甲種4類/乙種4類

オームの法則と合成抵抗の計算|直列・並列・混合回路を例題で解説

オームの法則と合成抵抗は、電気回路の電圧・電流・抵抗を計算するための基礎です。この記事では、直流の抵抗回路を前提に、V=IRの使い方、直列・並列・混合回路の合成抵抗、単位換算、検算方法を例題で整理します。

最初に覚える3点
オームの法則:V=IR
直列の合成抵抗:R=R1+R2+…
並列の合成抵抗:1/R=1/R1+1/R2+…

記号は、電圧をV〔V〕、電流をI〔A〕、抵抗をR〔Ω〕とします。同じ文字のVが量記号と単位記号の両方に使われるため、式の中のVは電圧、数値の後ろのVはボルトと読み分けます。

オームの法則はV=IR

オームの法則は、一定の物理的条件のもとで、抵抗に加わる電圧と流れる電流の関係を表します。基本式は次のとおりです。

V=IR
電圧〔V〕=電流〔A〕×抵抗〔Ω〕

求める量に合わせると、3通りに変形できます。

求める量 使う既知量
電圧V V=IR 電流I、抵抗R
電流I I=V/R 電圧V、抵抗R
抵抗R R=V/I 電圧V、電流I

NISTは、電流・電圧・抵抗の関係をI=V/Rで示しています。また、抵抗のSI単位はオームで、1Ω=1V/Aです。式だけでなく単位の関係も同時に覚えると、掛け算と割り算を取り違えにくくなります。

基本の計算例

例:10Ωの抵抗へ20Vを加えた。流れる電流を求める。

I=V/R=20÷10=2A

答えを元の式へ戻すと、IR=2×10=20Vとなり、問題の電圧と一致します。計算後にV=IRへ代入し直す方法は、簡単で確実な検算です。

mA・kΩの単位換算

計算では、アンペアとミリアンペア、オームとキロオームが混在することがあります。数値を代入する前に単位をそろえます。

単位 換算
電流 1A=1,000mA、1mA=0.001A
抵抗 1kΩ=1,000Ω

例:12kΩの抵抗へ24Vを加えたときの電流を求める。

12kΩ=12,000Ω
I=24÷12,000=0.002A=2mA

電圧をV、抵抗をkΩで計算すると、数値上の答えはmAになります。この例なら24÷12=2mAです。ただし、なぜそうなるか分からない段階では、いったんΩとAへ換算する方が安全です。

直列回路の合成抵抗

直列回路は、抵抗が分岐せず一列につながった回路です。すべての抵抗に同じ電流が流れ、各抵抗の電圧降下を合計すると電源電圧になります。

電源 ─ R1 ─ R2 ─ R3 ─ 電源へ戻る

直列の合成抵抗は、各抵抗を足して求めます。

R=R1+R2+R3+…

直列回路の計算例

例:10Ωと20Ωの抵抗を直列につなぎ、全体へ30Vを加えた。合成抵抗、回路電流、各抵抗の電圧を求める。

  1. 合成抵抗:R=10+20=30Ω
  2. 回路電流:I=30÷30=1A
  3. 10Ωの電圧:V1=1×10=10V
  4. 20Ωの電圧:V2=1×20=20V

各抵抗の電圧を足すと10+20=30Vとなり、電源電圧と一致します。直列の合成抵抗は足し算なので、答えは必ず個々の抵抗より大きくなります。

分圧の考え方

直列回路では同じ電流が流れるため、各抵抗の電圧は抵抗値に比例します。抵抗が2本なら、R1に加わる電圧は次の式でも求められます。

V1=V×R1/(R1+R2)

ただし、この式を丸暗記しなくても、合成抵抗から電流を求め、V1=IR1と計算すれば同じ結果になります。

並列回路の合成抵抗

並列回路は、抵抗が枝分かれして接続された回路です。各枝には同じ電圧が加わり、各枝の電流を合計すると回路全体の電流になります。

分岐点 ─ R1 ─ 合流点
    └ R2 ─┘

並列の合成抵抗は、逆数の和で求めます。

1/R=1/R1+1/R2+1/R3+…

抵抗が2本なら「和分の積」

並列抵抗が2本だけなら、逆数の式を変形した次の公式を使えます。

R=R1R2/(R1+R2)
積を和で割る

「和分の積」は2本の並列抵抗に使う式です。3本以上を一度に代入する式ではありません。3本以上なら逆数の和を使うか、2本ずつ順番に合成します。

並列回路の計算例

例:6Ωと3Ωの抵抗を並列につなぎ、全体へ12Vを加えた。合成抵抗と電流を求める。

R=(6×3)÷(6+3)=18÷9=

回路全体の電流は、I=12÷2=6Aです。各枝を確認すると、6Ωには12÷6=2A、3Ωには12÷3=4Aが流れます。枝電流の合計2+4=6Aは、回路全体の電流と一致します。

