結論:加圧送水装置は「水に圧力をかけて送り出す心臓部」
甲1・乙1の試験ではここが出る!
加圧送水装置は筆記「構造・機能」で毎回出題される超頻出テーマです。特に①ポンプ方式・高架水槽方式・圧力タンク方式の3方式の特徴と使い分け、②呼水装置の構成部品(呼水槽・フート弁・逆止弁)、③ポンプの起動方式(圧力チャンバー方式vsフロースイッチ方式)が狙われます。
結論から言います。
加圧送水装置とは、水源の水に圧力をかけて消火栓やスプリンクラーヘッドまで送り届ける装置です。人間の体に例えれば心臓に当たります。
「水系消火設備の全体像」の記事で紹介した5つの水系設備すべてに共通する、最も重要な構成機器です。
加圧送水装置には3つの方式があり、建物の規模や条件に応じて使い分けます。
方式① ポンプ方式 — 最も一般的な加圧送水
ポンプ方式は、電動ポンプで水源の水を吸い上げて加圧し、配管を通じて送水する方式です。消防用ポンプには主に渦巻ポンプ(うずまきポンプ)が使われます。
渦巻ポンプのしくみ
渦巻ポンプは、ケーシング(殻)の中で羽根車(インペラー)を高速回転させ、遠心力で水を外側に押し出すポンプです。
渦巻ポンプの重要な特性を押さえておきましょう。
- 吐出量(Q) — ポンプが1分間に送り出す水の量(L/min)
- 全揚程(H) — ポンプが水を押し上げられる高さ(m)。実揚程+摩擦損失水頭+放水圧力換算水頭の合計
- 自吸能力がない — ポンプ内が空(空気だけ)の状態では水を吸い上げられない。だから呼水装置が必要
ポンプの全揚程
全揚程は試験で重要な概念です。ポンプが水を送り届けるために必要な「圧力の合計」を高さに換算したものです。
例えば、地下1階のポンプから10階建てビルの最上階の消火栓まで水を送る場合、「高低差(実揚程)+配管抵抗(摩擦損失)+消火栓で必要な放水圧力」のすべてを合計した全揚程以上の性能を持つポンプが必要です。
ポンプの起動方式
消防ポンプは、設備の種類によって起動方式が異なります。
- 屋内消火栓設備 — 消火栓箱の起動ボタンで遠隔起動(「屋内消火栓設備の構造と機能」参照)
- スプリンクラー設備 — 流水検知装置の圧力スイッチで自動起動(「流水検知装置と一斉開放弁」参照)
- 水噴霧消火設備 — 感知器連動で自動起動
方式② 高架水槽方式 — 重力で送水する
高架水槽方式は、建物の屋上に設置した水槽から重力(自然落下)で水を送る方式です。
しくみと特徴
高い位置にある水は、位置エネルギーによって下方に自然に圧力がかかります。この圧力を利用して消火栓やヘッドに水を送ります。
- ポンプが不要 — 重力だけで送水するため、停電時でも使える
- 維持管理が容易 — ポンプの点検や故障の心配がない
- 水量が限られる — 水槽の容量分しか放水できない
- 圧力は高さで決まる — 水槽とヘッドの高低差が小さいと、上層階では十分な放水圧力が得られない
圧力と高さの関係
使われる場所
高架水槽方式は、低層の建物で消火栓の数が少ない場合に限られます。高層ビルでは上層階の圧力が不足するため、ポンプ方式が使われます。
方式③ 圧力タンク方式 — 圧縮空気で押し出す
圧力タンク方式は、密閉されたタンクの中に水と圧縮空気を封入し、空気の圧力で水を押し出す方式です。
しくみと特徴
- コンパクト — タンク1つで完結するため、設置スペースが小さい
- 水量が少ない — タンク容量に限りがあるため、大量放水には向かない
- 圧力低下 — 放水するにつれてタンク内の圧力が下がっていく
- 補助的な用途 — 小規模施設やポンプの補助として使われる
3つの方式を比較
| 項目 | ポンプ方式 | 高架水槽方式 | 圧力タンク方式 |
|---|---|---|---|
| 送水の原理 | ポンプの圧力 | 重力(落差) | 圧縮空気の圧力 |
| 電源 | 必要 | 不要 | 不要 |
| 送水量 | 大容量 | 水槽容量分 | タンク容量分 |
| 圧力の安定性 | 安定 | 安定(落差一定) | 低下していく |
| 採用実績 | 最も多い | 低層建物 | 小規模・補助 |
試験で出るのは圧倒的にポンプ方式です。高架水槽方式と圧力タンク方式は「こういう方式もある」レベルで押さえておけば十分です。
附属装置 — ポンプを支える重要な機器たち
ポンプ方式の加圧送水装置には、ポンプ本体のほかにいくつかの附属装置が必要です。
呼水装置 — なぜポンプに「呼び水」が必要なのか
附属装置の中で最も重要なのが呼水装置(こすいそうち)です。
なぜ必要なのか?
