、単に「煙を入れたら鳴るか」だけではなく、所定の条件で正しく作動するかを確認する領域です。具体的な判定方法は、点検基準・点検要領、製品仕様、点検票の区分に従います。
減光フィルターを使う感知器
光電式分離型感知器は、送光部と受光部の間の光が煙で弱くなることを利用する感知器です。感知器規格省令17条の2では、公称監視距離を5m以上100m以下とし、作動試験では送光部と受光部の間に減光フィルターを設置する整理が出てきます。
したがって、光電式分離型は「加煙試験器で煙をためる」より、減光フィルターで光を弱めると覚えるのが安全です。大空間に均一な煙を入れる説明で覚えるより、送光部・受光部・減光率の関係で理解します。
炎感知器の試験
炎感知器は、炎からの赤外線・紫外線を利用します。試験では、対象機種の仕様に合う光源や試験器を用いて、監視範囲内で作動するかを確認します。
記事学習では、赤外線式・紫外線式・紫外線赤外線併用式・炎複合式の名称を区別し、実務上は監視距離、視野角、障害物、外光、製品仕様を確認する、と整理します。ライターなどの任意の炎で一律に確認できる、と断定しないようにします。
空気管式の確認項目
差動式分布型感知器のうち空気管式は、スポット型と違い、空気管と検出部を含む系として確認します。感知器規格省令では、空気管式について、リーク抵抗及び接点水高を容易に試験できること、空気管の漏れ及びつまりを容易に試験できることが定められています。
| 項目 | 何を確認するか |
|---|---|
| 作動確認 | 空気管内の圧力変化で検出部が火災信号を出すか |
| 流通確認 | 空気管につまりがないか |
| 接点水高確認 | 検出部の接点が作動する圧力の状態を確認する |
| リーク確認 | 空気管や検出部まわりの漏れを確認する |
本記事では、作動・流通・接点水高・リークの4項目で整理します。試験名や実施方法は教材や点検票で表現差があるため、名称よりも「何を確認するか」を対応づけるのが重要です。
まとめ
- 熱感知器は加熱試験、煙感知器は加煙試験として整理する。
- 光電式分離型は、送光部と受光部の間に減光フィルターを用いる整理が重要。
- 定温式の40秒・120秒・300秒は、感知器規格省令14条の性能試験として押さえる。
- 炎感知器は製品仕様に合う光源・試験器、監視距離、視野角を確認する。
- 空気管式は、作動・流通・接点水高・リークの確認として整理する。
まとめ問題
問題1
光電式分離型感知器の確認方法として、最も適切なものはどれか。
(1)加熱試験器で本体を加熱する
(2)減光フィルターを用いて送光部と受光部の間の光を弱める
(3)空気管にテストポンプを接続する
(4)定温式と同じ公称作動温度で加熱する
問題2
定温式感知器の性能試験について、感知器規格省令14条の整理として正しいものはどれか。
(1)特種40秒、1種120秒、2種300秒
(2)特種120秒、1種40秒、2種300秒
(3)すべて60秒以内
(4)種別に関係なく公称作動温度だけで決まる
問題3
空気管式の確認として、組み合わせが誤っているものはどれか。
(1)流通確認 - 空気管のつまり
(2)リーク確認 - 空気管や検出部まわりの漏れ
(3)接点水高確認 - 接点が作動する圧力の状態
(4)減光確認 - 空気管の外径
問題4
炎感知器の試験で注意すべき考え方として、適切なものはどれか。
(1)任意の炎を近づければすべての炎感知器で同じ試験になる
(2)赤外線・紫外線など、対象機種の仕様に合う光源や試験器で確認する
(3)光電式分離型と同じく減光フィルターだけで確認する
(4)空気管式と同じく接点水高を測定する
次のステップ
確認メモ:本記事は、消防法施行規則と感知器規格省令で確認できる範囲を中心に整理しています。実際の点検では、点検基準・点検要領、製品仕様、点検票、所轄消防の運用を確認してください。
参考:e-Gov法令検索「消防法施行規則」、e-Gov法令検索「火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令」
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