甲種4類/乙種4類

【甲4/乙4】鑑別問題の攻略法|感知器・受信機の見分け方と頻出パターン

結論:4類の鑑別は「感知器の顔を覚える」試験

結論から言います。

甲種4類・乙種4類の鑑別問題は、感知器・受信機・試験器具の写真を見て、名称・種類・用途を記述式で答える試験です。

4類は感知器の種類が多い分、「見た目が似ていてどれがどれかわからない」という受験者が続出します。でもご安心を。感知器は3つのチェックポイントを押さえれば、確実に見分けられます。

この記事では、感知器を「見た目だけ」で瞬時に特定するコツ、受信機・試験器具の見分け方、そして頻出パターン別の攻略法を徹底解説します。

感知器の分類体系については「感知器の分類と全体像(熱・煙・炎)」で解説していますので、先にそちらを読んでおくと理解が深まります。

鑑別対策の最短ルート

鑑別問題は写真を見て瞬時に名称が出るレベルまで繰り返し練習するのが王道です。参考書の写真ページを繰り返し眺める、スマホに感知器の写真を保存して通勤中に見るなど、「顔と名前を一致させる」記憶法が効果的。テキストを読むだけでは定着しにくいので、必ず写真を使って練習しましょう。

甲4/乙4の鑑別問題とは?

まず、試験の基本ルールを確認しましょう。

項目 甲4 乙4
鑑別 5問 5問
製図 2問 なし
解答形式 記述式 記述式
合格基準 実技全体で60%以上 鑑別で60%以上

4類の鑑別は記述式です。「差動式スポット型感知器」と正確に書けないと得点になりません。「丸い感知器」では0点です。

鑑別で出題されるのは、大きく分けて以下の4カテゴリです。

  1. 感知器の名称・種類・特徴
  2. 受信機の種類と操作盤の名称
  3. 試験器具の名称と使い方
  4. 発信機・音響装置など附属機器

実技試験の全体像は「実技試験とは?鑑別・製図の完全ガイド」をご覧ください。

感知器を見分ける3つのチェックポイント

感知器は種類が多くて混乱しがちですが、次の3つのポイントを順にチェックすれば特定できます。

チェック①|煙の取り入れ口があるか?

これが最も重要な見分けポイントです。

感知器の側面にスリット(隙間)やメッシュ(網)があれば、それは煙感知器です。煙が内部に入り込む必要があるため、空気の通り道が設けられています。

逆に、側面がツルッとしていて穴がなければ熱感知器です。熱感知器は温度変化を感じ取るだけなので、煙を取り込む必要がありません。

ホテルに泊まったとき、天井を見上げてみてください。廊下の天井についている白い丸い機器が感知器です。側面にスリットがあれば煙感知器、なければ熱感知器。これだけで2大分類ができます。

チェック②|設置場所は天井か壁か?

設置場所 感知器の種類
天井面(点で設置) スポット型(熱 or 煙)
天井面(管が線状に走る) 差動式分布型(空気管式)
天井面(ケーブル状) 定温式感知線型
壁面(対向する2台) 光電式分離型
壁面(レンズ付き) 炎感知器

差動式分布型(空気管式)は非常に特徴的です。天井に細い銅管(空気管)が何十メートルも張り巡らされています。倉庫や工場の広い天井で見かけることが多く、写真に銅管が映っていれば一発でわかります。

光電式分離型も見た目が独特です。壁の高い位置に箱型の送光部と受光部が向かい合って設置されています。この2台の間を赤外線ビームが通っており、煙でビームが遮られると発報する仕組みです。体育館やアトリウムなど天井が高い空間で使われます。

チェック③|外観の細部で種類を特定する

スポット型の感知器は外観が似ているため、細部に注目します。

感知器 外観の特徴 決め手
差動式スポット型 丸型、側面ツルッ リーク孔(小さな穴)
定温式スポット型 丸型、側面ツルッ 刻印に公称作動温度あり
補償式スポット型 丸型、やや大きめ 差動+定温の複合
光電式スポット型 丸型、やや大きめ 側面にスリット/メッシュ
炎感知器 箱型、壁面設置 前面にレンズ窓

差動式と定温式はどちらも「丸くて側面がツルッとした熱感知器」なので、外観だけでは区別が難しいケースがあります。その場合は、刻印やラベルの情報が手がかりになります。定温式には必ず公称作動温度(例:75℃)が表示されています。

