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屋外消火栓設備と動力消防ポンプ|設置基準・水源・放水性能

結論:屋外消火栓設備と動力消防ポンプ設備は、建物外部から放水するための設備

屋外消火栓設備と動力消防ポンプ設備は、どちらも建物の外側から放水し、火災を有効に消火するための消火設備です。技術基準は主に、屋外消火栓設備が消防法施行令第19条と消防法施行規則第22条、動力消防ポンプ設備が消防法施行令第20条で整理されています。

学習上は、屋外消火栓設備を「建物周囲にホース接続口を置く設備」、動力消防ポンプ設備を「水源と動力消防ポンプを使ってホースで放水する設備」と分けて読みます。似ている部分はありますが、水源量、水平距離、放水性能、常置場所の基準が異なります。

この記事で整理する範囲

この記事では、消防法施行令第19条・第20条、消防法施行規則第22条をもとに、屋外消火栓設備と動力消防ポンプ設備の設置対象、水源、水平距離、放水性能、表示・操作まわりを整理します。製品名、広告リンク、未確認の比較情報は扱わず、条文から確認できる項目を優先します。

屋外消火栓設備の設置対象

消防法施行令第19条では、別表第一(一)項から(十五)項まで、(十七)項及び(十八)項に掲げる建築物のうち、一定規模以上のものに屋外消火栓設備を設置するものとしています。

建築物の区分 床面積の基準 床面積の見方
耐火建築物 9,000m2以上 地階を除く階数が1なら1階、2以上なら1階と2階の合計
準耐火建築物 6,000m2以上 同上
その他の建築物 3,000m2以上 同上

ここで見る床面積は、建物全体の延べ面積ではなく、令第19条で定義された床面積です。1階建てなら1階の床面積、地階を除く階数が2以上なら1階と2階の床面積の合計で判定します。

また、同一敷地内にある複数の対象建築物について、外壁間の水平距離が近い場合は、一の建築物とみなして扱う規定があります。敷地内に複数棟がある場合は、単棟ごとの面積だけで判断しない点に注意します。

屋外消火栓設備の水平距離とホース

屋外消火栓は、建築物の各部分から一のホース接続口までの水平距離が40m以下となるように設けます。消防用ホースの長さも、ホース接続口から水平距離40mの範囲内にある建築物の各部分へ有効に放水できる長さとします。

項目 基準
ホース接続口までの水平距離 建築物の各部分から40m以下
消防用ホースの長さ 水平距離40mの範囲内へ有効に放水できる長さ
屋外消火栓箱 屋外消火栓から歩行距離5m以内。ただし、見やすい外壁に設ける場合は例外あり

屋外消火栓箱は、放水用器具を格納する箱です。施行規則第22条では、屋外消火栓箱の表面に「ホース格納箱」と表示し、屋外消火栓の直近の見やすい箇所に「消火栓」と表示した標識を設けることも示されています。

屋外消火栓設備の水源と放水性能

屋外消火栓設備の水源は、屋外消火栓の設置個数に7m3を乗じて得た量以上とします。ただし、設置個数が2を超えるときは2個として計算します。

設置個数 水源水量
1個 7m3以上
2個 14m3以上
3個以上 14m3以上(計算上は2個で扱う)

放水性能は、すべての屋外消火栓を同時に使用した場合に、それぞれのノズル先端で放水圧力0.25MPa以上、放水量350L/min以上とされています。設置個数が2を超える場合は、2個の屋外消火栓を同時使用するものとして読みます。

項目 基準
同時使用数 すべての屋外消火栓。ただし、2個を超える場合は2個
ノズル先端放水圧力 0.25MPa以上
放水量 350L/min以上
非常電源 附置する

施行規則第22条では、ポンプを用いる加圧送水装置の吐出量について、屋外消火栓の設置個数に400L/minを乗じた量以上とすることも示されています。この場合も、設置個数が2を超えるときは2個として計算します。

屋外消火栓設備の表示・起動・設置場所

屋外消火栓設備は、放水性能だけでなく、見つけやすさと操作しやすさも基準に含まれます。屋外消火栓及び放水用器具を格納する箱は、避難の際に通路となる場所など、操作が著しく妨げられるおそれのある箇所には設けないこととされています。

  • 開閉弁の位置:地盤面から高さ1.5m以下、又は地盤面から深さ0.6m以内に設ける
  • 地下式の接続口:地盤面から深さ0.3m以内に設ける
  • 表示灯:加圧送水装置の始動を明示する表示灯は赤色とし、屋外消火栓箱の内部又は直近に設ける
  • 標識:屋外消火栓箱には「ホース格納箱」、屋外消火栓の直近には「消火栓」と表示する
  • 起動装置:直接操作でき、屋外消火栓箱の内部又は直近の操作部から遠隔操作できるものとする

ノズル先端の放水圧力については、0.25MPa以上を確保する一方で、0.6MPaを超えないための措置も求められます。下限だけでなく上限側の措置もあわせて整理します。

動力消防ポンプ設備の設置対象

消防法施行令第20条では、動力消防ポンプ設備を設置する防火対象物又はその部分として、令第11条第1項各号(第4号を除く)に掲げる防火対象物又はその部分、及び令第19条第1項の建築物を挙げています。