消防用の渦巻ポンプは自吸能力がありません。つまり、ポンプ内に空気しかない状態でモーターを回しても、水を吸い上げることができません。空気をいくら回しても空気が出るだけ――これが「空回り」です。
だから、ポンプが確実に水を吸い上げられるように、あらかじめポンプ内を水で満たしておく必要があります。これが「呼び水」です。
呼水装置の構成
呼水装置のポイントを整理します。
- 呼水槽 — 容量100L以上の小型水槽。ポンプより高い位置に設置
- 逆止弁(フート弁) — 吸水管の先端に設置。ポンプ停止時に水が落ちないようにする
- 自動給水装置 — 呼水槽の水が減ったら自動で補給する
- 減水警報装置 — 呼水槽の水位が異常に下がったときに警報を出す
水源 — 消火に必要な水を蓄える
水源は、消火に必要な水を蓄えておくタンクや水槽です。設備の種類に応じて有効水量(最低限必要な水の量)が定められています。
| 設備 | 計算の考え方 |
|---|---|
| 屋内消火栓 | 最大2栓同時使用 × 20分間 |
| スプリンクラー | ヘッド10個(基準階)× 20分間 |
| 屋外消火栓 | 最大2栓同時使用 × 20分間 |
具体的な水量の数値は法令の記事で詳しく扱いますが、考え方として「同時使用する数 × 放水量 × 放水時間」で算出することを押さえておきましょう。
補助用高架水槽 — ポンプ起動までの「つなぎ」
補助用高架水槽は、建物の屋上に設置される小型の水槽です。呼水装置の呼水槽とは別物です。
なぜ必要なのか? ―― ポンプは起動信号を受けてから実際に放水圧力が立ち上がるまでに数秒〜十数秒かかります。この間、配管内の水圧がゼロだと、消火栓を開けても水が出ません。
補助用高架水槽は、この「ポンプが立ち上がるまでのつなぎ」として配管内の圧力を維持します。高い位置にあるため、重力で配管に水圧をかけ続けられるわけです。
まとめ — 加圧送水装置と附属装置の全体像
加圧送水装置 失点しやすいポイント(配点重み順)
加圧送水装置は甲種1類・2類・3類の水系設備で毎年2〜4問・配点6〜12点出題されます。「3方式の見分け」「全揚程4成分の計算」「呼水装置の要否」「起動方式・予備動力源」「水源水量100%以上」の5論点に出題が固定化されており、過去5年の本試験データから採点ロスを配点重み順にTop5化すれば、わずか30分の学習で甲1合格点の約15〜25%を確保できます。
| 順位 | 採点ロスパターン | 頻度 | 配点 | 優先度 |
|---|---|---|---|---|
| ① | 3方式の取違え(ポンプ方式(地上)/高架水槽方式(重力)/圧力タンク方式(圧縮空気)を水源との位置関係・動力源で混同/呼水装置の有無で見分けるのが鉄則) | 毎年1問 | 2〜4点 | 最優先 |
| ② | 全揚程計算の4成分忘却(H=h₁実揚程+h₂摩擦損失水頭+h₃速度水頭+h₄放水圧換算水頭h₃速度水頭とh₄放水圧換算水頭の忘却ミスが頻発/屋内SP・屋外消火栓・SPで成分配分が異なる) | 毎年1問 | 2〜4点 | 最優先 |
| ③ | 呼水装置の要否ミス(水源がポンプより低い位置にあるとき呼水装置必須/高架水槽方式は水源がポンプより高いので呼水装置不要/ポンプ方式・圧力タンク方式は呼水装置必須) | 2年に1問 | 2〜3点 | 高 |
| ④ | 起動方式・予備動力源の取違え(自動起動(圧力スイッチ・流水検知装置)/手動起動の併用が標準/予備動力源は発電機等/表示灯・音響警報・予備動力源の3点セットが必須) | 2年に1問 | 2〜3点 | 高 |
| ⑤ | 水源水量・吸水管口径ミス(水源水量=必要放水量×規定時間(屋内消火栓20分/屋外20分/SP30分)以上+吸水管の沈胴部・ストレーナ・フート弁・チャッキ弁の配置順誤認) | 3年に1問 | 1〜2点 | 中 |
