甲種2類/乙種2類

【甲2】鑑別問題の攻略法|泡消火設備の部品の見分け方と頻出パターン

結論:甲2の鑑別は「泡消火設備の部品と薬剤を見分ける」試験

結論から言います。

甲種2類の鑑別問題は、泡消火設備の放出口・混合装置・泡消火薬剤などの写真を見て、名称・用途・特徴を記述式で答える試験です。

甲2は水系設備(1類)の知識をベースに「泡」という要素が加わる分野です。泡を作る仕組み(混合装置)と泡を放出する装置(フォームヘッド・チャンバー等)が鑑別の中心になります。

この記事では、泡消火設備の各部品を「見た目だけ」で見分けるコツと、頻出パターン別の攻略法を解説します。

泡消火設備の全体像については「泡消火設備の全体像と消火原理」で先に確認しておくと理解がスムーズです。

甲2の鑑別問題とは?

項目 内容
鑑別 5問
製図 2問(甲種のみ)
解答形式 記述式
合格基準 実技全体で60%以上

鑑別で出題されるのは、大きく以下の4カテゴリです。

  1. 泡放出口・ヘッド類(フォームヘッド・フォームチャンバー・泡消火栓)
  2. 混合装置(泡消火薬剤と水を混ぜる装置)
  3. 泡消火薬剤の種類と特徴
  4. 試験・点検の知識(発泡倍率・還元時間)

泡消火設備のシステム構成

泡消火設備は「水+泡消火薬剤=泡水溶液」を作り、泡で火災面を覆って消火する設備です。

泡消火設備のシステム構成
水源+ポンプ
混合装置
一斉開放弁
泡放出口
水に泡消火薬剤を混ぜ(混合装置)、泡水溶液を放出口から放出して泡を作る

駐車場の天井に取り付けられたフォームヘッドから大量の泡が降り注ぐ――これが泡消火設備のイメージです。油火災に強いため、駐車場・航空機格納庫・危険物施設などで使われます。

詳しくは「泡消火設備の構造と機能」をご覧ください。

カテゴリ①|泡放出口・ヘッドの見分け方

泡を放出する装置にはいくつかの種類があり、鑑別では外観から種類を答えます。

放出装置 外観の特徴 設置場所
フォームヘッド SPヘッドより大きめ、デフレクター付き 駐車場の天井
フォームチャンバー 円筒型、タンク側面に設置 危険物タンクの上部
泡モニターノズル 可動式の大型ノズル 航空機格納庫など
泡消火栓 箱型、ホース+ノズル収納 危険物施設の壁面
高発泡用泡放出口 ファン(送風機)付きの大型装置 倉庫・格納庫
【写真】フォームヘッドとフォームチャンバーの外観比較
(画像準備中 — Geminiで生成後に差し替え)

フォームヘッドはスプリンクラーヘッドに似ていますが、泡を効率的に作るためやや大きめで、デフレクター(散布板)の形状が泡の生成に適した構造になっています。駐車場の天井で見かけます。

フォームチャンバーは石油タンクの上部側面に取り付けられる円筒形の装置です。ここから泡をタンク内壁に沿って流し込み、油面を泡で覆って消火します。石油コンビナートや給油施設で見られる装置です。

高発泡用泡放出口は特徴的で、送風機(ファン)が内蔵されています。ファンの風で泡水溶液を細かく発泡させ、大量の泡(発泡倍率80〜1000倍)を作り出します。

カテゴリ②|混合装置の見分け方

混合装置は、水と泡消火薬剤を一定の割合で混ぜる装置です。泡消火設備の要(かなめ)となる部品で、鑑別でも頻出です。

混合装置 特徴 用途
プレッシャープロポーショナー 薬剤タンクに加圧して混合 中〜大規模設備
ラインプロポーショナー 配管途中に挿入。流水の差圧で薬剤を吸引 小規模設備
プレッシャーサイドプロポーショナー ポンプの吐出圧で薬剤を圧送 大規模設備
ポンププロポーショナー ポンプの吸込側に薬剤を混入 特殊用途

