乙種1類 甲種1類

【甲種1類・乙種1類】消防設備士試験の完全ロードマップ|全18記事で合格を目指す

甲種1類・乙種1類、全範囲をこの1ページから

消防設備士 甲種1類(通称「甲1」)・乙種1類(通称「乙1」)の試験範囲を全18記事でカバーしました。

この記事は、その全記事をおすすめの学習順に並べたロードマップです。上から順番に読み進めていけば、筆記試験も実技試験(鑑別等・製図)も対応できる知識が身につきます。

甲種と乙種の違い
甲種1類:水系消火設備の工事・整備・点検ができる(製図試験あり
乙種1類:水系消火設備の整備・点検ができる(工事は不可、製図試験なし)

試験範囲はほぼ同じです。乙1を受ける方は製図(Step 5)を飛ばせばOKです。

甲種1類・乙種1類の試験構成

まず、試験で「何がどれだけ出るか」を把握しておきましょう。

甲種1類・乙種1類の試験構成
筆記試験(四肢択一)
法令共通:8問
法令類別:7問
機械の基礎知識:10問
構造・機能・工事整備:20問
計45問
実技試験
鑑別等試験:5問
写真・イラストから
名称や用途を答える
製図試験:2問
(甲種のみ)
系統図・配管図を描く
合格基準
筆記:各科目40%以上
かつ全体で60%以上
実技:60%以上

最大のポイントは「構造・機能・工事整備」が20問で最多ということ。屋内消火栓・スプリンクラー・水噴霧などの水系消火設備の仕組みと設置基準をしっかり押さえれば、合格がグッと近づきます。

甲種は乙種にはない製図試験があります。配管の口径選定やポンプの全揚程計算など、水力計算が出題されるのが甲1製図の大きな特徴です。

おすすめの学習順序

Step 1|構造・機能(8記事)
まず5つの水系設備の全体像と各機器を理解する
Step 2|機械の基礎知識(2記事+乙6流用)
ポンプ・流体力学の計算を押さえる
Step 3|法令類別(4記事)
設備を知った上で設置基準を学ぶ
Step 4|工事・整備(2記事)
配管工事と点検の実務知識 ── 鑑別試験にも直結
Step 5|製図(2記事)※甲種のみ
水力計算・口径選定・全揚程算定 ── 全知識を統合する

「法令から始めるべきでは?」と思うかもしれませんが、設備の仕組みを知らずに設置基準を覚えても意味がわかりません。「屋内消火栓ってどういう設備?」「スプリンクラーの湿式と乾式の違いは?」がわかった上で法令を読むと、数字の背景が見えてきます。

Step 1:構造・機能(8記事)

試験の最重要科目(筆記20問+実技7問に直結)。水系消火設備5つの仕組みと構成機器を学びます。

まずは水系設備の全体像

  1. 水系消火設備の全体像
    ── 5つの設備(屋内消火栓・スプリンクラー・水噴霧・屋外消火栓・動力消防ポンプ)の比較。水の消火原理(冷却・窒息・乳化)。共通する構成機器。ここで全体の地図を掴む

屋内消火栓とスプリンクラーを重点的に

  1. 屋内消火栓設備の構造と機能
    ── 4種類の消火栓(1号・易操作性1号・2号・広範囲型2号)の比較。放水量・操作人数・防護範囲の違い
  2. スプリンクラー設備の全体像と方式
    ── 5方式(湿式・乾式・予作動式・開放型・放水型)の動作フロー。閉鎖型vs開放型ヘッド
  3. スプリンクラーヘッドの種類と機能
    ── フレーム型・フラッシュ型・コンシールド型。感度種別と標示温度。鑑別試験で頻出
  4. 流水検知装置と一斉開放弁
    ── アラーム弁の構造・圧力スイッチ・リターディングチャンバー。予作動弁・乾式弁

残り3設備と加圧送水装置

  1. 水噴霧消火設備の構造と機能
    ── 噴霧ヘッド。冷却・窒息・乳化の3効果。駐車場や変圧器の消火に最適
  2. 屋外消火栓設備と動力消防ポンプ設備
    ── 地上式・地下式消火栓。動力消防ポンプ設備の役割
  3. 加圧送水装置と附属装置
    ── ポンプ方式・高架水槽方式・圧力タンク方式の比較。呼水装置・フート弁・水源

