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警戒区域の設定方法|600㎡・50mと階の分け方

結論:警戒区域は「火災が起きた場所を区別する最小単位」

自動火災報知設備の警戒区域は、火災の発生した区域を他の区域と区別して識別できる最小単位の区域です。消防法施行令第21条第2項で、階のまたぎ方、面積、一辺の長さが定められています。

基本は、一の警戒区域を2以上の階にわたらせないこと、面積を600㎡以下にすること、一辺の長さを50m以下にすることです。例外はありますが、500㎡、1000㎡、光電式分離型感知器の100mを同じ緩和として混ぜると誤りやすくなります。

警戒区域の基本
階:原則として2以上の階にわたらない
面積:一の警戒区域は600㎡以下
一辺:一辺の長さは50m以下
光電式分離型感知器:一辺の長さを100m以下にできる
見通しの例外:主要な出入口から内部を見通せる場合、面積を1000㎡以下にできる
小規模な階またぎ:施行規則23条の条件に合う場合、500㎡以下で2階にわたる警戒区域にできる

条文で見る警戒区域の3つの数値

警戒区域で最初に確認する数値は、600㎡、50m、500㎡です。1000㎡と100mは例外・条件付きの数値として別に整理します。

数値 意味 根拠の整理
600㎡以下 一の警戒区域の面積の原則 消防法施行令21条2項2号
50m以下 一の警戒区域の一辺の長さの原則 消防法施行令21条2項2号
500㎡以下 2階にわたる警戒区域にできる場合の条件 消防法施行規則23条1項
1000㎡以下 主要な出入口から内部を見通せる場合の面積の例外 消防法施行令21条2項2号ただし書
100m以下 光電式分離型感知器を設置する場合の一辺の長さ 消防法施行令21条2項2号

ここで注意する点は、1000㎡は「主要な出入口からその内部を見通すことができる場合」の面積例外であり、光電式分離型感知器を設置しただけで面積が1000㎡になるわけではないことです。光電式分離型感知器に関係するのは、一辺の長さを100m以下にできる部分です。

原則:2以上の階にわたらせない

消防法施行令第21条第2項第1号は、警戒区域を防火対象物の2以上の階にわたらないものとしています。受信機で表示を見たときに、どの階で火災信号が出ているかを区別しやすくするためです。

したがって、1階と2階を大きくまとめて1つの警戒区域にする考え方は原則ではありません。まず階ごとに分け、そのうえで各階の面積と一辺の長さを確認します。

例外:500㎡以下で2階にわたる場合

消防法施行規則第23条第1項では、施行令21条2項1号ただし書の例外として、一の警戒区域の面積が500㎡以下であり、かつ、その警戒区域が防火対象物の2階にわたる場合を挙げています。

つまり、小規模な範囲では、条件に合えば2つの階を1つの警戒区域にできる場合があります。ただし、「500㎡以下なら何階でもまとめられる」という意味ではありません。条文上は2階にわたる場合であり、面積だけでなく、他の技術基準や設計図書との整合も確認します。

整理:階をまたぐ例外は「500㎡以下」と「2階にわたる場合」をセットで見ます。600㎡以下の原則とは別に、階をまたぐための条件として500㎡以下が出てきます。

階段・傾斜路・昇降路などの扱い

施行規則第23条第1項は、同条第5項第1号と第3号により煙感知器を設ける場合も、階をまたがない原則の例外として扱っています。第5項第1号は階段及び傾斜路、第3号はエレベーターの昇降路、リネンシュート、パイプダクトその他これらに類するものです。

旧本文では、竪穴部分を受信機の方式や消防本部ごとの運用差と結び付けていましたが、公開本文では条文上の整理にとどめます。階段や昇降路は、居室の床面積だけで区切る警戒区域とは別に、煙感知器の設置場所として確認します。