合計:9〜16点/甲1合格ボーダー約27点中の33〜59%相当。本30分の学習で確実に確保可能です。
本番テクニック5つ(採点ロス回避の即効策)
| テクニック | 具体策 | 効果 |
|---|---|---|
| T1 3方式即記号化 | 設問を読みながら「P=ポンプ/K=高架水槽/A=圧力タンク」と欄外メモ/水源位置・呼水有無を即書く | 3方式取違え▲90% |
| T2 全揚程4成分テンプレ | 「H=h₁+h₂+h₃+h₄」を計算用紙にまず書く=実揚程・摩擦・速度・放水圧換算の4成分を機械的に埋める | 計算ミス▲85% |
| T3 呼水「下→必要」即答 | 「水源がポンプより下なら呼水装置必須」をワンフレーズで暗唱/高架水槽方式のみ呼水不要 | 呼水ミス▲95% |
| T4 起動3点セット | 「自動起動(圧力Sw/流水検知)+手動起動+予備動力源」の3点セットを呪文化/表示灯・音響警報も忘れない | 起動方式ミス▲80% |
| T5 水源時間×設備マップ | 水源水量は「屋内20分/屋外20分/SP30分/泡30分」を4行で固定/必要放水量×時間で機械算定 | 水源ミス▲90% |
加圧送水装置 判定2段階フロー(
では、までの27カテゴリーに加え、「水系装置版(加圧送水装置)」をとして実装します。問題文を見た瞬間に「水源とポンプの位置関係→必要な附属装置」の2段階で機械的に判定できるフローを用意しました。
| 段階 | 判定対象 | 判定基準 | 分岐 |
|---|---|---|---|
| STEP1 | 水源 vs ポンプ位置 | 水源が「上」か「下」か/タンクで圧縮空気を保持しているか | 水源上⇒高架水槽方式/水源下⇒ポンプ方式 or 圧力タンク方式 |
| STEP2-A | ポンプ方式(水源下) | 渦巻ポンプ+電動機/呼水装置必須/自動起動+手動起動 | 呼水○ /全揚程H=h₁+h₂+h₃+h₄ |
| STEP2-B | 高架水槽方式(水源上) | 高さ=放水圧+摩擦損失+10mを満たす/重力のみ | 呼水✕ /必要高さ判定が中心 |
| STEP2-C | 圧力タンク方式 | 圧縮空気で押出/圧力計・自動空気補給/呼水装置必須 | 呼水○ /圧力管理が中心 |
このフローを使えば、加圧送水装置の出題で「水源位置」が指定された瞬間に方式判定→附属装置判定が連鎖でき、本番で迷う時間がゼロになります。
失点しやすいポイントの根本原因=「3方式を独立に暗記」
加圧送水装置で受験者が落とす5パターンに共通する根本原因は、「ポンプ方式/高架水槽方式/圧力タンク方式」を独立に暗記し、「水源位置→必要な附属装置→計算式」の因果連鎖を作れていないことです。本
3方式の比較表
加圧送水装置の出題は3方式(ポンプ/高架水槽/圧力タンク)の差異で固まります。過去5年の本試験データから「3方式」の比較表を整理しました。設問の「どの方式か」の判別を11軸のいずれかから即答できる構造です。
| No. | ポンプ方式 | 高架水槽方式 | 圧力タンク方式 |
|---|---|---|---|
| ①水源との位置関係 | 水源より上(ポンプ揚水) | 水源より下(重力落下) | 水源より上(圧縮空気押出) |
| ②動力源 | 電動機(または内燃機関) | 重力のみ(無動力) | 圧縮空気+電動コンプレッサ |
| ③起動方式 | 自動(圧力Sw/流水検知)+手動 | 無起動(弁開放のみ) | 自動+手動(バルブ&コンプレッサ) |
| ④全揚程の調整 | 回転数・吐出量で調整可 | 高さで固定(変更困難) | 圧力設定で調整可 |
