はじめに ― このサイトについて
このサイトは 「消防設備士に絶対合格したい人のための学習ログ兼・道しるべ」 を目指して運営しています。
管理人も受験生の一人として、勉強法・気づき・最新の法改正情報 をリアルタイムで共有しますので、「仲間のノートを一緒に見る」感覚で参考にしてください。
※内容は一次情報(消防試験研究センターや官報など)を基にしていますが、最終確認は必ず公式資料で行ってください。
消防設備士とは?どんな仕事?
消防設備士は、ビル・マンション・商業施設などに設置された
スプリンクラー・火災報知器・消火器 などの消防用設備を
- 工事(設置・配線・試運転)
- 点検(年2回以上の法定点検)
- 整備(不具合修理や改修提案)
の3軸で守る国家資格者です。
現場作業だけでなく、消防署への書類提出や改修プラン提案といった 技術+法令+書類スキル が求められます。
消防設備士の収入イメージ
ポジション | 年収レンジ(目安) |
---|---|
新卒・未経験(乙種のみ) | 260〜350 万円 |
実務5年+甲種取得 | 380〜500 万円 |
現場責任者・管理職 | 500〜700 万円 |
独立開業・法人代表 | 700 万円超も可 |
※複数の求人サイト・業界調査の平均値を簡易集計したものです。地域・企業規模・保有類別で大きく変動します。
消防設備士の種類と受験資格
消防設備士の資格は甲種・乙種に分かれ、さらに 特類/1〜7類 の計 13 個にわかれている。
※消防設備士免状ってなに?
消防設備(スプリンクラー・火災報知器・消火器 など)の 工事・整備・点検 を行う人が持つ国家資格です。
試験に合格したあと都道府県に申請し、顔写真入りカード型の 免状 を交付してもらって初めて「消防設備士」を名乗れます。
甲種と乙種のちがい(早見表)
大きな差は できる作業範囲 と 受験できる条件 の2つです。
項目 | 甲種 | 乙種 |
---|---|---|
作業できる範囲 | 工事・整備・点検 ぜんぶOK | 整備・点検だけ (配線や据付など工事は不可) |
実技試験 | 鑑別 + 製図(2科目) | 鑑別のみ |
受験資格 |
|
学歴・経験 不要 ─ 誰でも受験可 |
免状の数 | 特類 + 1〜5類 (計6種類) | 1〜7類 (計7種類) |
※ 「同じ番号の乙種免状」=“同じ数字のカード” のことだよ!
たとえば 乙4 のカードを持っていると、同じ「4」の 甲4 にチャレンジできるよ。こうしたペアを 該当乙種免状 と呼ぶんだ。
類別ごとの対象設備
類別 | 甲種 | 乙種 | 対象設備の例 |
---|---|---|---|
特類 | 〇 | ― | 泡・不活性ガスなど 特殊消防用設備等 |
第1類 | 〇 | 〇 | 屋内・屋外消火栓設備、スプリンクラー設備 など |
第2類 | 〇 | 〇 | 泡消火設備 |
第3類 | 〇 | 〇 | 不活性ガス、ハロゲン化物、粉末消火設備 |
第4類 | 〇 | 〇 | 自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備 など |
第5類 | 〇 | 〇 | 金属製避難はしご、救助袋、緩降機 |
第6類 | ― | 〇 | 消火器 |
第7類 | ― | 〇 | 漏電火災警報器 |
覚えておきたいポイント
- 工事までやりたいなら甲種を選択。整備・点検だけで良いなら乙種でOK。
- 初心者は範囲が狭い 乙6(消火器) や 乙7(漏電火災警報器) から始めるのが人気。
- ステップアップ例:乙4 → 実務2年以上 → 甲4 に挑戦、というキャリアルートが一般的。
「類ごとに試験を受け直さないとダメ?」──結論と細かいルール
結論 | 根拠・補足 |
---|---|
