甲種1類/乙種1類

消防設備の配管・バルブ・管継手|材料と施工時の確認事項

消防用設備の配管は、水源から消火栓やスプリンクラーヘッドなどへ消火用水を送る経路です。管、管継手、バルブのどれか一つでも設備の圧力や使用環境に適合しなければ、漏水や放水性能の低下につながります。

この記事では、消防法施行規則第12条を中心に、配管材料、管継手、バルブ、施工後の確認事項を整理します。実際の工事では、設備ごとの法令、設計図書、製品仕様書、所轄消防機関の運用を併せて確認してください。

配管材料は法令と設計条件から選ぶ

消防法施行規則に掲げられた管

屋内消火栓設備について、消防法施行規則第12条第1項第6号は、次の日本産業規格に適合する管、または同等以上の強度・耐食性・耐熱性を有する金属製の管を使用するよう定めています。スプリンクラー設備なども、それぞれの条文からこの配管基準を準用しています。

JIS 規格の名称 確認点
G 3442 水配管用亜鉛めっき鋼管 亜鉛めっきを施した水配管用鋼管
G 3448 一般配管用ステンレス鋼鋼管 薄肉のステンレス鋼管
G 3452 配管用炭素鋼鋼管 一般にSGPと呼ばれる
G 3454 圧力配管用炭素鋼鋼管 一般にSTPGと呼ばれる
G 3459 配管用ステンレス鋼鋼管 ステンレス鋼製の配管

SGPとSTPGは規格の対象が異なりますが、略称だけで使用箇所を決めることはできません。管種、寸法、肉厚、接合方法、最高使用圧力、腐食環境を設計図書と製品規格で確認します。「消防設備は白管」「標準はSch40」のように一律化しないことが大切です。

合成樹脂製の管も条件付きで使用できる

消防法施行規則は、気密性、強度、耐食性、耐候性、耐熱性について消防庁長官が定める基準に適合する合成樹脂製の管も認めています。

具体的な性能は、消防庁告示第19号「合成樹脂製の管及び管継手の基準」で定められています。設備の種類や配管の位置に応じて、漏れ、耐圧、水撃圧、耐熱性などの試験項目が分かれます。合成樹脂製であればどこでも使用できるわけではなく、適合表示、使用可能な設備・区間、最高使用圧力、支持間隔を製品資料で確認します。

管継手と接合方法

管継手にも性能要件がある

消防法施行規則第12条は、金属製の管やバルブ類を接続する管継手について、フランジ継手、ねじ込み式継手、溶接式鋼管用継手などのJIS適合品、または同等以上の強度・耐食性・耐熱性を有する基準適合品を求めています。

接合方法 構造 施工時の確認
ねじ込み接合 管端と継手のねじをかみ合わせる ねじ加工、シール材、締付け、露出した鋼面の防食
フランジ接合 フランジ間にガスケットを入れてボルトで締結する 呼び圧力、ガスケット、面のずれ、均等な締付け
溶接接合 管と継手を溶接して接続する 材料と施工要領、溶接部の品質、管内異物、溶接後の防食
機械式接合 ハウジングなどの専用部材で接続する 適合範囲、溝加工、ガスケット、締付け、支持方法

接合方法ごとに使用できる口径や圧力を固定した共通表はありません。管、継手、ガスケットなどを一つの組合せとして、適用規格とメーカーの施工要領を確認します。

継手の形状と役割

名称 役割
エルボ 配管の方向を変える
ティー 流路を分岐する
レデューサー 異なる呼び径を接続する
ソケット 同じ呼び径の管を直線状に接続する
ユニオン 配管を回転させずに分離・再接続しやすくする

エルボ、ティー、バルブなどは圧力損失を生じます。ポンプの全揚程を求めるときは、直管の摩擦損失だけでなく、管継手とバルブの損失も水力計算に含めます。

バルブの役割と法令上の確認点

主なバルブの機能

名称 基本的な機能 取扱いの要点
仕切弁 流路を開閉する 通常は全開・全閉で使用する
玉形弁 開閉や流量調整を行う 流れ方向と圧力損失を確認する
バタフライ弁 円板を回転させて開閉する 弁体と周辺機器の干渉、開度表示を確認する
ボール弁 球状の弁体を回転させて開閉する 全開・全閉の位置を確認する
逆止弁 逆流を防止する 本体に示された流れ方向を合わせる

