この記事は、消防設備士甲種5類の試験対策を全7記事で完全カバーするロードマップです。
甲種5類の試験範囲は避難器具(緩降機・救助袋・避難はしご・すべり台など)です。消火設備や警報設備とはまったく異なり、「火災が起きたあと、いかに安全に逃げるか」を扱う分野です。配管も配線もなく、代わりに設置個数の算定・降下空間の設計・強度計算が試験の柱になります。
甲種5類の試験データ
試験構成(甲種5類)
| 科目 | 問題数 | 合格基準 |
|---|---|---|
| 法令共通 | 8問 | 各科目40%以上 全体で60%以上 |
| 法令類別(避難器具) | 7問 | |
| 構造・機能・規格(機械/規格) | 20問 | |
| 実技(鑑別5問+製図2問) | 7問 |
出題ウェイトで学ぶ順番を決める
限られた時間で合格するには、出題頻度の高い分野に時間を集中させるのが鉄則。甲5の出題ウェイトを3段階で整理します。
おすすめの学習順序
STEP1:構造・機能(3記事)
まずは避難器具の全体像を掴み、次に主要器具の構造を深掘りしていきます。
5-1. 避難器具の全体像と分類
避難器具の全体像と分類|8種類の特徴・適応表・甲5の業務範囲をわかりやすく解説
避難器具8種類(すべり台・避難はしご・救助袋・緩降機・避難橋・避難ロープ・避難タラップ・すべり棒)の特徴比較、適応表の読み方(用途×階のA/B/Cグループ)、甲5・乙5の業務範囲(対象は金属製避難はしご・救助袋・緩降機の3種類のみ)を学びます。甲5の学習はここからスタート。
5-2. 緩降機・救助袋の構造と機能
緩降機・救助袋の構造と機能|調速器・交互式・垂直式・斜降式をわかりやすく解説
甲5で最も出題頻度が高い2器具を深掘り。緩降機の4部品(調速器・ロープ・着用具・取付具)、降下速度16〜150cm/秒、交互式の仕組み、ロープ安全率10以上。救助袋の垂直式(二重構造・らせん降下)と斜降式(斜めシュート)、展張手順4ステップ、取付金具安全率4以上を学びます。
5-3. 避難はしご・すべり台・その他の避難器具
避難はしご・すべり台・その他の避難器具|4タイプの構造と横さん間隔をわかりやすく解説
避難はしご4タイプ(固定・立てかけ・つり下げ・ハッチ用)の違い、ハッチ用の使用手順、横さん間隔25〜35cm等間隔、使用荷重130kg。すべり台(幼児OK・スペース大)、避難橋、避難ロープ(直径12mm以上・2階のみ)、避難タラップ、すべり棒の特徴を学びます。
STEP2:法令類別(2記事)
構造を理解したら、どんな建物にどの基準で設置するかの法令を学びます。甲5の法令は面積基準ではなく収容人員基準が特徴です。
5-4. 避難器具の設置義務と技術基準
避難器具の設置義務と技術基準|施行令第25条・収容人員の基準をわかりやすく解説
施行令25条1項の設置義務3条件、収容人員の基準4段階((6)項20人・(5)項イ30人・(1)〜(4)項50人・その他100人〜)、避難階と11階以上の除外、設置個数の算定(施行規則27条)、減免規定3パターン(耐火構造+2方向避難で1/2削減・特別避難階段で免除)を学びます。
5-5. 避難器具の設置場所と降下空間
避難器具の設置場所と降下空間|開口部・操作面積・取付部の基準をわかりやすく解説
設置場所7つの原則、開口部の寸法(幅50cm・高さ80cm・下端1.2m以下・ハッチ直径60cm)、降下空間の基本(設置階〜地上まで連続・障害物不可)、器具別降下空間(緩降機=半径50cm円柱形・救助袋垂直式/斜降式・避難はしご)、操作面積0.5m×0.5m以上、取付部の固定基準(主要構造部に固定・ALC不可)を学びます。
STEP3:工事・整備(1記事)
設備の仕組みと法令を理解したら、実際の点検・試験方法と整備の内容を学びます。
5-6. 避難器具の点検・整備と試験方法
避難器具の点検・整備と試験方法|降下テスト・器具別チェックポイントをわかりやすく解説