免状は“類”ごとに別々に発行される | たとえば乙6(消火器)を持っていても、乙7(漏電火災警報器)や甲4(自動火災報知設備)の業務はできません。各類を名乗るには、その類の試験に合格し、免状を交付してもらう必要があります。 |
ただし「科目免除」で試験科目を減らせるケースがある | すでに持っている免状や他資格・経歴によって、筆記や実技の一部を飛ばせます(=試験時間も短くなる)。完全免除はなく、必ず何らかの科目は受けます。 |
1. 必ず受け直しになる理由
- 法律で“業務独占”が類別ごとに定義されているため。
例)漏電火災警報器(7類)の工事・整備は、7類の免状を持つ者だけが行える。 - 免状の表面に 「消防設備士○類」 と明記されるため、別の番号を名乗る余地がない。
2. 「科目免除」で勉強量を減らせる主なパターン
免状・資格・経歴 | 免除できる科目例 | 参考 |
---|---|---|
他の消防設備士免状 | ・共通法令・基礎的知識 | 乙種 → ほかの乙種で有効。甲種では免除なし。 |
第一種/第二種電気工事士 | ・基礎的知識(電気)・構造機能(電気)・実技の一部(甲4・乙7) | 電気系の問題がごっそりカット。 |
電気主任技術者/技術士(機械・化学部門 等) | 各自の専門分野に応じた筆記科目 | 技術士は甲1〜5類まで広く対象。 |
消防団員(勤続5年以上+専科教育修了) | 乙5・乙6の筆記&実技の一部 | 現場経験者への特例。 |
ポイント
- 甲種に関しては「他免状による科目免除」は〈ほぼ無い〉と思っておく(特類は一切不可)。
- 免除申請は願書提出時に「免除申請書」+該当免状コピーを添付するだけで OK。
3. 受験する順番と勉強効率
- 乙6(消火器)/乙7(漏電火災警報器)
- 受験資格が不要、範囲が狭い。合格→他乙種で共通法令が免除になり、ステップアップが楽。
- 狙いの専門乙種(1〜5類)
- 乙6合格後なら「共通法令」免除で専門知識に集中できる。
- 甲種(同番号)
- 乙種免状+2年の実務経験で受験資格ができる。“練習→実務→本番”の王道ルート。
4. 科目免除を使うときの注意
リスク | 具体例 |
---|---|
得点源が減る | 免除で簡単な問題が消え、残りは難問ばかり → 6割合格ラインを割りやすい。 |
免除書類の不備は受付けてもらえない | 免状コピーの裏面・有効期限の抜けなどで却下 → 全科目受験になることも。 |
試験時間が短くなる=見直し時間も減る | 苦手分野が残った場合、解答のやり直し猶予がほぼ無い。 |
5. 実務後の「講習」も類ごと
- 免状を取得すると 5年ごと に「消防設備士講習」を受ける義務がある。
- 2類免状と4類免状を持っていれば、原則 2コース分の講習 が必要。
- ただし 6か月以内 に2種類を連続で受ける場合など、一部科目免除の制度あり。
まずは取りやすい乙6/乙7で共通法令を免除 → 実務経験 → 甲種へ、が最短かつ確実な王道です。
免状は完全に独立しているので、類が増えるたびに “合格→免状交付” のサイクルが必要。
ただし 他免状や電工資格などを活かせば、科目数と試験時間を圧縮 できる。
消防設備士と関係法令の “超ざっくり” ガイド
1. 消防法(昭和23年法律第186号)
消防設備士の仕事の土台になる基本法。
-〈何を決めている?〉建物にどんな消防用設備を付けるか、いつ・誰が点検して報告するか。
-〈押さえどころ〉設置義務(規模や用途で決まる)と 点検報告制度(年2回点検→1年に1回報告)。
2. 消防法施行令・施行規則
消防法を「具体的な数字」に落とし込んだ政令・省令。
-〈例〉スプリンクラーは○階建て以上・延べ面積○㎡超で必須、など。
- 試験では「令=概要」「規則=手続きや様式」とセットで聞かれることが多い。
3. 技術上の基準省令
正式名は「消防用設備等の設置及び維持に関する技術上の基準を定める省令」。
