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流水検知装置と一斉開放弁|自動警報装置・末端試験弁を整理

結論:流水検知装置は「ヘッドの作動を警報へつなぐ発信部」

流水検知装置は、スプリンクラー設備の配管内で水の流れを検知し、自動警報装置の発信部として使われる装置です。消防法施行規則第14条では、自動警報装置の発信部に流水検知装置又は圧力検知装置を用いることが示されています。

一方、一斉開放弁は、開放型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備で、放水区域ごとに設ける弁です。開放型ヘッドには感熱体がないため、弁の作動によって対象区域のヘッドから放水する仕組みで読みます。

この記事で整理する範囲

この記事では、流水検知装置、一斉開放弁、制御弁、末端試験弁を、消防法施行規則第14条の技術基準に沿って整理します。製品ごとの内部構造ではなく、試験で確認しやすい「何のための装置か」「どこに設けるか」「どのように警報・起動へつながるか」を中心に扱います。

自動警報装置と流水検知装置の位置づけ

スプリンクラー設備の自動警報装置は、スプリンクラーヘッドの開放、又は補助散水栓の開閉弁の開放により警報を発するものです。

その発信部は、各階、ラック式倉庫では配管の系統ごと、又は放水区域ごとに設けるものとされ、発信部には流水検知装置又は圧力検知装置を用います。つまり流水検知装置は、単なる配管部品ではなく、ヘッドの作動を警報・表示・起動へつなぐための検知部として押さえると整理しやすくなります。

  • 自動警報装置:ヘッドの開放などをきっかけに警報を発する装置
  • 発信部:各階・系統・放水区域ごとに設ける検知側の部分
  • 流水検知装置又は圧力検知装置:発信部に用いる装置
  • 表示装置:ヘッド又は火災感知用ヘッドが開放した階・放水区域を覚知するための装置

閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いる設備では、流水検知装置や起動用水圧開閉装置の作動と連動して、加圧送水装置を起動できる構成にします。

流水検知装置で押さえる基準

流水検知装置は、湿式、乾式、予作動式など、スプリンクラー設備の方式に応じたものが使われます。方式ごとの内部構造を細かく暗記する前に、まず消防法施行規則第14条で確認できる共通の基準を押さえます。

一次側には圧力計を設ける

流水検知装置の一次側には、圧力計を設けます。一次側は、加圧送水装置や水源側から流水検知装置へ水が供給される側です。設備の状態を確認するうえで、圧力計の位置は重要です。

二次側の圧力低下を警報する場合がある

流水検知装置の二次側に圧力の設定を必要とするスプリンクラー設備では、その設定値より二次側の圧力が低下した場合に、自動的に警報を発する装置を設けます。

乾式や予作動式のように、二次側の状態管理が重要になる方式では、「二次側の圧力が下がったときにどう検知・警報するか」という観点で読むと理解しやすくなります。

乾式・予作動式は1分以内の放水が基準

乾式又は予作動式の流水検知装置が設けられているスプリンクラー設備では、スプリンクラーヘッドが開放した場合に、1分以内に当該ヘッドから放水できるものとします。

乾式は二次側に水を常時満たさない方式、予作動式は火災信号などを受けて二次側へ送水する方式として学習しますが、試験上は「ヘッドが開いた後、放水まで長く待ってよいわけではない」という点が大切です。

乾式・予作動式の二次側配管

乾式又は予作動式の流水検知装置、及び一斉開放弁の二次側配管のうち金属製のものには、亜鉛メッキ等による防食処理を施します。また、乾式又は予作動式の流水検知装置の二次側配管には、配管内の水を有効に排出できる措置を講じます。

二次側に空気が入る方式や、作動時だけ水が入る方式では、水が残ることによる腐食や凍結などのリスクを考えると、排水と防食の基準をセットで覚えやすくなります。

湿式・乾式・予作動式の見分け方

方式の違いは、二次側配管の平常時の状態で整理します。ここでは試験学習用の入口として、概要だけ確認します。

方式 平常時の二次側 学習上のポイント
湿式 水が充満している ヘッド開放後、配管内の水がすぐ放水に向かう方式として整理する
乾式 圧縮空気などで水を入れない ヘッド開放後に二次側へ送水するため、1分以内放水の基準と関連づける
予作動式 火災信号などを受けて送水する 感知器や流水検知装置の作動と、実際のヘッド開放を分けて考える