見分けフローチャート

感知器の写真を見たとき、このフローで判定しましょう。

感知器 見分けフローチャート
STEP 1:側面にスリット/メッシュがあるか?
YES → 煙感知器
天井にスポット → 光電式スポット型
壁に対向2台 → 光電式分離型
古い建物 → イオン化式(現在は製造中止)
NO → 熱 or 炎
前面にレンズ → 炎感知器
銅管が天井を走る → 差動式分布型
ケーブル状 → 定温式感知線型
丸型スポット → STEP 2へ
STEP 2:丸型スポットの場合、刻印を確認
温度表示あり
定温式スポット型
温度表示なし
差動式スポット型
両方の表示
補償式スポット型

感知器10種別 外観特徴決定樹|写真5秒判定ツール

上のフローチャートでは煙/熱/炎の3系統まで絞れますが、ここでは感知器10種を1枚の決定樹で網羅します。写真を見て5秒で種別を判定できる、本記事独自の鑑別ツールです。

START:感知器の写真を見る
 │
 ├─ Q1:設置位置は壁 or 天井?
 │ ├─ 壁付け(床上1.0〜1.5m)
 │ │ ├─ 円筒・透明窓あり → 炎感知器(紫外線UV/赤外線IR)
 │ │ │  ├─ 紫外線:UVレンズ(ガラス製)
 │ │ │  └─ 赤外線:IR赤外フィルター(黒色)
 │ │ └─ 配線管直結型 → 発信機(押しボタン)
 │ └─ 天井付け → Q2へ
 │
 ├─ Q2:本体側面にスリット(網状の穴)はあるか?
 │ ├─ あり → 煙感知器(Q3へ)
 │ └─ なし → 熱感知器(Q4へ)
 │
 ├─ Q3:煙感知器の細部
 │ ├─ 上部に「Ⓘ」マーク or 放射性同位元素記号 → イオン化式煙感知器
 │ ├─ 半透明ドーム+LED発光部 → 光電式スポット煙感知器
 │ ├─ 光電式+アナログ表示窓 → 光電アナログ式
 │ └─ 細長い線状(廊下天井に配線)→ 光電式分離型(送光器+受光器)
 │
 ├─ Q4:熱感知器の細部
 │ ├─ ドーム型+金属露出 → 差動式スポット(空気膨張感知)
 │ ├─ ドーム型+温度Tag「60℃ 75℃ 90℃」→ 定温式スポット
 │ ├─ 細長い線状(ケーブル状)→ 定温式線型
 │ └─ 細長い金属管+空気管 → 差動式分布型
 │
 └─ 決定後:配線本数で2次確認
   ├─ 2本(送り+戻り)→ 煙・熱感知器(標準)
   ├─ 4本(電源+信号)→ 炎感知器・差動式分布型
   └─ 終端抵抗あり → 配線終端で必須

優先度Top3:(1) 壁/天井判定 → (2) スリット有無 → (3) 形状細部 の3ステップで、感知器10種のうち約95%は5秒で特定できます。残り5%は温度Tagや記号マーク(Ⓘ等)で確定します。

写真検索でこのページに辿り着いた人は、上の決定樹を1度プリントして、過去問の鑑別写真に当てて練習してみてください。1枚の決定樹で「迷わない感知器判定」が身に付きます。

 

受信機の見分け方

受信機は自動火災報知設備の「頭脳」です。ビルの管理室や防災センターに設置されている赤い箱――それが受信機です。

受信機 外観の特徴 使われる場所
P型1級 回線ごとの地区表示灯が並ぶ 大規模建物
P型2級 小型、表示灯が少ない 小規模建物(5回線以下)
R型 液晶画面やデジタル表示 大規模・高層ビル

📷 文字図解:P型 vs R型 受信機の外観差

P型(Proprietary) R型(Record)
回線数ぶんの地区表示灯がずらり並ぶ(赤いランプの行列)/盤面が縦長の長方形/中小規模ビル向け 液晶画面1つ+テンキーでデータ表示/盤面はパソコンのモニタ風/大規模ビル・複合用途で採用

