甲種1類は、水系消火設備を学ぶ類
消防設備士 甲種1類は、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備などを扱う類です。甲種では、対象設備の工事・整備・点検に関わる知識に加え、実技の製図対策も必要になります。
この記事は、甲種1類の学習順をまとめたロードマップです。まず水系消火設備の全体像と機器の役割を押さえ、機械の基礎、法令類別、工事・整備、製図へ進みます。
受験前の確認:試験日程、受験資格、科目免除、試験手数料などは変更されることがあります。申請時は、消防試験研究センターと受験する支部の最新案内を確認してください。
乙種1類を受験する方は、乙種1類ロードマップをご覧ください。乙種には工事と製図がなく、試験科目と問題数も甲種とは異なります。
第1類で扱う設備
消防試験研究センターの案内では、第1類の工事整備対象設備等は次のとおりです。ロードマップの中心は屋内消火栓設備とスプリンクラー設備ですが、第1類の範囲はそれだけではありません。
- 屋内消火栓設備
- スプリンクラー設備
- 水噴霧消火設備
- 屋外消火栓設備
- パッケージ型消火設備
- パッケージ型自動消火設備
- 共同住宅用スプリンクラー設備
甲種1類の試験構成
消防試験研究センターの案内では、甲種第1類の筆記は45問、実技は鑑別等5問・製図2問です。科目免除がない場合、甲種特類以外の試験時間は3時間15分です。
| 区分 | 試験科目 | 問題数 |
|---|---|---|
| 筆記 | 消防関係法令(共通8問・類別7問) | 15問 |
| 筆記 | 基礎的知識(機械) | 10問 |
| 筆記 | 構造・機能・工事・整備 | 20問 |
| 実技 | 鑑別等、製図 | 鑑別等5問・製図2問 |
合格基準は、筆記試験が各科目40%以上かつ全体60%以上、実技試験が60%以上です。試験の一部免除を受ける場合は、免除されない問題で基準を満たす必要があります。
おすすめの学習順序
水系設備は、ポンプ、配管、弁、水源、ヘッドなどの機器がつながって働きます。設備の仕組みを知らないまま設置基準の数字だけを覚えると、どの設備のどの部分を定めた基準なのかが見えにくくなります。先に構造を学び、その後で法令と製図を結びつける順序がおすすめです。
| Step | 学ぶ分野 | 目的 |
|---|---|---|
| 1 | 構造・機能 | 水系設備と構成機器の役割を理解する。 |
| 2 | 機械の基礎知識 | 力、圧力、流量、ポンプ、配管計算の土台を作る。 |
| 3 | 法令類別 | 設置対象と設備ごとの技術基準を整理する。 |
| 4 | 工事・整備 | 配管施工、弁類、点検、試験を機器と結びつける。 |
| 5 | 製図 | 問題条件と図面を読み、水力計算へつなげる。 |
Step 1:構造・機能
最初に、水系消火設備の全体像と共通する構成を確認します。その後、屋内消火栓、スプリンクラー、水噴霧、屋外消火栓、加圧送水装置へ進むと、機器同士のつながりを整理しやすくなります。
- 水系消火設備の全体像:屋内消火栓、スプリンクラー、水噴霧、屋外消火栓、動力消防ポンプ設備の違い。
- 屋内消火栓設備の構造と機能:1号、易操作性1号、2号、広範囲型2号の構成と操作。
- スプリンクラー設備の全体像と方式:湿式、乾式、予作動式、開放型、放水型の仕組み。
- スプリンクラーヘッドの種類と機能:閉鎖型、開放型、放水型ヘッド等の違い。
- 流水検知装置と一斉開放弁:流水検知装置、圧力スイッチ、一斉開放弁の役割。
- 水噴霧消火設備の構造と機能:噴霧ヘッド、配管、弁類、作動の流れ。
- 屋外消火栓設備と動力消防ポンプ設備:設備の構成と用途の違い。
- 加圧送水装置と附属装置:ポンプ方式、高架水槽方式、圧力水槽方式、呼水装置など。
Step 2:機械の基礎知識
甲種1類では、機械に関する基礎知識が筆記科目に含まれます。製図の水力計算に進む前に、圧力、流量、損失水頭、ポンプの性能を数式と単位の両方で確認します。
ポンプと流体力学
共通する機械基礎
次の記事は乙種6類向けに作成したものですが、甲種1類の機械基礎にも共通する内容です。苦手な分野だけ選んで復習できます。
- 力のつりあいとモーメント:力の合成・分解、モーメント。
- 荷重・応力・ひずみ:応力、ひずみ、フックの法則、安全率。
- 材料の性質:鋼、ステンレス鋼、銅合金、ゴム、合成樹脂。
- 圧力・流体の基礎:圧力、パスカルの原理、気体の法則。
- 腐食と防食:腐食の種類と代表的な防食方法。
Step 3:法令類別