名前が長くて覚えにくいですが、「プロポーショナー = 比例混合器」という意味です。水と薬剤の混合比(通常3%または6%)を一定に保つのが役割です。

見分けのコツ:写真に薬剤タンクと配管が直結していればプレッシャープロポーショナー、配管の途中に挿入された小型装置ならラインプロポーショナーです。

カテゴリ③|泡消火薬剤の見分け方

泡消火薬剤の種類と性質は鑑別の定番です。名前と特徴をセットで覚えましょう。

薬剤名 原料 特徴
たん白泡 動物性たん白質 耐熱性が高い。茶褐色で独特の臭い
合成界面活性剤泡 合成洗剤と同じ成分 流動性が良い。高発泡用にも使用
水成膜泡(AFFF) フッ素系界面活性剤 油面に薄い水成膜を形成。消火速度が速い
フッ素たん白泡 たん白+フッ素系 耐熱性+耐油性を両立

鑑別で特に重要なのは各薬剤の特徴の違いです。

  • たん白泡は耐熱性に優れるが流動性が低い。茶褐色で臭いが強い
  • 合成界面活性剤泡は流動性が良く高発泡に使えるが、耐熱性はたん白泡に劣る
  • 水成膜泡(AFFF)は油面に薄い水の膜を作り、泡が消えても再燃を防ぐ。消火速度が最も速い
  • フッ素たん白泡はたん白泡の耐熱性とフッ素系の耐油性を組み合わせた高性能タイプ

消火薬剤の横断比較は「泡消火薬剤の種類と性質」で詳しくまとめています。

カテゴリ④|試験・点検の知識

泡消火設備の点検では、泡の性能を確認するために発泡倍率25%還元時間を測定します。鑑別でもこの2つの数値が問われます。

項目 意味
発泡倍率 泡水溶液が何倍の体積の泡になるか
25%還元時間 泡から25%の液が戻るまでの時間

発泡倍率による分類:

分類 発泡倍率 用途例
低発泡 20倍以下 駐車場・タンク
高発泡 80〜1000倍 倉庫・格納庫の全域放出

25%還元時間は「泡がどれだけ長持ちするか」の指標です。泡は時間とともに液体に戻っていきます。泡の体積の25%分の液体が分離するまでの時間が長いほど、泡が長持ち=消火効果が持続します。

実際の点検では、放出した泡を容器に採取し、発泡倍率と還元時間を計測します。規定値を下回ると泡消火薬剤の劣化が疑われます。

点検方法の詳細は「泡消火設備の点検・整備と試験方法」をどうぞ。

頻出パターン別 攻略法

パターン①|「この部品の名称を答えよ」

写真を見て正式名称を書く問題です。

外観のヒント 正式名称
天井設置、SPヘッドより大きめ フォームヘッド(泡ヘッド)
円筒型、タンク側面 フォームチャンバー(泡放出口)
ファン付きの大型装置 高発泡用泡放出口
配管途中の小型装置 ラインプロポーショナー
薬剤タンクと直結した装置 プレッシャープロポーショナー

パターン②|「泡消火薬剤の種類と特徴を答えよ」

薬剤名が示され、その特徴を記述する問題です。特に水成膜泡(AFFF)は頻出。「油面に薄い水成膜を形成し、泡が消えても再燃を防ぐ」と書ければ得点できます。

パターン③|「発泡倍率と還元時間を説明せよ」

泡の性能指標を記述する問題。「発泡倍率=泡水溶液が何倍に膨らむか」「25%還元時間=泡から25%の液体が分離するまでの時間」と書きましょう。

パターン④|「低発泡と高発泡の違いを答えよ」

発泡倍率の数値(低発泡=20倍以下、高発泡=80〜1000倍)と、それぞれの用途を記述します。高発泡は送風機で大量の泡を作り、空間全体を泡で埋める方式です。

実戦練習問題(5問)

本番と同じ形式の練習問題です。自分で解答を書いてから答え合わせしてください。

【問1】放出装置の名称

次の写真の装置の名称を答えなさい。この装置は天井面に設置されており、スプリンクラーヘッドよりやや大きめで、泡を広範囲に散布するためのデフレクター(散布板)がついている。