小区画型ヘッドを用いるスプリンクラー設備では、流水検知装置は湿式のものとします。また、ラック式倉庫に設けるスプリンクラー設備の流水検知装置は、予作動式以外のものとされます。

一斉開放弁は開放型ヘッドの設備で使う

一斉開放弁は、開放型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備で扱います。消防法施行規則第14条では、一斉開放弁又は手動式開放弁について、次のような基準が示されています。

  • 放水区域ごとに設ける
  • 弁にかかる圧力は、弁の最高使用圧力以下とする
  • 一斉開放弁の起動操作部又は手動式開放弁は、開放型ヘッドのある階に設ける
  • 起動操作部又は手動式開放弁は、火災時に容易に接近できる箇所に設ける
  • 床面からの高さは、0.8m以上1.5m以下とする
  • 手動式開放弁の開放操作に必要な力は、150N以下とする

開放型ヘッドを用いる設備では、放水区域ごとの制御が重要です。「一斉開放弁は放水区域ごと」「起動操作部は0.8m以上1.5m以下」というように、設置場所と高さを制御弁と混同しないようにします。

一斉開放弁の起動

開放型スプリンクラーヘッドを用いる設備の自動式起動装置は、自動火災報知設備の感知器の作動、火災感知用ヘッドの作動、又は開放による圧力検知装置の作動と連動して、加圧送水装置及び一斉開放弁を起動できるものとします。

手動式の起動装置は、直接操作又は遠隔操作により、加圧送水装置及び手動式開放弁、又は加圧送水装置及び一斉開放弁を起動できるものとします。二以上の放水区域を有する設備では、放水区域を選択できる構造も押さえておきます。

制御弁は「止めるため」だが、みだりに閉止できない

制御弁は、点検や工事などで配管系統を区切るために重要な弁です。消防法施行規則第14条では、制御弁について次の基準が示されています。

  • 開放型ヘッドを用いる設備では、放水区域ごとに設ける
  • 閉鎖型ヘッドを用いる設備では、防火対象物の階ごとに設ける
  • ラック式倉庫では、配管の系統ごとに設ける
  • 設置高さは、床面から0.8m以上1.5m以下とする
  • みだりに閉止できない措置を講じる
  • 直近の見やすい箇所に、スプリンクラー設備の制御弁である旨の標識を設ける

制御弁は「水を止める弁」ですが、閉止したままだとその系統のスプリンクラーが機能しません。そのため、通常の説明では「点検などで必要なときに閉止する弁」として理解し、法令上はみだりに閉止できない措置標識をセットで覚えます。

末端試験弁は流水検知装置・圧力検知装置の試験用

末端試験弁は、閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いる設備の配管末端に設ける、流水検知装置又は圧力検知装置の作動試験用の弁です。

消防法施行規則第14条では、末端試験弁について次の基準が示されています。

  • 流水検知装置又は圧力検知装置が設けられる配管の系統ごとに1個ずつ設ける
  • 放水圧力が最低になると予想される配管部分に設ける
  • 一次側には圧力計を設ける
  • 二次側には、スプリンクラーヘッドと同等の放水性能を有するオリフィス等の試験用放水口を取り付ける
  • 直近の見やすい箇所に、末端試験弁である旨の標識を設ける

「末端」という言葉から単に一番遠い位置と覚えるより、条文どおりに放水圧力が最低になると予想される配管部分と押さえる方が安全です。試験用放水口は、スプリンクラーヘッドと同等の放水性能を有するものとして理解します。