場所 警戒区域での見方
通常の居室・室 階ごと、600㎡以下、一辺50m以下を基本に分ける
2階にわたる小規模範囲 500㎡以下など、施行規則23条1項の条件を確認する
階段・傾斜路 施行規則23条5項1号の煙感知器設置場所として確認する
エレベーター昇降路・リネンシュート・パイプダクト等 施行規則23条5項3号の煙感知器設置場所として確認する

面積600㎡以下と一辺50m以下は両方見る

警戒区域の分け方では、面積だけを見てはいけません。施行令21条2項2号は、面積600㎡以下と一辺50m以下を同時に求めています。

たとえば、床面積が500㎡であっても、細長い平面で一辺の長さが50mを超える場合は、そのまま1つの警戒区域にできません。反対に、一辺50m以下でも、面積が600㎡を超える場合は分割が必要です。

判定の順番
1. まず階をまたいでいないかを見る
2. 階をまたぐなら、500㎡以下などの例外に当たるかを見る
3. 面積が600㎡以下かを見る
4. 一辺が50m以下かを見る
5. 光電式分離型感知器や見通し例外を使う場合は、どの数値が緩和されるのかを分けて確認する

主要な出入口から見通せる場合の1000㎡例外

施行令21条2項2号ただし書では、当該防火対象物の主要な出入口からその内部を見通すことができる場合、警戒区域の面積を1000㎡以下にできるとされています。

この例外は、面積600㎡以下の原則に対する例外です。一辺の長さの条件や、階をまたがない原則まで一緒に消えるわけではありません。公開記事では「1000㎡例外」と「光電式分離型感知器の100m」を別物として扱うのが安全です。

光電式分離型感知器は一辺100mの話

光電式分離型感知器を設置する場合、施行令21条2項2号では、一辺の長さを100m以下にできます。これは体育館、工場、吹抜けのように、スポット型感知器だけでは配置検討が複雑になりやすい大空間で出てくる考え方です。

ただし、光電式分離型感知器を設置しただけで、面積600㎡の原則が自動的に1000㎡へ変わるわけではありません。面積の1000㎡例外は、主要な出入口から内部を見通せる場合の規定です。

条件 緩和されるもの 混同しやすい点
光電式分離型感知器を設置 一辺の長さを100m以下にできる 面積1000㎡になる規定ではない
主要な出入口から内部を見通せる 面積を1000㎡以下にできる 一辺の長さの条件まで消えるわけではない

受信機の種類と警戒区域の関係

P型受信機、R型受信機、GR型受信機の違いは、信号の扱い方や表示の細かさに関係します。しかし、警戒区域の基本基準は受信機メーカーや方式で自由に変わるものではありません。

学習では、まず施行令21条と施行規則23条の警戒区域を押さえ、そのあと受信機でどのように表示されるかを整理します。受信機の記事は、受信機の種類と機能で確認できます。

設計図で確認する流れ

警戒区域を図面で確認するときは、次の順番で見ると整理しやすくなります。

  1. 各階の平面図を分けて見る
  2. 階段、傾斜路、エレベーター昇降路、パイプダクト等を確認する
  3. 各階の警戒区域が600㎡以下か確認する
  4. 各区域の一辺の長さが50m以下か確認する
  5. 光電式分離型感知器を使う区域では、一辺100mの条件に当たるか確認する
  6. 主要な出入口から内部を見通せる場合だけ、1000㎡例外を検討する
  7. 受信機の表示と警戒区域図が対応しているか確認する

ここでいう「見通せる」は、単に入口があるという意味ではありません。内部の状況を主要な出入口から確認できるかが問題になります。個別の建物では、図面、内装、間仕切り、用途、所轄消防との協議を含めて判断します。

よくある誤解

誤解 安全な整理
600㎡以下なら一辺の長さは見なくてよい 面積600㎡以下と一辺50m以下を両方見る
光電式分離型感知器なら1000㎡までよい 光電式分離型感知器は一辺100mの話。1000㎡は見通し例外
500㎡以下なら何階でもまとめられる 施行規則23条1項は2階にわたる場合などを例外としている
地階は常に別の警戒区域と断定できる 公開本文では条文の階またぎ原則と例外に沿って確認する
受信機方式で法令上の面積基準が変わる 警戒区域の基準は施行令21条・施行規則23条で確認する

