加圧送水装置は、水を必要な圧力で送り出す装置
加圧送水装置は、水源の水を消火栓、スプリンクラーヘッド、その他の水系消火設備へ送るための装置です。消防法施行規則では、屋内消火栓設備やスプリンクラー設備の細目の中で、高架水槽、圧力水槽、ポンプを用いる方式が整理されています。
確認メモ:このページは消防設備士試験向けの学習整理です。実務では、設備種別、用途、階数、放水性能、条例、所轄消防の指導、機器仕様を合わせて確認します。
消火設備の中での位置づけ
消防法施行令第7条は、消火設備として屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、屋外消火栓設備、動力消防ポンプ設備などを列挙しています。
このうち水を使う設備では、水源、配管、弁類、起動装置、非常電源などとあわせて、加圧送水装置の理解が必要になります。この記事では、まず共通する考え方を押さえます。
加圧送水装置の3方式
消防法施行規則第12条1項7号では、屋内消火栓設備の加圧送水装置について、高架水槽、圧力水槽、ポンプを用いる方式が出てきます。学習では、何で圧力を作るかを分けると整理しやすくなります。
| 方式 | 圧力の作り方 | 条文上の確認点 |
|---|---|---|
| 高架水槽 | 水槽の高さによる落差を使う | 必要な落差を式で確認し、水位計、排水管、溢水用排水管、補給水管、マンホールを設ける。 |
| 圧力水槽 | 水槽内の圧力で水を押し出す | 必要圧力を式で確認し、水量は圧力水槽の体積の3分の2以下。圧力計、水位計、排水管、補給水管、給気管、マンホールを設ける。 |
| ポンプ | 電動機でポンプを回して加圧する | 吐出量、全揚程、圧力計、連成計、性能試験配管、逃し配管、起動停止の条件を確認する。 |
学習書では「圧力タンク方式」と呼ぶことがありますが、条文では「圧力水槽」という語が使われます。試験では、用語の違いに引きずられず、圧力で水を押し出す方式だと押さえます。
ポンプ方式で見る附属装置
ポンプを用いる加圧送水装置では、ポンプ本体だけでなく、計器、配管、弁類、非常電源などを一体で見る必要があります。
| 項目 | 押さえる内容 |
|---|---|
| 圧力計・連成計 | ポンプの吐出側には圧力計、吸込側には連成計を設ける。 |
| 性能試験配管 | 定格負荷運転時のポンプ性能を試験するための配管設備を設ける。 |
| 逃し配管 | 締切運転時の水温上昇を防ぐために設ける。 |
| 逆止弁・止水弁 | 加圧送水装置の吐出側直近部分の配管に設ける。 |
| 非常電源 | 非常電源専用受電設備、自家発電設備、蓄電池設備、燃料電池設備など、設備と用途に応じた扱いを確認する。 |
呼水装置は、水源がポンプより低いときに確認する
消防法施行規則第12条1項3号の2は、水源の水位がポンプより低い位置にある加圧送水装置について、呼水装置を設けることを定めています。
- 呼水装置には、専用の呼水槽を設ける。
- 呼水槽の容量は、加圧送水装置を有効に作動できるものとする。
- 呼水槽には、減水警報装置と自動補給装置を設ける。
旧本文にあった「呼水槽100L以上」という固定値は、現行条文の表現と一致しないため削除しました。試験では、固定値で覚えるより、水源がポンプより低い場合に呼水装置が必要になること、専用呼水槽、減水警報、自動補給をセットで確認します。
吸水管とフート弁
ポンプを用いる加圧送水装置の吸水管では、ろ過装置を設けることが定められています。水源の水位がポンプより低い位置にあるものはフート弁を、その他のものは止水弁を設けます。フート弁は点検しやすい構造であることも確認します。
混同注意:吐出側直近部分の逆止弁・止水弁と、吸水管側のフート弁・止水弁は場所が違います。問題文で「吐出側」「吸水管」「水源の水位」を見分けます。
全揚程は、設備ごとの式で確認する
ポンプの全揚程は、ポンプが水を送るために必要な高さ換算の合計です。屋内消火栓設備のポンプ方式では、消防法施行規則第12条1項7号ハに、次の形で示されています。
H = h1 + h2 + h3 + 17m
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| H | ポンプの全揚程 |
| h1 | 消防用ホースの摩擦損失水頭 |
| h2 | 配管の摩擦損失水頭 |
| h3 | 落差 |
| 17m | 屋内消火栓設備の放水性能に対応する項 |
スプリンクラー設備では、消防法施行規則第14条で別の式や条件が出てきます。全揚程を一つの覚え方で固定せず、どの設備の条文を見ているかを先に確認します。
起動と停止の見方
屋内消火栓設備では、起動装置は直接操作でき、屋内消火栓箱の内部又は直近の操作部から遠隔操作できることが基本です。また、加圧送水装置は直接操作によってのみ停止されるものとされています。
スプリンクラー設備では、閉鎖型ヘッドの場合、自動火災報知設備の感知器、流水検知装置、起動用水圧開閉装置などとの連動が出てきます。開放型ヘッドでは、一斉開放弁や手動式開放弁と合わせて確認します。
確認問題
問題1
消防法施行規則第12条1項7号で、屋内消火栓設備の加圧送水装置として整理される方式の組み合わせはどれか。
(1)高架水槽・圧力水槽・ポンプ (2)消火器・水バケツ・乾燥砂 (3)受信機・中継器・発信機 (4)避難はしご・緩降機・救助袋
問題2
呼水装置を設ける条件として適切なものはどれか。
(1)水源の水位がポンプより低い位置にある (2)水源が常に屋上にある (3)非常電源専用受電設備がある (4)圧力計を設けた
問題3
ポンプを用いる加圧送水装置で、計器の組み合わせとして適切なものはどれか。
(1)吐出側に圧力計、吸込側に連成計 (2)吐出側に温度計、吸込側に照度計 (3)水槽に風速計だけ (4)配管末端に感震器だけ
問題4
圧力水槽を用いる加圧送水装置で、圧力水槽の水量について適切なものはどれか。
(1)体積の3分の2以下 (2)体積と同量以上 (3)常に空にする (4)水量は条文上確認しない
問題5
屋内消火栓設備の加圧送水装置の停止について、適切なものはどれか。
(1)直接操作によってのみ停止される (2)流水検知装置が作動すると必ず停止する (3)放水中に自動的に停止する (4)停止条件は定められていない
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