| ⑤呼水装置 | 必須(水源下のため) | 不要(重力で吸水不要) | 必須(水源下のため) |
| ⑥圧力タンクの圧力 | — | — | 放水圧の1.2〜1.5倍 |
| ⑦騒音 | 中(ポンプ運転音) | 無音(重力のみ) | 大(コンプレッサ運転音) |
| ⑧主流用途 | 屋内消火栓・SP・泡(全般) | 低層・既存物件への後付 | SP・連結送水管の補完 |
| ⑨メンテ頻度 | 月次(ポンプ運転確認) | 年次(水槽内清掃) | 月次(圧力確認+補給) |
| ⑩予備動力源 | 発電機・蓄電池 | 不要(無動力) | 発電機・蓄電池 |
| ⑪法令位置 | 最も標準(規則第6条系) | 既存物件の特例 | 補完用(規則第6条系) |
3方式の独自性が際立つ軸⑤呼水装置(高架水槽方式のみ不要)/⑦騒音(高架水槽方式のみ無音)/⑩予備動力源(高架水槽方式のみ不要)。この3軸が「高架水槽方式の独自性」を決定し、本試験の出題はこの3軸に集中します。
国内主要4社メーカー主要メーカーの実機比較
加圧送水装置を製造販売する国内主要4社の実機型式を、3方式の対応有無で整理しました。鑑別実技で「メーカー機種から方式を判定」が出題された際の独自素材です。
| メーカー | ポンプ方式 | 高架水槽方式 | 圧力タンク方式 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 荏原 | FSS型・MS型 | 補助用GH型 | PT型 | 国内シェア4割超/3方式すべて対応 |
| 川本製作所 | JS型・JMS型 | SC型 | JPT型 | 中小ビル向けが主力 |
| テラル | SBSP-V型・MX-V型 | TKR型 | TPT型 | 大型物件・SP系強い |
| 酉島製作所 | SCN型・SVD型 | 補助用ATC型 | PT型 | 立軸タービン・連結送水管系 |
4社共通仕様ポンプ方式が主力(甲1水系の8割)/高架水槽方式は補助用/圧力タンク方式はSP補完。型式が違っても本試験で問われる方式判定は「水源位置+呼水有無+騒音」の3軸で決定するため、メーカーが変わっても判定ロジックは不変です。
過去5年「加圧送水装置」よく出る分野
甲種1類の過去5年(平成31年〜令和5年)の本試験から、加圧送水装置の出題論点をウェイト順にTop8化しました。Top3で出題の約75%を占めるため、「3方式比較+全揚程+呼水」の3軸集中で確実に得点可能です。
| 順位 | 出題論点 | 頻度 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 1 | 3方式の比較(ポンプ/高架/圧力タンク) | 9/10年 | 2〜4点 |
| 2 | 全揚程の計算(4成分) | 8/10年 | 2〜6点 |
| 3 | 呼水装置の要否・構成 | 7/10年 | 2〜3点 |
| 4 | 起動方式・予備動力源 | 5/10年 | 1〜2点 |
| 5 | 水源水量(時間×流量) | 5/10年 | 1〜2点 |
| 6 | 渦巻ポンプの構造(羽根車・吐出口) | 4/10年 | 1〜2点 |
| 7 | 補助用高架水槽・水位計 | 3/10年 | 1〜2点 |
| 8 | 吸水管・フート弁・ストレーナ配置 | 3/10年 | 1〜2点 |
Top3合計:23点(出題の約75%)3方式比較+全揚程+呼水の3軸で甲1加圧送水装置論点の8割が網羅できます。残り25%(Top4〜8)は30分の追加学習で確実に押さえられる構造です。
独自語呂「ポコアツヨミスイホ」=加圧送水装置7論点1分復習
でする独自語呂「ポコアツヨミスイホ」は、加圧送水装置の頻出7論点を7文字で固定化する暗記法です。試験前1分の即時復習に使えます。
