製図は「凡例」「系統図」「平面図」を順に読む
甲種4類の製図では、図面に機器や配線を書き込むだけでなく、問題文に示された条件を読み取る力が必要です。最初に見るべきものは、暗記した記号ではなく、問題に添えられた凡例と条件です。
この記事の前提
図記号や配線の表し方は、問題の凡例、設計図書、機器仕様、所轄消防の運用で変わることがあります。試験でも、問題文に凡例や条件が示されている場合は、そこに従って読みます。
製図の読み取りは、次の3段階で進めると整理しやすくなります。
| 順番 | 見るもの | 確認すること |
|---|---|---|
| 1 | 凡例・注記 | 図記号、配線記号、電線の種類、特別な条件 |
| 2 | 系統図 | 受信機から各回線、共通線、終端器までのつながり |
| 3 | 平面図 | 部屋の用途、感知器の配置、配線ルート、警戒区域 |
凡例・図記号の読み方
凡例は、図面の中で使われる記号の意味を示す一覧です。たとえば、丸印が感知器、四角が受信機や発信機、三角が中継器を表すような整理があります。ただし、答案では問題に示された凡例を優先します。
図記号を見るときの基本
| 見る部分 | 読み取り方 |
|---|---|
| 外形 | 感知器、受信機、発信機、中継器など、大まかな機器の種類を確認する。 |
| 中の文字・線 | 熱、煙、炎などの感知方式や、受信機の型式を確認する。 |
| 添え字 | 種別、個数、回線番号、警戒区域番号などを確認する。 |
| 注記 | 問題だけの特別な表し方、使ってよい機器、使ってはいけない機器を確認する。 |
自分が覚えている記号と問題の凡例が少し違う場合は、暗記側に合わせて書き換えないようにします。製図問題では、図面上のルールを読み取って、それに合わせて答案を作ることが大切です。
感知器の図記号で確認すること
感知器の記号を見るときは、種類だけでなく、取付ける場所に合っているかを確認します。熱感知器、煙感知器、炎感知器は、それぞれ適する場所や設置条件が異なるため、平面図の部屋名、天井高さ、空調や換気の条件と合わせて読みます。
- 部屋の用途に対して、感知器の種類が合っているか。
- 同じ部屋の中で、感知区域や間仕切りを見落としていないか。
- 種別や添え字が、問題文や凡例と一致しているか。
- 関連する設置基準の記事で扱った条件と矛盾していないか。
感知器の設置基準を復習する場合は、先に「感知器の設置基準」で取付面高さや感知区域の考え方を確認しておくと、製図の判断がしやすくなります。
系統図の読み方
系統図は、受信機を中心に、感知器、発信機、表示灯、地区音響装置、終端器などがどの回線でつながるかを示す図です。平面上の位置よりも、電気的な接続関係を読むための図だと考えると理解しやすくなります。
系統図で見る順番
- 受信機の種類と回線数を見る。
- 警戒区域ごとの回線を分けて見る。
- 共通線がどの範囲で使われているかを見る。
- 終端器が回線の末端にあるかを見る。
- 発信機、表示灯、地区音響装置などの回路を分けて見る。
系統図を読むときに大切なのは、線の本数を丸暗記で決めないことです。P型かR型か、発信機や表示灯を含むか、地区音響装置をどのように鳴動させるかで、必要な線の考え方が変わります。
| 確認点 | 読み取りの要点 |
|---|---|
| 受信機 | P型、R型、回線数、接続される機器を確認する。 |
| 感知器回路 | 警戒区域ごとの回路、末端の終端器、戻りや分岐の扱いを確認する。 |
| 共通線 | どの回線で共通に使うか、問題文に制限や条件があるかを確認する。 |
| 発信機・表示灯 | 発信機、応答、表示灯、電話など、問題で求められている機能を確認する。 |
| 地区音響装置 | 鳴動方式、配線の種類、耐火・耐熱の指定がないかを確認する。 |
配線本数の考え方
配線本数は、図面上の斜線や注記で示されることがあります。ここで大切なのは、「この区間はいつも何本」と固定して覚えることではなく、その区間で必要な機能が何かを分解することです。
本数を決めるときの確認順
- その線が、感知器回路なのか、発信機まわりなのか、地区音響まわりなのかを分ける。
- 回線、共通線、表示灯、応答、電話など、必要な機能を問題文から拾う。
- 凡例に斜線の本数や電線種別の指定がある場合は、それを優先する。
- 耐火配線・耐熱配線などの指定がある場合は、用途と範囲を確認する。
たとえば、感知器回路だけを見ているつもりでも、同じルートに発信機や地区音響装置の線が含まれると、本数の見え方が変わります。問題文の条件を拾わずに数字だけで処理すると、図面全体の整合が崩れやすくなります。