区分 動力消防ポンプの規格放水量
令第20条第1項第1号の対象 0.2m3/min以上
令第20条第1項第2号の対象(令第19条第1項の建築物) 0.4m3/min以上

ここでいう規格放水量は、消防法第21条の16の3第1項の技術上の規格として定められた放水量です。単に「ポンプが強ければよい」と読むのではなく、令第20条第3項の区分に合わせて確認します。

動力消防ポンプ設備の水源距離とホース長

動力消防ポンプ設備では、規格放水量に応じて、防火対象物の各部分から一の水源までの水平距離が変わります。消防用ホースの長さも、同じ距離区分の範囲内に有効に放水できる長さとします。

規格放水量 水源までの水平距離 消防用ホースの長さ
0.5m3/min以上 100m以下 水源から100mの範囲内へ有効に放水できる長さ
0.4m3/min以上0.5m3/min未満 40m以下 水源から40mの範囲内へ有効に放水できる長さ
0.4m3/min未満 25m以下 水源から25mの範囲内へ有効に放水できる長さ

屋外消火栓設備ではホース接続口までの水平距離40mを見ます。一方、動力消防ポンプ設備では、水源までの水平距離を規格放水量の区分ごとに見ます。見る起点が異なるため、表で分けて覚えると混同しにくくなります。

動力消防ポンプ設備の水源水量と常置場所

動力消防ポンプ設備の水源は、規格放水量で20分間放水できる量以上とします。ただし、その量が20m3以上となる場合は、20m3以上とします。

規格放水量の例 20分放水量 水源水量の扱い
0.2m3/min 4m3 4m3以上
0.4m3/min 8m3 8m3以上
0.5m3/min 10m3 10m3以上
1.0m3/min 20m3 20m3以上

動力消防ポンプの常置場所も、種類により異なります。消防ポンプ自動車又は自動車でけん引されるものは、水源からの歩行距離1,000m以内の場所に常置します。その他のものは、水源の直近の場所に常置します。

屋外消火栓設備と動力消防ポンプ設備の関係

消防法施行令第19条第4項では、令第19条第1項の建築物にスプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備又は動力消防ポンプ設備を技術上の基準に従って設置した場合、当該設備の有効範囲内の部分について屋外消火栓設備を設置しないことができるとされています。

また、令第20条第5項では、対象となる防火対象物又はその部分に屋外消火栓設備を令第19条の基準に従って設置した場合などに、当該設備の有効範囲内の部分について動力消防ポンプ設備を設置しないことができるとされています。

項目 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備
主な条文 消防法施行令第19条、消防法施行規則第22条 消防法施行令第20条
距離の見方 建築物の各部分からホース接続口まで40m以下 防火対象物の各部分から水源まで25m、40m、100m以下
水源 7m3 × 屋外消火栓数(2個上限) 規格放水量で20分放水できる量。20m3を上限の目安として扱う
放水性能 0.25MPa以上、350L/min以上 対象区分により規格放水量0.2m3/min以上又は0.4m3/min以上
常置場所 屋外消火栓と放水用器具の配置を確認する 消防ポンプ自動車等は水源から歩行距離1,000m以内、その他は水源直近

両設備は「建物外部から放水する」という点では近いものの、距離の起点と水量計算が違います。屋外消火栓はホース接続口、動力消防ポンプは水源を起点に読みます。

確認問題

問題1 屋外消火栓設備で、建築物の各部分から一のホース接続口までの水平距離は何m以下とするか。

  1. 25m以下
  2. 40m以下
  3. 50m以下
  4. 100m以下

答え:B
屋外消火栓は、建築物の各部分から一のホース接続口までの水平距離が40m以下となるように設けます。

問題2 屋外消火栓設備の水源水量の計算で、屋外消火栓の設置個数が3個の場合、何個として計算するか。

  1. 1個
  2. 2個
  3. 3個
  4. 4個

答え:B
屋外消火栓の設置個数が2を超えるときは、2個として計算します。水源水量は7m3 × 2個 = 14m3以上です。

問題3 屋外消火栓設備のノズル先端における放水性能として正しいものはどれか。

  1. 0.17MPa以上、130L/min以上
  2. 0.25MPa以上、350L/min以上
  3. 0.35MPa以上、450L/min以上
  4. 0.5MPa以上、500L/min以上

答え:B
屋外消火栓設備は、ノズル先端で放水圧力0.25MPa以上、放水量350L/min以上の性能とします。

問題4 動力消防ポンプ設備で、規格放水量が0.5m3/min以上の場合、防火対象物の各部分から一の水源までの水平距離は何m以下とするか。

  1. 25m以下
  2. 40m以下
  3. 50m以下
  4. 100m以下

答え:D
規格放水量が0.5m3/min以上の動力消防ポンプでは、水源までの水平距離を100m以下とします。

問題5 消防ポンプ自動車又は自動車でけん引される動力消防ポンプは、水源からの歩行距離が何m以内の場所に常置するか。

  1. 100m以内
  2. 300m以内
  3. 500m以内
  4. 1,000m以内

答え:D
消防ポンプ自動車又は自動車でけん引されるものは、水源からの歩行距離1,000m以内の場所に常置します。その他のものは水源の直近に常置します。

根拠条文

独学が不安な方へ

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