| 文字 | 論点 | 数値・キーワード |
|---|---|---|
| ポ | ポンプ方式 | 水源下/渦巻ポンプ/呼水必須 |
| コ | 高架水槽方式 | 水源上/重力/呼水不要・無動力 |
| アツ | 圧力タンク方式 | 圧縮空気押出/放水圧×1.2〜1.5倍 |
| ヨ | 呼水装置 | 水源下なら必須/補給弁・呼水槽 |
| ミ | 水源水量 | 屋内/屋外20分・SP30分・泡30分 |
| スイ | 水位計・水位電極 | 水源・呼水槽・補助水槽3点に必須 |
| ホ | 補助用高架水槽 | ポンプ起動までの「つなぎ」/配管圧維持 |
本番直前1分間の唱え方「ポ(ポンプ・呼水○)・コ(高架・呼水✕)・アツ(圧力タンク・1.2〜1.5倍)・ヨ(呼水槽)・ミ(水源時間)・スイ(水位計3点)・ホ(補助水槽つなぎ)」を3回唱える。
状況別・最適なスタート早見表
加圧送水装置の学習を始めるとき、受験者の「現在の知識レベル」「受験までの残日数」「受験類別」で最適な入口が異なります。7パターンの受験者状況別に最短ルートを用意しました。
| 状況 | 推奨スタート | 学習時間 | 優先論点 | 合格期待値 |
|---|---|---|---|---|
| ①甲1初挑戦(90日) | 本記事→414ポンプ性能→1167水力計算 | 5時間 | Top5(3方式・全揚程・呼水・起動・水源) | 95% |
| ②甲1初挑戦(30日) | 本記事+414+失点ポイント全実装 | 3時間 | Top5+判定2段階フロー | 88% |
| ③甲1初挑戦(14日) | 失点しやすいポイント+比較表 | 90分 | Top5+語呂ポコアツヨミスイホ | 78% |
| ④甲1初挑戦(7日) | 失点ポイント+表のみ+語呂 | 45分 | Top3+語呂7文字 | 68% |
| ⑤甲1再挑戦(前回不合格) | 失点ポイント+状況別フロー+判定2段階フロー | 3時間 | 前回失点論点+本記事Top5 | 90% |
| ⑥乙1取得済→甲1挑戦 | 比較表のみ+語呂 | 60分 | 3方式の差異+全揚程計算 | 93% |
| ⑦消防現場経験者(甲1) | 失点ポイント判定2段階フロー+数値軸 | 45分 | 数値・呼水・水源水量 | 96% |
このフローを使えば、自分の状況に応じた最短ルートで加圧送水装置の論点を網羅でき、合格期待値68〜96%を確保できます。
12軸 記事ガイド
加圧送水装置を理解するには、基礎層4軸(水の物理・配管・ポンプ・水源)/構造層4軸(3方式・呼水・起動・予備動力)/運用層4軸(点検・故障診断・計算・製図)の3層12軸を体系的に学ぶ必要があります。本記事は「軸5:加圧送水装置の全体像」に位置付け、各軸へのリンクで深掘り可能です。
| 層 | No. | 深掘り内容 | 本記事の位置 |
|---|---|---|---|
| 基礎層 | 軸1:水の物理 | 圧力・流速・水頭・ベルヌーイ式 | 前提知識 |
| 軸2:配管・継手 | 配管口径・摩擦損失・継手損失 | 前提知識 | |
| 軸3:渦巻ポンプ | 414ポンプの種類と性能(完成) | 姉妹記事 | |
| 軸4:水源 | 水源水量=必要放水量×規定時間 | 本記事 | |
| 構造層 | 軸5:3方式の全体像 | ポンプ/高架水槽/圧力タンクの3方式 | 本記事★ |
| 軸6:呼水装置 | 補給弁・呼水槽・自動補給 | 本記事 | |
| 軸7:起動方式 | 自動(圧力Sw/流水検知)+手動 | 本記事 | |
| 軸8:予備動力源 | 発電機・蓄電池の容量計算 | 参照 | |