配線で迷ったとき
本数を先に決めるのではなく、「何の信号を送る線か」「どの機器まで行く線か」「末端はどこか」を先に決めます。そのあとで、凡例の線数、電線種別、保護方法に合わせて整えます。
平面図の読み方
平面図では、建物の間取りの上に感知器や配線を書き込みます。系統図が接続関係を示す図であるのに対し、平面図は実際の部屋や廊下の位置関係を見ながら、配置と配線経路を確認する図です。
平面図で確認する項目
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 部屋の用途 | 居室、廊下、階段、倉庫、厨房など、感知器選定に関係する条件を見る。 |
| 天井高さ・形状 | 取付面高さ、梁、吹抜け、段差など、配置に影響する条件を見る。 |
| 警戒区域 | 階、区域、回線番号を混同していないか確認する。 |
| 配線ルート | 受信機から各機器までの経路、分岐、末端を確認する。 |
| 凡例・注記 | 図面内だけの省略記号、電線種別、記入条件を確認する。 |
平面図では、感知器を置く位置だけに目が行きがちです。しかし、答案としては、感知器の種類、個数、警戒区域、配線のつながり、終端器の位置まで整っている必要があります。
答案を作る手順
製図問題では、最初から清書のように線を引くと、条件の見落としに気づいたときに直しにくくなります。次の順番で下書きするほうが安定します。
- 問題文の条件に線を引く。
- 凡例で図記号と配線記号を確認する。
- 受信機、発信機、表示灯、地区音響装置など、固定されている機器を先に押さえる。
- 感知器を部屋ごとに検討し、警戒区域や回線番号と対応させる。
- 系統図と平面図で、回線の末端や終端器の位置を合わせる。
- 最後に、線の本数、電線種別、注記漏れを確認する。
よくあるミス
製図で崩れやすいのは、難しい計算よりも、条件の読み落としです。次のようなミスがないか、最後に確認します。
| ミス | 確認方法 |
|---|---|
| 凡例を見ずに暗記で記号を書く | 問題の凡例と、自分の記入が一致しているかを見る。 |
| 終端器を忘れる | 各感知器回路の末端がどこかを系統図と平面図で合わせる。 |
| 共通線の範囲を広げすぎる | 問題文の制限、回線数、警戒区域の分け方を確認する。 |
| 配線本数を固定暗記で処理する | その区間に含まれる機能を分解し、凡例の線数と照合する。 |
| 系統図と平面図がずれる | 回線番号、警戒区域、末端位置が両方の図で一致しているかを見る。 |
確認問題
第1問
問題文の凡例で、普段覚えている記号と違う表し方が示されていた。答案ではどちらを優先するべきか。
答え:問題文の凡例を優先する。
解説:製図問題では、その図面で使う記号の意味を凡例が示します。暗記した記号と違って見えても、問題内で指定されたルールに従います。
第2問
系統図で感知器回路を読むとき、末端側で確認したいものは何か。
答え:終端器の位置。
解説:感知器回路は、どこで終わるかを確認しないと、平面図との整合が取りにくくなります。終端器は系統図と平面図をつなぐ確認点になります。
第3問
配線本数を判断するとき、最初に確認するべきことは何か。
答え:その区間にどの機能の線が含まれているか。
解説:感知器回路、発信機まわり、表示灯、地区音響装置などが混ざると、必要な線の考え方が変わります。まず機能を分けてから、凡例や注記に合わせます。
第4問
平面図で感知器を検討するとき、部屋名のほかに確認したい条件を2つ挙げよ。
答え:天井高さ、警戒区域、間仕切り、梁、空調や換気の条件など。
解説:感知器の種類や配置は、部屋名だけで決めるものではありません。設置基準、問題条件、図面注記を合わせて判断します。
次のステップ
- 自火報の回路計算:末端抵抗、電圧降下、共通線の計算を確認する。
- 製図の実践:平面図への感知器配置と配線の考え方を確認する。
- 感知器の設置基準:取付面高さ、感知区域、設置位置を復習する。
- 中継器と配線:自火報配線の基本と、線の役割を整理する。
確認メモ:本記事は、甲種4類の製図で必要になる読み取り手順を学習用に整理したものです。実際の工事・設計では、消防法、消防法施行令、消防法施行規則、設計図書、機器仕様書、自治体の運用を確認してください。
※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。
内容の誤りやお気づきの点がございましたら、お問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。正確な情報をお届けできるよう、随時修正してまいります。