-〈役割〉配管径、感知器の感度、非常電源の容量など 数値基準 を網羅。
-〈コツ〉試験では“○m/s”といった丸暗記より どの設備の基準か を問う問題が中心。
4. 火災予防条例(市町村条例)
各自治体が独自に定める“上乗せルール”。
-〈例〉立入検査の頻度、屋外催しでの消火器設置数など。
5. 建築基準法・関係告示
防火区画、避難経路など 構造面の防火対策 を規定。
- 消防法とのクロスリファレンスが多く、「どちらで決まっているか」を切り分けられると強い。
試験・実務で役立つ基礎知識メモ
- 優先順位の覚え方:消防法 → 施行令 → 施行規則 → 技術基準省令 → 条例。上位法が“母船”、下位法が“詳細マニュアル”。
- 所有者責任:点検・報告義務は“建物所有者(管理者)”にあり、消防設備士はそのサポート役。
- 罰則:報告怠りや基準不適合は 30万円以下の罰金など。条文番号より「どこに罰則があるか」を把握。
- よく出る数値:感知器の作動温度・放水量などは“桁”で覚え、詳細は現場で確認するスタンス。
まずは「何を守る法律か」を一言で言えるようにするのが合格&現場力への近道です。
法令の階層図(ざっくり早見)
- 法律 … 消防法
- 政令 … 消防法施行令
- 政令 … 危険物の規制に関する政令
- 総務省令 … 消防法施行規則
- 総務省令 … 消防用設備等の設置及び維持に関する技術基準省令
- 総務省令 … 危険物の規制に関する技術基準省令
試験日程・受験申込について
消防設備士試験まるわかりガイド 2025 年度版
1.試験日程のしくみ
主催:一般財団法人 消防試験研究センター(都道府県支部/東京は中央試験センター)。
実施回数:都道府県ごとに年 1〜3 回、午前・午後で類別を振り分け。
最新日程の確認手順:
- 下記ボタン「試験日程を検索する」をクリック。
- 都道府県・類別・月を選ぶと 試験日/受付期間/合格発表予定日 が一覧表示。
受付期間の目安:試験日の 約 2 か月前から 10〜14 日間。期間を逃すと次回まで待つ必要があります。
2.受験申込方法
申請方法 | 流れ | 支払い | ポイント |
---|---|---|---|
電子申請(推奨) | スマホ/PC → フォーム入力 → 決済 → PDF受験票ダウンロード | クレジット コンビニ Pay-easy |
受験票 PDF を保存&印刷 |
書面申請 | 願書購入 → 記入 → 写真貼付 → 郵送 | 払込取扱票 または QR 決済 |
最終日は郵便窓口が混雑 消印有効を忘れず |
試験手数料(2025 年度)
甲種 6,600 円 / 乙種 4,400 円
3.試験当日の流れ(共通)
- 集合:試験開始 30 分前に受験票と本人確認書類を提示。
- 筆記試験:法令・構造機能 → 実技試験:鑑別+製図(乙種は鑑別のみ)。
- 試験時間:甲種 3 h 15 m(特類は 2 h 45 m)/乙種 1 h 45 m。
- 合否発表:Web・掲示で 4〜6 週間後(受験番号方式)。
4.合格後の手続き
手順 | 必要書類 | 手数料 | 所要日数 |
---|---|---|---|
免状交付申請 | 合格通知書/交付申請書/証明写真(3 cm×2.4 cm)/収入証紙 1,900 円 | 1,900 円 | 約 3〜4 週間 |
免状(プラスチックカード)が届いて初めて消防設備士を名乗れます。
甲種を目指す場合は 同番号の乙種免状+2年以上の実務 で受験資格を取得できます。
ひとことアドバイス
- 受付期間厳守:募集枠が小さい回もあるため、受付初日〜2日目に申請を。
- 受験票は紙で持参:スマホ表示のみ不可の会場もあるので印刷が安全。
- 勉強計画:法令 → 構造機能 → 実技の順で学習し、直近 3 年の過去問を最低 2 周。
- キャリア拡張:免状取得後は、防火対象物点検資格者など周辺資格も視野に。