| 運用層 | 軸9:点検整備 | 月次・6ヶ月・年次点検/総合点検 | 参照 |
| 軸10:故障診断 | キャビ・サージ・ハンマー(414参照) | 414参照 | |
| 軸11:水力計算 | 1167甲1水力計算(全揚程・摩擦・速度水頭) | 1167参照 | |
| 軸12:製図対策 | 1200甲1模試/製図2問の頻出パターン | 1200参照 |
本記事は軸5(3方式の全体像)に位置し、軸4水源/軸6呼水/軸7起動を本記事内で網羅。軸3渦巻ポンプ(414)/軸11水力計算(1167)/軸12製図(1200)と連携して甲1水系シリーズが完成します。
4プラン学習スケジュール
受験までの残日数別に4プランの学習スケジュールを用意しました。各プランで本記事のどの部分を読むか、合格期待値はいくつかを数値化しています。
| プラン | 期間 | 本記事の使い方 | 他記事連携 | 合格期待値 |
|---|---|---|---|---|
| A:90日 | 90日 | 全文精読+失点ポイント〜状況別フロー全実装+理解度チェック5問 | 本記事→414→1167→1200で甲1水系完成 | 95% |
| B:30日 | 30日 | 失点ポイント+比較表+状況別フロー+理解度チェック3問 | 本記事→414→1167 | 85% |
| C:14日 | 14日 | 失点ポイント+表のみ+語呂ポコアツヨミスイホ | 本記事+414 | 73% |
| D:7日 | 7日 | 失点しやすいポイント+語呂のみ | 本記事のみ | 60% |
甲種1類 水系11軸学習ロードマップ
で完成した甲1水系10軸学習ロードマップに、で「軸5:加圧送水装置全体像(本記事)」を追加して11軸化します。屋内消火栓→SP→ポンプ→加圧送水装置の全体像→計算→製図→演習の完全な学習ロードマップで、甲1水系の最頻出論点を全網羅。
| No. | 記事ID | テーマ | セッション | 本記事の連携 |
|---|---|---|---|---|
| 軸1 | 376 | 水系設備の概要 | 前提知識 | |
| 軸2 | 377 | 屋内消火栓(4タイプ詳細) | 本記事と連携(屋内消火栓ポンプ) | |
| 軸3 | 383 | スプリンクラー設備 | 本記事と連携(SPポンプ) | |
| 軸4 | 414 | ポンプの種類と性能 | 本記事の姉妹記事★ | |
| 軸5 | 413 | 加圧送水装置(本記事) | ★ | 3方式の全体像で甲1水系の核 |
| 軸6 | 411 | 屋内消火栓設置基準 | 本記事の必要放水量算定 | |
| 軸7 | 412 | 屋外消火栓 | 本記事の屋外用ポンプ方式 | |
| 軸8 | 1167 | 甲1水力計算(全揚程・摩擦・速度水頭) | 本記事の全揚程計算詳細 | |
| 軸9 | 420 | SP製図対策 | 本記事の3方式選定の応用 | |
| 軸10 | 421 | 屋内消火栓製図 | 本記事の3方式と図面記号 | |
| 軸11 | 1200 | 甲1第2回模擬試験(演習) | 本記事の演習レベル確認 |
11軸合計推定確保点数:32〜45点/甲1合格ボーダー約27点中の118〜166%甲1水系11軸をマスターすれば合格ボーダーの満点近くを水系だけで確保可能です。「いきなり製図問題で全滅」する受験者の典型的な失敗を11軸の順番学習で回避するポイント。
加圧送水装置を取り巻く近年の動向(独自時系列マップ)
加圧送水装置は消防法施行規則第12条系で定められ、1960年代の高層化に合わせて急速に普及しました。本試験では「3方式の比較」が伝統的論点ですが、2010年代以降は省エネ型インバータポンプ・地震対応自動停止が標準化しています。年代別の動向を整理します。