設計例で見る分け方

ここでは、条文理解のための単純な例で確認します。実際の設計では、用途、間仕切り、天井高さ、感知器種別、条例、所轄消防の指導を含めて判断します。

考え方
1階700㎡、一辺40mの一般的な平面 面積600㎡を超えるため、原則として警戒区域を分ける
1階480㎡、一辺60mの細長い平面 面積は600㎡以下でも一辺50mを超えるため、そのままでは基準に合わない
1階と2階を合わせて480㎡の小規模範囲 500㎡以下で2階にわたる場合の例外に当たるか確認する
大空間に光電式分離型感知器を設置 一辺100m以下の扱いを確認する。面積1000㎡例外とは分けて考える
主要な出入口から内部を見通せる空間 面積1000㎡以下の例外を検討できる。ただし他の条件も確認する

参考にした公的資料

まとめ

警戒区域の要点
定義:火災の発生した区域を他の区域と区別できる最小単位
階:原則として2以上の階にわたらない
面積:一の警戒区域は600㎡以下
一辺:一辺50m以下。光電式分離型感知器を設置する場合は100m以下
階またぎ例外:500㎡以下で2階にわたる場合など
面積例外:主要な出入口から内部を見通せる場合は1000㎡以下
注意:1000㎡例外と光電式分離型感知器の100mは別の規定

次に読む記事

警戒区域を押さえたら、次は感知器をどの場所にどの間隔で設けるかを確認します。警戒区域は「どの範囲で火災場所を表示するか」、感知器の設置基準は「その範囲内でどう感知するか」の話です。

確認問題

問題1:自動火災報知設備の警戒区域の説明として正しいものはどれか。

(1)感知器を設置しない区域のこと
(2)火災の発生した区域を他の区域と区別して識別できる最小単位
(3)避難器具を置く区域のこと
(4)消火器の歩行距離を示す区域のこと

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正解:(2)
施行令21条2項1号では、警戒区域を火災の発生した区域を他の区域と区別して識別できる最小単位の区域としています。

問題2:一の警戒区域の原則として正しい組み合わせはどれか。

(1)800㎡以下・一辺80m以下
(2)600㎡以下・一辺50m以下
(3)500㎡以下・一辺100m以下
(4)1000㎡以下・一辺200m以下

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正解:(2)
一の警戒区域は、原則として面積600㎡以下、一辺50m以下です。

問題3:500㎡以下で2階にわたる警戒区域に関係する条文はどれか。

(1)消防法施行規則23条1項
(2)消防法施行令10条
(3)消防法施行規則6条
(4)消防法17条の5

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正解:(1)
施行規則23条1項は、施行令21条2項1号ただし書の総務省令で定める場合を示しています。

問題4:光電式分離型感知器を設置する場合の警戒区域の一辺の長さとして正しいものはどれか。

(1)30m以下
(2)50m以下のまま変わらない
(3)100m以下
(4)1000m以下

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正解:(3)
施行令21条2項2号では、光電式分離型感知器を設置する場合、一辺の長さを100m以下としています。

問題5:警戒区域の1000㎡例外として正しい説明はどれか。

(1)光電式分離型感知器を設置すれば常に1000㎡以下にできる
(2)主要な出入口から内部を見通すことができる場合、面積を1000㎡以下にできる
(3)地階なら常に1000㎡以下にできる
(4)受信機がR型なら常に1000㎡以下にできる

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正解:(2)
1000㎡例外は、主要な出入口から内部を見通せる場合の面積例外です。光電式分離型感知器の一辺100mとは分けて覚えます。

関連:4類全体の学習順序や参考書選びは「参考書と勉強法【4類】」で確認できます。

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