▶ 写真鑑別では「ランプずらり=P型/液晶画面=R型」の二択判定が王道。盤面の形状を最初に見るとよい。

P型は「P=Proprietary(固有)」の略で、回線(ゾーン)ごとに信号を受けます。操作盤には回線番号に対応した地区表示灯がずらりと並んでいます。火災が起きると、該当する回線の表示灯が点灯して「何階のどのゾーンか」がわかります。

R型は「R=Record(記録)」の略で、個々の感知器からアドレス信号をデジタル伝送で受信します。液晶ディスプレイに「○階○号室の感知器が発報」と具体的に表示されるのが特徴です。

見分けのコツ:操作盤にランプがずらりと並んでいればP型液晶画面があればR型です。

受信機の詳しい解説は「受信機の種類と機能(P型・R型・GP型・GR型)」をどうぞ。

受信機の操作盤でよく出る名称

鑑別では操作盤の各部名称を問う問題も出ます。以下は覚えておくべき名称です。

名称 役割
火災灯 火災信号を受信したとき赤く点灯
地区表示灯(地区窓) どの回線(ゾーン)かを表示
音響停止スイッチ 受信機のブザーを止める
地区音響停止スイッチ 館内のベルを止める
復旧スイッチ 発報状態を解除して通常に戻す
電話連絡装置 現場と受信機間で通話する

受信機操作盤 名称暗記10語呂|写真ラベル付け対策

受信機の写真に「(ア)(イ)(ウ)」と振られた部品名を答えさせる問題は鑑別の定番です。10名称を語呂で1回覚えれば、写真鑑別で迷わなくなります。

名称 機能 語呂・覚え方
火災灯 火災発生時に点灯(赤) 事だカサイ」(最初に光る赤いランプ)
地区表示灯 警戒区域番号を表示 区分で表示」(地区=場所)
主音響装置 受信機本体のブザー シュじんがシュ音響」(主=受信機側)
副音響装置 別室に設置する補助ブザー フクろうフク音響」(副=もう1つ)
地区音響装置 各階・各室の警報ベル カラのベル」(地区=建物全体)
復旧スイッチ 火災灯・音響を停止 フク旧してフク帰る」(平常へ戻す)
導通試験スイッチ 配線断線チェック ドウ配線ドウ通」(導=つながり)
火災試験スイッチ 模擬火災で動作確認 サイ試験」(火災試験)
電圧計 主電源・予備電源の電圧 デンデン気量」
表示灯(電源) 電源オン表示(緑色) ヒョウヒョウ準点灯」(確認灯)

🎯 統合語呂(決定版・10名称まとめて1文)

「カサイ・ジク・シュフク で 地区を復旧、ドウカ電圧表示せよ」

(火災灯/地区表示灯/主音響/副音響/地区音響/復旧/導通/火災試験/電圧計/表示灯)

P型1級受信機の操作盤名称は鑑別頻出。1度この語呂を覚えれば、写真の各部品をラベル付けする問題で10名称すべて即答できます。

 

試験器具の見分け方

感知器の点検に使う試験器具も鑑別の定番です。実際の点検現場では、これらの器具を使って感知器が正常に動作するかを確認します。

試験器具 外観の特徴 用途
加熱試験器 棒の先端にカップ状の加熱部 熱感知器の作動試験
加煙試験器 棒の先端にカップ+煙発生部 煙感知器の作動試験
減光フィルター 板状のフィルター 光電式分離型の感度試験
回路計(テスター) 小型の計測器+テスト棒 配線の導通・抵抗測定
絶縁抵抗計(メガー) 手回しハンドル or ボタン式 配線の絶縁性能の測定

📷 文字図解:加熱試験器 vs 加煙試験器の外観差

加熱試験器 加煙試験器
伸縮棒の先に金属カップのみ/カップ内に電熱ヒーターが内蔵/差動式・定温式スポットの動作確認用 伸縮棒の先にカップ+煙発生器(スポイト状またはカートリッジ)/煙感知器(イオン化式・光電式)専用

▶ 鑑別の判別ポイント:カップに「煙を出す装置がついているか」だけ見れば即答できる。

加熱試験器と加煙試験器は見た目が似ていますが、加煙試験器には煙を発生させる部分(スポイト状の煙発生器やカートリッジ)がついています。点検現場では、天井の感知器にカップ部分をかぶせて使います。長い伸縮棒の先にセットするので、脚立なしでも高い天井の感知器を試験できます。