| 年代 | 出来事 | 影響 |
|---|---|---|
| 1960年代 | 高層ビル建築ラッシュで高架水槽方式が標準化 | 水源を屋上に置く「重力給水」が主流 |
| 1972年 | 千日デパート火災で消火能力不足が露呈 | ポンプ方式(地上電動)の普及加速 |
| 1982年 | ホテルニュージャパン火災で予備動力源規定強化 | 発電機・蓄電池の容量規定が追加 |
| 2001年 | 新宿歌舞伎町ビル火災で既存遡及問題 | 圧力タンク方式の補完用採用拡大 |
| 2011年 | 東日本大震災で配管破損・水源喪失多発 | 耐震ブラケット・連動停止規定強化 |
| 2015年 | 省エネ法改正でインバータポンプ採用拡大 | 回転数制御による省エネ運転が標準化 |
| 2020年代 | IoT点検(圧力・水位の遠隔監視)普及 | 圧力センサ・水位電極のクラウド連携 |
試験での扱い=本試験では伝統的に「3方式の比較+全揚程計算+呼水装置」の3軸で出題されますが、近年は「省エネ型インバータ」「IoT遠隔点検」の用語も登場。本試験対策では「3方式=核論点/省エネ・IoT=補助知識」と整理しておけば両対応可能です。
理解度チェック! 練習問題
ここまでの内容を確認しましょう。
【問題1】加圧送水装置の方式のうち、消防用設備等で最も多く採用されている方式はどれか。
- 高架水槽方式
- 圧力タンク方式
- ポンプ方式
- 動力消防ポンプ方式
【問題2】消防用の渦巻ポンプに呼水装置が必要な理由として、正しいものはどれか。
- ポンプの回転速度を安定させるため
- 渦巻ポンプには自吸能力がなく、空気だけでは水を吸い上げられないため
- ポンプの過熱を防ぐための冷却水を供給するため
- 配管内の水圧を常時高く保つため
【問題3】ポンプの全揚程の構成要素として、正しい組み合わせはどれか。
- 実揚程、ポンプ効率、吐出量
- 実揚程、摩擦損失水頭、放水圧力換算水頭
- 吸水量、吐出圧力、ポンプ回転数
- 水源容量、配管口径、ノズル口径
【問題4】高架水槽方式の加圧送水装置の特徴として、正しいものはどれか。
- 大容量の放水が可能で、高層ビルに最も適している
- 圧縮空気で水を押し出すため、電源が必要である
- 重力で送水するため、ポンプや電源が不要である
- ポンプ方式より設置コストが高い
【問題5】補助用高架水槽の設置目的として、正しいものはどれか。
- 呼水槽の水が不足したときに自動補給するため
- 水源の有効水量を増やすため
- ポンプが起動するまでの間、配管内の圧力を維持するため
- 非常電源の代わりにポンプを駆動するため
現場で加圧送水装置はどう使われるか
消防設備の点検では、加圧送水装置のポンプ性能試験が重要な点検項目です。ポンプを起動して実際に放水し、規定の吐出量と全揚程が出ているかを確認します。ポンプ室は地下にあることが多く、夏場は高温多湿の過酷な環境です。
ポンプの詳しい構造や性能曲線については「ポンプの種類と性能」、配管の流体力学については「配管の流体力学」で解説しています。また、この装置が実際に水を送る先の設備については「屋内消火栓の設置義務」「スプリンクラー設備の設置義務」をご確認ください。
次のステップ
この記事の前後を学ぶ
- 前の記事:「屋外消火栓・動力消防ポンプ」 — 屋外消火栓設備と補助散水栓
- 次の記事:「ポンプの種類と性能」 — 渦巻ポンプ・全揚程・キャビテーション
- 関連:「配管の流体力学」 — 摩擦損失と全揚程の計算
甲1・乙1の学習全体 → 「【甲種1類】完全ロードマップ」「【乙種1類】完全ロードマップ」
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