設備の構造が見えてきたら、設置義務と技術基準へ進みます。建物用途、階、床面積などの設置条件と、放水量、水源水量、水平距離などの設備基準を分けて整理してください。
- 屋内消火栓設備の設置義務と技術基準:設置対象と、各消火栓の放水性能・水源・配置。
- スプリンクラー設備の設置義務:用途、階、床面積等による設置対象の考え方。
- スプリンクラー設備の技術基準:ヘッド、配管、水源、末端試験弁など。
- 水噴霧・屋外消火栓・動力消防ポンプの基準:各設備の設置対象と主な技術基準。
Step 4:工事・整備
工事・整備では、配管、弁、継手、ポンプを、施工方法と点検方法の両面から確認します。鑑別等では写真やイラストから名称や用途を答えるため、部品名だけでなく設置位置と役割を結びつけます。
- 配管・バルブ・継手の種類と施工方法:配管材料、弁類、継手、接合方法。
- 水系消火設備の点検と試験:ポンプ、放水、末端試験弁、予備電源などの確認。
Step 5:製図
製図では、問題文の条件、凡例、系統図、平面図を照合します。図記号を単独で暗記するだけでなく、配管経路、機器の配置、必要な流量と全揚程がどのようにつながるかを確認してください。
- 水系消火設備の製図の基礎:公式公開問題を使った凡例、系統図、平面図の読み方。
- 甲種1類の水力計算:全揚程、ポンプ吐出量、水源水量、摩擦損失の確認手順。
実技対策の記事
一通り学習したら、鑑別等と計算を横断して復習します。公式の公開問題は問題の一部であり、毎年分を網羅した過去問題集ではありません。出題頻度を推測するためではなく、問題形式と必要な知識・技能の目安を知るために利用してください。
- 甲種1類・乙種1類の鑑別等対策:写真・イラストで問われる機器の見分け方を確認する。
- 甲種1類の水力計算攻略:計算条件の読み取りと単位の扱いを復習する。
- 消防試験研究センターの公開問題:公式に公開されている問題と解答を確認する。
法令共通も合わせて確認する
甲種1類の筆記には、類別だけでなく消防関係法令の共通問題があります。水系設備の記事だけで閉じず、消防法の基本、消防用設備等の制度、点検、消防設備士制度も合わせて確認します。
消防法の基本
- 消防法の目的:消防法第1条の目的。
- 消防法令上の定義:防火対象物、消防対象物、関係者など。
- 特定防火対象物と非特定防火対象物:用途区分を確認する入口。
- 防火対象物の数え方:複合用途や区画の考え方。
消防用設備等と点検制度
- 消防用設備等の種類:消火設備、警報設備、避難設備など。
- 設置及び維持:消防法第17条と消防法施行令別表第一の入口。
- 点検報告制度:消防用設備等の点検・報告。
- 消防設備士制度:甲種・乙種と、工事・整備・点検の範囲。
受験資格と科目免除を確認する
甲種第1類には受験資格が必要です。対象となる資格や学歴、必要な証明書は複数に分かれているため、自己判断せず、消防試験研究センターの「甲種について」と受験する支部の試験案内を確認してください。
消防設備士、電気工事士、電気主任技術者、技術士などの資格がある場合、申請によって一部科目が免除されることがあります。免除される問題数に応じて試験時間も短縮されます。ただし、免除科目の知識が製図や鑑別等の理解に必要になる場合があるため、不安な分野はロードマップに戻って復習してください。
学習の進め方
このロードマップは、記事を読む順番を示すものです。読むだけで終わらせず、計算、図面、確認問題を組み合わせると、理解できていない箇所を見つけやすくなります。
- 一周目は、設備ごとの目的と、ポンプから放水までの流れをつかむ。
- 二周目は、設置義務と技術基準を設備別に整理する。
- 計算問題は、数値だけでなく単位と問題文の条件を確認する。
- 製図は、凡例、系統図、平面図を照合しながら手を動かす。
- 間違えた問題は、該当する構造・法令・計算の記事へ戻る。
力試し:ミニテストと模擬試験
参考情報
- 消防試験研究センター「試験案内」
- 消防試験研究センター「試験科目及び問題数」
- 消防試験研究センター「試験の方法」
- 消防試験研究センター「甲種について」
- 消防試験研究センター「過去に出題された問題」
- e-Gov法令検索「消防法」
- e-Gov法令検索「消防法施行令」
- e-Gov法令検索「消防法施行規則」
※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。
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