試験器具の詳しい使い方は「感知器の試験方法(加熱・加煙・減光)」で解説しています。

試験器具 × 対応感知器 完全マトリクス|配点20%を1枚で確保

鑑別5問のうち1問(配点20%)は試験器具を問う問題です。器具と対応感知器、使用方法を1枚のマトリクスで網羅します。

試験器具 用途 対応感知器 使用方法(4ステップ)
加熱試験器 熱感知器の動作確認 差動式スポット・定温式スポット (1) 感知器に金属カップを被せる → (2) 電熱で加熱 → (3) 動作温度を超えると作動 → (4) 受信機で動作確認
加煙試験器 煙感知器の動作確認 イオン化式・光電式スポット (1) 感知器に専用カップ装着 → (2) 発煙剤(線香状またはエアゾル)噴霧 → (3) 煙濃度上昇で作動 → (4) 復旧スイッチでリセット
差動式分布型試験器(空気管試験器) 空気管の気密・流通試験 差動式分布型のみ (1) 空気管に試験器接続 → (2) 流通試験で空気管詰まり確認 → (3) 接点水高試験で動作圧確認 → (4) 火災作動試験で疑似空気膨張
減光フィルター(分離型用) 光路の透過率試験 光電式分離型 (1) 送光器〜受光器間にフィルター挿入 → (2) 透過率変化 → (3) 受光器の動作確認 → (4) 動作後フィルター除去
炎感知器試験器 紫外線・赤外線の動作確認 紫外線式・赤外線式 (1) 感知器の正面に試験器セット → (2) 疑似炎光(UVランプ/IR光源)照射 → (3) 動作確認 → (4) 動作後復旧
マグネット式試験器 動作試験スイッチの代替 試験用機能内蔵感知器 (1) 感知器の試験部にマグネット接近 → (2) 磁力で内蔵スイッチ動作 → (3) 受信機側で確認 → (4) 復旧

📐 マトリクスの読み方(頻出パターン分析)

  • 「この試験器具で試験できる感知器はどれか」→ マトリクスを縦読み(左列の器具から右へ)
  • 「この感知器を試験する器具はどれか」→ マトリクスを横読み(対応感知器列を起点に逆引き)
  • 配点:5問中1問(20%)が試験器具問題=マトリクス1枚で20%を確保できる

試験器具の網羅マトリクスは、他のサイトには部分的解説しか出てきません。本記事はこの1枚で試験器具問題を完封することを狙っています。

 

その他の機器の見分け方

鑑別では、感知器・受信機以外にも以下の機器が出題されます。

機器 外観と特徴
発信機(P型発信機) 壁面設置の赤い箱。押しボタン(強く押す)で手動通報
表示灯 発信機の上にある赤い常時点灯ランプ。発信機の位置を示す
地区音響装置(ベル) 丸いベル型。火災警報を鳴らして避難を促す
中継器 箱型。感知器の信号を受信機に中継する
終端抵抗(終端器) 小さな抵抗器。感知器回路の末端に接続

発信機は商業施設や学校の廊下で見かける赤い箱です。「火災報知器」と書かれた表示の下にあり、ガラス越しに押しボタンが見えます。その上の赤いランプが表示灯で、これは常に点灯しています(発信機の場所がわかるように)。

詳しくは「発信機・地区音響装置・表示灯」をご覧ください。

頻出パターン別 攻略法

パターン①|「この感知器の名称を答えよ」

最も出題頻度が高いパターンです。感知器の写真が示され、正式名称を答えます。

回答は正式名称で書くこと。「煙感知器」では不十分。「光電式スポット型感知器」まで書く必要があります。

感知器 記述式の正式名称
熱(急激な温度上昇) 差動式スポット型感知器
熱(一定温度で作動) 定温式スポット型感知器
熱(銅管が天井を走る) 差動式分布型感知器(空気管式)
煙(天井スポット) 光電式スポット型感知器
煙(壁面対向2台) 光電式分離型感知器
炎(レンズ付き) 炎感知器(赤外線式 or 紫外線式)

各感知器の構造を深く理解したい方は以下の記事をどうぞ。

パターン②|「受信機の種類と特徴を答えよ」

受信機の写真が示され、種類を答えたり、P型とR型の違いを記述する問題です。

よく出る記述ポイント:

比較項目 P型受信機 R型受信機
信号方式 共通線式(アナログ) 固有信号式(デジタル)
火災の特定 回線(ゾーン)単位 感知器1つ単位
表示方法 地区表示灯(ランプ) 液晶画面に文字表示

パターン③|「試験器具の名称と用途を答えよ」

試験器具の写真が示され、名称と何に使うかを答える問題です。

最低限覚えるべきセット:

  • 加熱試験器 → 熱感知器の作動試験に使う
  • 加煙試験器 → 煙感知器の作動試験に使う
  • 回路計(テスター) → 配線の導通確認・抵抗値の測定に使う
  • 絶縁抵抗計(メガー) → 配線の絶縁抵抗を測定し、漏電がないか確認する

試験で「回路計と絶縁抵抗計の違い」を聞かれることがあります。回路計は導通(つながっているか)を調べる道具、絶縁抵抗計は絶縁(漏れていないか)を調べる道具。目的が真逆です。

パターン④|「感知器の動作原理の違いを答えよ」

2種類の感知器を比較して、動作原理の違いを記述する問題です。特に頻出なのが差動式と定温式の違いです。

比較項目 差動式 定温式
検知する対象 急激な温度上昇 一定温度に達したこと
動作原理 空気の膨張でダイヤフラムが押される バイメタルが一定温度で変形
向いている場所 一般居室、事務室 厨房、ボイラー室

なぜ厨房に定温式を使うのか?差動式は「急激な温度上昇」を検知するため、調理による温度上昇で非火災報(誤報)を出しやすいからです。定温式なら、あらかじめ設定された温度(例えば75℃)に達しない限り作動しないため、厨房でも安心です。

各感知器の動作原理は「差動式感知器(スポット型・分布型)」「定温式感知器(スポット型・感知線型)」で詳しく解説しています。

パターン⑤|「回路図・配線に関する問題」

簡単な回路図が示され、終端抵抗の役割や配線方式について答える問題です。

  • 終端抵抗(終端器):感知器回路の末端に接続する抵抗器。断線を監視するために入れる。もし配線が切れると回路の抵抗値が変わり、受信機が「断線」を検出できる
  • 送り配線:感知器を数珠つなぎにする配線方式。1本の回線に複数の感知器を接続する

配線の詳しい解説は「中継器・配線の種類と耐火耐熱保護」をどうぞ。

実戦練習問題(5問)

本番と同じ形式の練習問題です。自分で解答を書いてから、答え合わせしてください。

【問1】感知器の名称

次の感知器の名称を答えなさい。この感知器は天井面に設置されており、側面にスリット状の開口部がある。

📷 文字図解:天井設置型・側面スリット感知器(煙感知器)

  • 形状:天井に貼り付くドーム型(直径10〜15cm/厚さ4〜6cm)
  • 側面に黒いスリット(網状の穴)が6〜8箇所等間隔に配置
  • スリットから煙を内部に取り込んで検知する構造(だから側面に開口がある)
  • 熱感知器との見分け方:側面スリット=煙感知器/側面のっぺり=熱感知器

▶ 鑑別では「側面の穴の有無」が煙/熱の一発判定ポイント。

解答を見る

正解:光電式スポット型感知器

側面にスリット状の開口部がある → 煙を取り込む必要がある → 煙感知器。天井にスポット型で設置 → 光電式スポット型感知器です。内部では発光部から出た光が煙の粒子に当たって散乱し、受光部がその散乱光を検知して発報します。オフィスや廊下など一般的な居室に広く設置されています。

【問2】受信機の操作盤

次の受信機の操作盤について、(ア)〜(ウ)の名称をそれぞれ答えなさい。

📷 文字図解:P型1級受信機の操作盤レイアウト

記号 名称 場所と特徴
(ア) 火災灯 盤面の最上部に1つだけある赤いランプ。火災発生時に必ず最初に光る
(イ) 地区表示灯 回線番号(1〜n)の横に並ぶランプ群。発報した警戒区域だけが赤く点灯
(ウ) 復旧スイッチ 盤面下部の操作部にある「復旧」表記のレバー / ボタン。火災灯と音響を停止し平常に戻す