Step 2:機械の基礎知識(2記事+乙6流用)

甲1・乙1の「機械の基礎知識」は筆記10問を占めます。力学や材料の基礎は乙6の記事で学べます。ここでは甲1で追加されるポンプと流体力学の2記事を学びましょう。

甲1で追加される2記事

  1. ポンプの種類と性能
    ── 渦巻ポンプの構造・性能曲線(Q-H曲線)・キャビテーション・ウォーターハンマー・サージング
  2. 配管の流体力学
    ── 連続の式・ベルヌーイの定理・摩擦損失・ハーゼンウィリアムズ式・等価管長・全揚程の計算

乙6記事で学べる機械基礎(流用)

以下の記事は乙種6類の記事ですが、力学・材料・圧力の基礎知識として甲1・乙1の試験にもそのまま使えます。

Step 3:法令類別(4記事)

水系消火設備の設置基準に関する法令です。「どの建物に」「どの種類の設備を」「どんな基準で」設置するかを学びます。

  1. 屋内消火栓設備の設置義務と技術基準
    ── A群700㎡・B群1,000㎡の設置義務。耐火+内装制限で2倍緩和。防護範囲・水源水量・ポンプ吐出量の技術基準
  2. スプリンクラー設備の設置義務
    ── 5つの判定パターン(11階以上面積不問・病院等面積不問・地階1,000㎡・4〜10階1,500㎡・延べ面積基準)。免除規定
  3. スプリンクラー設備の技術基準
    ── ヘッド配置・放水性能(標準型80L/min)・水源水量(同時開放8〜10個)・末端試験弁・補助散水栓
  4. 水噴霧・屋外消火栓・動力消防ポンプの設置義務と技術基準
    ── 水噴霧(駐車場200㎡)・屋外消火栓(耐火9,000㎡・水平距離40m)・動力消防ポンプ(代替設備)

Step 4:工事・整備(2記事)

水系消火設備を「設置・維持管理する」ための実務知識。実技試験では配管の種類やポンプの試験方法が頻出です。

  1. 配管・バルブ・継手の種類と施工方法
    ── SGP・STPG・スケジュール番号。仕切弁・逆止弁。ねじ込み・溶接・フランジ・ハウジング型。耐圧試験1.5倍
  2. 水系消火設備の点検と試験
    ── ポンプ性能試験(締切・定格・150%)・放水試験・末端試験弁・配管耐圧試験(10年経過)・予備電源試験

Step 5:製図(2記事)※甲種のみ

甲種限定の実技科目。甲4(自火報)の製図が「電気の製図」だったのに対し、甲1の製図は「配管の製図」です。配管口径の選定やポンプの全揚程計算など、水力計算が出題の核心になります。

  1. 製図の基礎
    ── 図記号(P=ポンプ・A=アラーム弁・T=末端試験弁)、系統図の読み方、平面図の配置ルール
  2. 製図の実践
    ── 口径選定(流量→流速→断面積→呼び径)・摩擦損失計算・全揚程算定(実揚程+摩擦損失+放水圧力)・ヘッド配置・水源水量

法令共通もチェックしよう

甲1・乙1の筆記試験には「法令共通」が8問出題されます。水系設備に限らず、消防法全般の基本知識が問われる科目です。

以下の記事で対策できます。特に重要なものに「★」を付けています。

消防法の基本

消防用設備等の制度

防火管理・点検制度

消防設備士・検定制度

学習のコツ

最後に、甲1・乙1の勉強で意識するとよい3つのポイントをお伝えします。

コツ1|設備の仕組みから
水系消火設備は「水源→ポンプ→配管→消火栓/ヘッド」の流れを掴むのが最優先。仕組みがわかれば法令の数字に意味が見えてきます。
コツ2|5設備を比較で覚える
屋内消火栓・SP・水噴霧・屋外消火栓・動力ポンプの5設備を比較表で横並びに覚えると、違いと共通点が同時に頭に入ります。
コツ3|計算は手を動かす
全揚程や摩擦損失の計算は、公式を眺めるだけでは身につきません。自分で数値を入れて手計算することで、試験本番でも迷わず解けるようになります。

それでは、水系消火設備の全体像から学習をスタートしましょう。

-乙種1類, 甲種1類