仕切弁や玉形弁という一般名称だけでは、消防設備への適合性は決まりません。材質、圧力等級、接続方式、製品の適合規格を確認します。

ポンプ吐出側の逆止弁と止水弁

消防法施行規則第12条第1項第6号ロは、加圧送水装置の吐出側直近部分に逆止弁と止水弁を設けるよう定めています。

  • 逆止弁:ポンプ停止時などの逆流を防ぐ。
  • 止水弁:点検・整備時に系統を遮断する。

同号は、開閉弁・止水弁には開閉方向、逆止弁には流れ方向を表示することも求めています。現物確認では、弁の形だけでなく、矢印、開閉表示、設置方向を見ます。

施工時に確認する事項

施工前

  • 承認図、系統図、施工要領書で管種、口径、接合方法、バルブ位置を確認する。
  • 管、管継手、バルブの規格、圧力等級、適合表示を確認する。
  • 他設備との干渉、点検空間、排水・水抜き、凍結や腐食のおそれを確認する。
  • 防火区画や構造部を貫通する位置と、必要な貫通処理の認定仕様を確認する。

加工・接合・支持

  • 切断面のばり、切粉、溶接スケールなどを管内に残さない。
  • ねじ、溝、フランジ面、ガスケットを施工要領に沿って加工・組立てする。
  • 異種金属の接触や、加工により被覆・めっきが失われた部分には、設計に応じた防食措置を行う。
  • 管と充水時の重量、弁や機器の荷重、振動、建物の変位を考慮して支持・固定する。
  • 機器へ無理な配管荷重を伝えないよう、芯ずれや過大な引張りを避ける。

亜鉛めっき鋼管の接合方法を「溶接できる・できない」と一語で決めるのは適切ではありません。材料規格、溶接施工要領、ヒューム対策、溶接後の防食復旧を含めて、採用する仕様への適合性を判断します。

耐圧力と配管耐圧試験

消防法施行規則第12条第1項第6号リは、配管について、加圧送水装置の締切圧力の1.5倍以上の水圧を加えた場合に耐えられる耐圧力を求めています。

区別する点:これは配管に必要な耐圧性能の基準です。「すべての現場で設計圧力の1.5倍を同じ時間だけ加える」という共通の試験手順を示したものではありません。

消防庁の消防用設備等試験結果報告書には、配管耐圧試験の試験圧力を記録する欄があります。現場で加える圧力、保持時間、試験範囲、判定方法は、設備の設計条件、試験要領、所轄消防機関の運用に従います。

試験前には空気抜き、バルブの開閉状態、試験対象外機器の隔離を確認します。試験後は接合部の漏れや変形を確認し、管内の異物を除去してから機能試験へ進みます。

防火区画を貫通する場合

配管が防火区画等を貫通する場合は、消防設備の配管基準だけでなく、建築基準法令の確認が必要です。

建築基準法施行令第129条の2の4第1項第7号は、対象となる管について、貫通部とその両側1m以内を不燃材料で造る方法、用途・材質等に応じて告示で定める外径未満とする方法、または所定の遮炎性能について国土交通大臣の認定を受けた方法などを定めています。

単に隙間へモルタルや耐火パテを詰めれば適合するとは限りません。管の材質・外径、壁や床の構造と厚さ、開口寸法、充填材、施工厚さなどを、採用する告示仕様または大臣認定仕様と一致させます。

確認問題

問題1:消防法施行規則に適合する配管材料は、SGPだけである。○か×か。

解答を見る

×。規則には複数のJIS適合管、同等以上の性能を有する金属製の管、基準に適合する合成樹脂製の管が掲げられています。

問題2:加圧送水装置の吐出側直近には、逆止弁と止水弁を設ける。○か×か。

解答を見る

○。逆流防止と系統遮断の役割を分けて確認します。

問題3:配管の必要耐圧力は、加圧送水装置の締切圧力を基準に確認する。○か×か。

解答を見る

○。消防法施行規則は、締切圧力の1.5倍以上の水圧に耐えることを求めています。

参考資料

配管の圧力損失は「配管の流体力学」、施工後の確認は「水系設備の点検と試験」で続けて確認できます。

独学が不安な方へ

※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。

内容の誤りやお気づきの点がございましたら、お問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。正確な情報をお届けできるよう、随時修正してまいります。

-甲種1類/乙種1類