【写真】天井設置型のデフレクター付き放出装置
(画像準備中 — Geminiで生成後に差し替え)
解答を見る

正解:フォームヘッド(泡ヘッド)

天井面に設置され、デフレクター付きで泡を散布する装置です。スプリンクラーヘッドに似ていますが、泡水溶液を空気と混合して発泡させながら放出するため、ヘッドの構造がやや異なります。駐車場の天井に設置されているのをよく見かけます。

【問2】混合装置の名称と役割

次の写真の装置の名称を答えなさい。また、この装置の役割を説明しなさい。この装置は配管の途中に挿入されており、流水の差圧を利用して泡消火薬剤を吸引する小型の装置である。

【写真】配管途中に挿入された小型の混合装置
(画像準備中 — Geminiで生成後に差し替え)
解答を見る

正解:ラインプロポーショナー

役割:水の流れの中に泡消火薬剤を一定の割合(3%または6%)で混合する装置。配管内の流水によって生じる差圧(ベンチュリ効果)を利用して、薬剤タンクから薬剤を自動的に吸い上げて混合する。小規模な泡消火設備に使われることが多い。

【問3】泡消火薬剤の特徴

水成膜泡消火薬剤(AFFF)の特徴を2つ述べなさい。また、なぜ「水成膜」と呼ばれるか説明しなさい。

解答を見る

正解:

特徴①:フッ素系界面活性剤を含み、消火速度が他の泡消火薬剤と比べて速い。

特徴②:泡が消えた後も油面に薄い水の膜(水成膜)が残り、再燃を防止する効果がある。

「水成膜」の由来:この薬剤の泡水溶液は表面張力が非常に低いため、油面上に薄い水の膜を形成(水成膜=Aqueous Film)する。この膜が油と空気を遮断するため、泡が壊れても一定時間は再燃を防げる。AFFとは「Aqueous Film Forming Foam」の略。

【問4】発泡倍率と還元時間

泡消火設備の性能を示す「発泡倍率」と「25%還元時間」について、それぞれの意味を説明しなさい。

解答を見る

正解:

発泡倍率:泡水溶液の体積に対する、発泡後の泡の体積の比率。たとえば発泡倍率10倍なら、1リットルの泡水溶液から10リットル分の泡が作られる。低発泡は20倍以下、高発泡は80〜1000倍。

25%還元時間:発泡した泡を容器に採取し、泡の体積の25%に相当する量の液体が分離(還元)するまでの時間。この時間が長いほど泡が長持ちし、消火効果が持続する。泡消火薬剤の品質(劣化度合い)の判定にも使われる。

【問5】低発泡と高発泡の違い

低発泡方式と高発泡方式の違いを、発泡倍率・放出方法・適用場所の観点から説明しなさい。

解答を見る

正解:

低発泡:発泡倍率は20倍以下。フォームヘッドやフォームチャンバーから泡を放出し、火災面を直接覆って消火する。駐車場や危険物タンクなど、火災面が特定できる場所に適している。

高発泡:発泡倍率は80〜1000倍。送風機(ファン)付きの泡放出口で大量の泡を作り、空間全体を泡で埋めて消火する(全域放出方式)。倉庫や航空機格納庫など、広い閉鎖空間の消火に適している。

低発泡は「火災面を覆う」、高発泡は「空間を埋める」というイメージの違いがあります。

まとめ

甲2の鑑別問題を攻略するポイントをおさらいします。

鑑別攻略 4つのカテゴリ

  1. 放出装置:フォームヘッド・チャンバー・高発泡用放出口を形状で識別
  2. 混合装置:各種プロポーショナーの設置方法の違い
  3. 泡消火薬剤:たん白泡・合成界面活性剤泡・水成膜泡・フッ素たん白泡の特徴
  4. 試験の知識:発泡倍率と25%還元時間の意味と数値

特に覚えるべきポイント

  • 水成膜泡(AFFF)の「水成膜」の意味と消火速度の速さ
  • 低発泡(20倍以下)vs 高発泡(80〜1000倍)の違い
  • フォームヘッド vs フォームチャンバーの設置場所の違い

泡消火設備は部品の種類が多いですが、「放出口→混合装置→薬剤→試験」の4カテゴリに整理すれば迷いません。

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