混同しやすい装置の整理

装置 主な役割 基準で確認する点
流水検知装置 流水を検知し、自動警報装置の発信部として使う 発信部、一次側圧力計、二次側圧力低下警報、乾式・予作動式の1分以内放水
圧力検知装置 圧力変化を検知し、警報や起動に用いる 発信部に用いる装置、開放型設備の起動との関係
一斉開放弁 開放型ヘッドの放水区域を作動させる 放水区域ごと、起動操作部の高さ0.8m以上1.5m以下、150N以下
制御弁 配管系統を区切って止水する 階・放水区域・系統ごと、高さ0.8m以上1.5m以下、みだりに閉止できない措置、標識
末端試験弁 流水検知装置又は圧力検知装置の作動を試験する 系統ごと1個、低圧側の予想位置、一次側圧力計、二次側オリフィス等、標識

理解度チェック

【問題1】スプリンクラー設備の自動警報装置の発信部に用いる装置として、消防法施行規則第14条で示されているものはどれか。

  1. 流水検知装置又は圧力検知装置
  2. 消火器又は誘導灯
  3. 排煙機又は非常放送設備
  4. 避難器具又は連結送水管
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正解:A
自動警報装置の発信部には、流水検知装置又は圧力検知装置を用います。各階、ラック式倉庫では配管の系統ごと、又は放水区域ごとに設ける点も合わせて確認します。

【問題2】乾式又は予作動式の流水検知装置が設けられているスプリンクラー設備で、ヘッドが開放した場合の放水について正しいものはどれか。

  1. 5分以内に放水できればよい
  2. 1分以内に当該ヘッドから放水できるものとする
  3. 警報だけ発すれば放水しなくてよい
  4. 手動操作があるまで放水してはならない
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正解:B
乾式又は予作動式の流水検知装置が設けられている設備では、スプリンクラーヘッドが開放した場合に1分以内に当該ヘッドから放水できるものとします。

【問題3】開放型スプリンクラーヘッドを用いる設備の一斉開放弁又は手動式開放弁について、正しいものはどれか。

  1. 建物全体で1個だけ設ける
  2. 放水区域ごとに設ける
  3. 床面から2.0m以上に設ける
  4. 開放操作に必要な力は300N以下とする
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正解:B
一斉開放弁又は手動式開放弁は、放水区域ごとに設けます。起動操作部又は手動式開放弁の高さは0.8m以上1.5m以下、手動式開放弁の開放操作に必要な力は150N以下です。

【問題4】制御弁について、消防法施行規則第14条の内容として正しいものはどれか。

  1. みだりに閉止できない措置を講じる
  2. 標識は設けない
  3. 閉鎖型ヘッドの設備では建物全体で1個だけ設ける
  4. 床面から0.3m未満の位置に設ける
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正解:A
制御弁には、みだりに閉止できない措置を講じます。また、直近の見やすい箇所にスプリンクラー設備の制御弁である旨の標識を設けます。

【問題5】末端試験弁について、正しいものはどれか。

  1. 開放型ヘッドの放水区域だけに設ける
  2. 流水検知装置又は圧力検知装置の作動を試験するために設ける
  3. 二次側には必ず消火器を接続する
  4. 標識は不要である
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正解:B
末端試験弁は、閉鎖型ヘッドを用いる設備の配管末端に、流水検知装置又は圧力検知装置の作動を試験するために設けます。二次側にはスプリンクラーヘッドと同等の放水性能を有するオリフィス等の試験用放水口を取り付けます。

まとめ

  • 流水検知装置は、自動警報装置の発信部に用いる装置として整理する。
  • 流水検知装置の一次側には圧力計を設ける。
  • 乾式又は予作動式では、ヘッド開放後1分以内に放水できるものとする。
  • 一斉開放弁又は手動式開放弁は、開放型ヘッドの放水区域ごとに設ける。
  • 制御弁は、設置単位、高さ、閉止防止措置、標識をセットで押さえる。
  • 末端試験弁は、流水検知装置又は圧力検知装置の作動試験用で、系統ごとに1個ずつ設ける。

次に読む記事

  1. 次の記事:「水噴霧消火設備の構造と機能
  2. スプリンクラーヘッド:「スプリンクラーヘッドの種類と機能
  3. 設置基準:「スプリンクラー設備の設置義務
  4. 技術基準:「スプリンクラー設備の技術基準
  5. 水系消火設備:「水系消火設備の全体像

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