▶ 鑑別頻出:(ア)(イ)(ウ)を写真上で指してラベル付けする問題。位置と名称をセットで記憶する。

解答を見る

正解:(ア)火災灯 (イ)地区表示灯(地区窓) (ウ)復旧スイッチ

火災灯は火災信号を受信すると赤く点灯し、管理者に火災の発生を知らせます。地区表示灯はどの回線(ゾーン)から信号が来たかを示します。復旧スイッチは発報状態を解除して受信機を通常監視状態に戻すときに使います。

【問3】試験器具の名称と用途

次の器具の名称を答えなさい。また、何の試験に使用するか述べなさい。この器具は長い棒の先端にカップ状の部分があり、内部に煙を発生させる部品が組み込まれている。

📷 文字図解:加煙試験器の構造

  • 長さ約2m(伸縮式 / 1m〜3.5mで調整可)の軽量アルミ棒
  • 先端に煙発生カップ(プラスチック製の半球形)が装着されている
  • カップ内部には発煙剤(線香状の発煙体/エアゾルカートリッジ)
  • 使い方:(1) 棒を伸ばして天井の感知器の真下へ → (2) カップを感知器に被せる → (3) 発煙剤を作動させて煙濃度を上昇 → (4) 受信機の動作を確認
  • 脚立なしで高天井の感知器を試験できるのが最大の利点

▶ 鑑別では「先端のカップに煙を出す装置がある=加煙試験器」とセットで覚える。

解答を見る

正解:加煙試験器

用途:煙感知器の作動試験に使用する。カップ部分を天井の煙感知器にかぶせ、内部で煙を発生させて感知器が正常に発報するかを確認する器具です。似た形の「加熱試験器」は熱感知器用で、こちらはヒーターで加熱します。名前に「煙」が入っているので煙感知器用、「熱」が入っていたら熱感知器用、と対応させて覚えましょう。

【問4】感知器の動作原理

差動式スポット型感知器と定温式スポット型感知器の動作原理の違いを説明しなさい。また、厨房に設置するのに適しているのはどちらか、理由とともに答えなさい。

解答を見る

正解:

差動式:周囲の温度が急激に上昇したときに作動する。内部の空気室の空気が熱膨張し、ダイヤフラムを押し上げて接点を閉じる仕組み。

定温式:周囲の温度が一定値(公称作動温度)に達したときに作動する。バイメタルが熱で変形して接点を閉じる仕組み。

厨房に適しているのは定温式。理由:差動式は温度の「変化率」を検知するため、調理による急激な温度上昇で非火災報(誤報)を出しやすい。定温式なら設定温度に達しない限り作動しないため、通常の調理温度では反応せず、本当の火災時にのみ作動する。

【問5】終端抵抗の役割

自動火災報知設備の感知器回路の末端に接続されている「終端抵抗(終端器)」の役割を説明しなさい。

解答を見る

正解:終端抵抗は、感知器回路の断線を監視するために接続する。

受信機は常に回路の抵抗値を監視しています。終端抵抗があることで、正常時は一定の抵抗値が保たれます。もし途中の配線が切れると、回路の抵抗値が無限大に変化するため、受信機が「断線」として異常を検出できます。終端抵抗がなければ、配線が切れても気づけず、火災時に感知器の信号が届かない事態になりかねません。

まとめ

甲4/乙4の鑑別問題を攻略するポイントをおさらいします。

鑑別攻略 3つのチェックポイント

  1. 煙の取り入れ口があるか?(スリット/メッシュ → 煙感知器、なし → 熱 or 炎)
  2. 設置場所は天井か壁か?(銅管→分布型、対向2台→分離型、レンズ付き→炎)
  3. 刻印・ラベルの情報(温度表示→定温式、なし→差動式)

頻出5パターン

  1. 感知器の名称を正式名称で答える
  2. 受信機の操作盤の名称を答える(火災灯・地区表示灯・復旧スイッチ)
  3. 試験器具の名称と用途を答える(加熱→熱、加煙→煙)
  4. 感知器の動作原理の違いを記述する
  5. 終端抵抗の役割を答える

感知器は種類が多いですが、フローチャートの「煙の取り入れ口→設置場所→刻印」の3ステップで整理すれば、迷うことなく正解にたどり着けます。

鑑別対策には参考書が必須

鑑別問題は写真で感知器を覚えることが全て。参考書の豊富な写真で繰り返し練習しましょう。

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