機器点検(6ヶ月に1回)と総合点検(1年に1回)の体系、外観点検の確認項目(器具本体・設置環境・取付部)、機能点検(操作装置・可動部・ロープ)、総合点検の降下テスト(実荷重・砂袋使用)、器具別の点検ポイント(緩降機の降下速度16〜150cm/秒・救助袋の展張テスト・避難はしごの荷重130kg)、整備内容(注油・ロープ交換・防錆処理)、甲5と乙5の業務範囲の違いを学びます。
STEP4:製図(1記事)
甲種限定の製図試験対策。甲5の製図は他の類と大きく異なり、配管・配線・系統図は一切出ません。
5-7. 避難器具の製図
避難器具の製図|設置個数の算定・降下空間の設計・強度計算をわかりやすく解説
甲5製図の出題4パターン(設置個数算定・降下空間図示・器具配置・強度計算)、避難器具の図記号10種類、設置個数の算定フロー6ステップと計算例、降下空間の平面図・断面図での描き方、開口部の寸法基準、安全率の計算(破断荷重÷使用荷重)と器具別基準(ロープ10以上・取付金具4以上)、間違えやすい5ポイントを学びます。
法令共通・機械基礎は他の類と共通
甲種5類の試験には、上記7記事に加えて法令共通と機械の基礎知識の問題も出ます。これらは他の類と共通の範囲です。
法令共通(16記事)
法令共通の記事は「【法令共通】消防設備士試験の完全ロードマップ|全18記事で法令を攻略」にまとめています。消防法の基礎から、防火管理者、消防設備士制度、検定制度まで網羅しています。
機械の基礎知識
機械基礎は乙種6類の記事を活用できます。
- 力のつりあいとモーメント|消防設備士の機械基礎をわかりやすく解説
- 荷重・応力・ひずみとは?フックの法則と安全率をわかりやすく解説
- 材料の性質|金属・ゴム・合成樹脂の違いをわかりやすく解説
- 圧力・流体の基礎(パスカル・ボイル)
- 腐食と防食(電食・めっき・塗装)
特に「荷重・応力・ひずみとは?フックの法則と安全率をわかりやすく解説」は、甲5製図の強度計算(安全率)に直結するので必ず復習しておきましょう。
甲5の学習のコツ
・降下速度:16〜150cm/秒(緩降機)
・横さん間隔:25〜35cm(避難はしご)
・ロープ安全率:10以上(緩降機)
・取付金具安全率:4以上(救助袋)
・開口部:幅50cm・高さ80cm・下端1.2m以下
・降下空間:半径50cm(緩降機)
8週間の学習スケジュール例(1日1時間ペース)
標準的な学習時間60〜80時間を8週間で消化するモデルスケジュールです。仕事・学校と両立しながら無理なく合格レベルに到達できます。
| 週 | 学習内容 | 目標時間 |
|---|---|---|
| 1週目 | 避難器具の全体像・8種類の分類(5-1) | 7時間 |
| 2週目 | 緩降機・救助袋の構造(5-2)★★★ | 10時間 |
| 3週目 | 避難はしご・すべり台ほか(5-3) | 8時間 |
| 4週目 | 設置義務・収容人員基準(5-4) | 8時間 |
| 5週目 | 降下空間・操作面積(5-5) | 8時間 |
| 6週目 | 点検・整備(5-6)+法令共通の復習 | 8時間 |
| 7週目 | 製図の基礎と計算(5-7)★★★ | 10時間 |
| 8週目 | 鑑別攻略・模擬試験・総復習 | 10時間 |
全類制覇を目指す方へ
甲種5類は全類制覇ルートの最後の類です。ここまで来たあなたは、消火設備(甲1〜3)、警報設備(甲4)、避難設備(甲5)、そして乙種(乙6・乙7)のすべてを網羅したことになります。
全類の学習順序や戦略は「消防設備士 全類制覇ロードマップ|おすすめの受験順序と最短ルート」を参照してください。
力試し:ミニテスト&模擬試験
📝 甲種5類の力試し
▶ ミニテスト一覧を見る
5〜10問のクイズ形式。スキマ時間の復習に最適です。
通信講座で動画・体系学習
SATの消防設備士講座を見てみる →
動画講義で甲5の器具の動作を視覚的に理解
JTEXの消防設備士講座を見てみる →
テキスト中心でじっくり学びたい方に
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試験対策の強化
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