並列接続では電流の通り道が増えるため、合成抵抗は必ず最も小さい抵抗より小さくなります。この例で2Ωが3Ωより小さいことは、計算結果が妥当である目安になります。

同じ抵抗を並列にした場合

同じ抵抗R0をn本並列につなぐと、合成抵抗はR0/nです。たとえば12Ωを3本並列にすると、合成抵抗は12÷3=4Ωです。

直並列混合回路の解き方

直列と並列が混ざった回路は、接続関係が明確な小さなまとまりから順番に合成します。一度に全体を式へ入れようとせず、並列部分を1本の抵抗へ置き換えてから直列部分を足します。

例:6Ωと3Ωの並列部分に、4Ωが直列につながっている。全体へ12Vを加えたときの合成抵抗と回路電流を求める。

  1. 並列部分:Rp=(6×3)÷(6+3)=2Ω
  2. 直列部分を加える:R=2+4=6Ω
  3. 回路全体の電流:I=12÷6=2A

4Ωは回路全体の電流2Aが流れるため、電圧降下は2×4=8Vです。並列部分に加わる電圧は12-8=4Vです。並列の各枝では、6Ωに4÷6=2/3A、3Ωに4÷3=4/3Aが流れ、合計は2Aになります。

直列と並列の見分け方

確認点 直列 並列
接続 分岐しない一本道 両端が同じ2点へ接続
共通する量 電流が同じ 電圧が同じ
合成抵抗 各抵抗の和 逆数の和
答えの目安 最大の抵抗より大きい 最小の抵抗より小さい

回路図の見た目が横並びでも、電気的に並列とは限りません。抵抗の両端がそれぞれ同じ2つの節点へ接続されているかを確認します。途中に分岐点がなければ直列、両端が同じなら並列と判断できます。

計算の手順と検算

  1. 求める量と単位を確認する。
  2. mA、A、Ω、kΩなどの単位をそろえる。
  3. 回路を直列部分と並列部分に分ける。
  4. 小さなまとまりから合成抵抗を求める。
  5. V=IRで回路全体または各部分を計算する。
  6. 電圧・電流・合成抵抗の大小関係で検算する。

検算では、次の4点を確認します。

  • 直列の合成抵抗は、個々の抵抗より大きいか。
  • 並列の合成抵抗は、最小の抵抗より小さいか。
  • 直列部分の電圧降下の合計は、電源電圧と一致するか。
  • 分岐した電流の合計は、分岐前の電流と一致するか。

よくある間違い

  • 並列抵抗を足す:並列は逆数の和、2本なら和分の積を使います。
  • 和分の積を3本へそのまま使う:和分の積は2本用です。
  • mAとAを混ぜる:1A=1,000mAを使って単位をそろえます。
  • kΩをΩのまま扱う:1kΩ=1,000Ωです。
  • 回路全体の電圧を直列の各抵抗へ代入する:直列では電圧が分かれます。
  • 並列の各枝で電流が同じと考える:並列で共通するのは電圧です。

消防設備士試験との関係

消防試験研究センターは、消防設備士として習得すべき知識・技能の目安として、過去に出題した問題の一部を公開しています。2026年6月更新の甲種公開問題にも、同じ抵抗へ加える直流電圧を変えたときの電流を求める問題があり、V=IRの関係を使って解けます。

この記事の計算例と練習問題は、公式問題の転載ではなく、基礎式を確認するために作成したオリジナル問題です。実際の設備の回路設計、末端抵抗、監視電流、機器選定は、記事内の単純な例だけで決めず、対象設備の技術基準とメーカーの最新仕様を確認してください。

理解度チェック

問題1

12Ωの抵抗へ24Vを加えた。流れる電流はいくらか。

  1. 0.5A
  2. 2A
  3. 12A
  4. 288A
解答を見る

2.2A。I=V/R=24÷12=2Aです。

問題2

10Ω、20Ω、30Ωの抵抗を直列につないだ。合成抵抗はいくらか。

  1. 20Ω
  2. 30Ω
  3. 60Ω
解答を見る

4.60Ω。直列なので、10+20+30=60Ωです。

問題3

12Ωと6Ωの抵抗を並列につないだ。合成抵抗はいくらか。

  1. 18Ω
解答を見る

1.4Ω。R=(12×6)÷(12+6)=72÷18=4Ωです。最小の6Ωより小さいため、大小関係も適切です。

問題4

6Ωと3Ωの並列部分に4Ωが直列につながっている。合成抵抗はいくらか。

  1. 13Ω
解答を見る

3.6Ω。並列部分は(6×3)÷(6+3)=2Ωです。直列の4Ωを加え、2+4=6Ωです。

問題5

12kΩの抵抗へ24Vを加えた。流れる電流はいくらか。

  1. 0.5mA
  2. 2mA
  3. 12mA
  4. 288mA
解答を見る

2.2mA。12kΩ=12,000Ωなので、24÷12,000=0.002A=2mAです。

まとめ

内容 式・特徴
オームの法則 V=IR、I=V/R、R=V/I
直列の合成抵抗 各抵抗を足す。電流が共通
並列の合成抵抗 逆数を足す。電圧が共通
2本の並列 R=R1R2/(R1+R2)
混合回路 小さな直列・並列部分から順に合成

計算後は、直列なら個々の抵抗より大きいか、並列なら最小の抵抗より小さいかを確認します。電圧降下の合計と枝電流の合計まで確かめると、接続の見誤りや単位換算ミスを発見できます。

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参考資料

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