消防設備士乙種第7類(乙7)の実技は「鑑別等」5問です。現在、消防試験研究センターが公開している第7類の例は、機器写真の名称当てではなく、漏電火災警報器の誤った配線図から2か所の誤りを見つけ、その理由を書く問題です。
この記事では、公式問題の図そのものは転載せず、公開されている問題・解答と現行法令をもとに、配線図を読む順序と解答の根拠を整理します。最初に消防試験研究センターの乙種公式公開問題PDFで、第7類の問題図と解答を確認してください。
この記事で確認すること
- 乙7の「鑑別等」の問題数と、公開問題の位置づけ
- 警戒電路の全電線を変流器へ通す理由
- 受信機電源を電流制限器の一次側から分岐する理由
- 警戒電路方式とB種接地線方式の区別
- 旧規格値・製品規格値・点検値を混同しない方法
乙種7類の実技は「鑑別等」5問
消防試験研究センターの試験科目表では、乙種第7類の実技は鑑別等5問です。甲種のような製図はありません。実技の合格基準は60%以上ですが、問題ごとの配点や部分点の付け方は公表されていません。
免除のない場合、乙種第7類は筆記30問と鑑別等5問を1時間45分で受験します。公式案内には、鑑別等だけを40分で解くという独立した制限時間は示されていません。試験全体の問題数・時間・合格基準は、消防設備士乙種7類の試験内容と勉強順で整理しています。
公式公開問題は過去問題の一部
消防試験研究センターは、受験者が必要な知識・技能の目安を確認できるよう、過去に出題した問題の一部を公開しています。公開PDFは全問題を収録した過去問題集ではなく、掲載例だけから頻出順位や出題率を判断することはできません。
現在の乙種公開PDFにある第7類の鑑別等は、誤って設置された漏電火災警報器の配線図を読み、誤り2か所とその理由を答える内容です。公開解答で示されている要点は次の2つです。
- 変流器に、警戒電路のうち1線しか貫通させていない。
- 受信機の電源を、電流制限器の二次側から分岐している。
正しい配線へ直すには、警戒電路の全電線を変流器へ通し、受信機の電源を電流制限器の一次側から分岐します。以下で、それぞれの理由を確認します。
誤り1:警戒電路の1線しか変流器を通っていない
警戒電路方式では、警戒する電路のすべての電線を変流器へ通します。単相2線式なら2線とも、単相3線式なら3線とも通す、という読み方です。
正常時は、負荷へ向かう電流と戻る電流が互いに打ち消し合います。地絡などで電流の一部が大地側へ漏れると、変流器を通る電流の合計が0にならず、その差を漏えい電流として検出できます。
1線だけを変流器へ通すと、戻り側との相殺ができず、負荷電流そのものを検出することになります。そのため、公式問題の1線だけを通した配線は誤りです。
| 配線 | 変流器を通る電流 | 判断 |
|---|---|---|
| 警戒電路の全電線を通す | 正常な往復電流が相殺され、漏えい分を検出できる | 警戒電路方式の基本 |
| 警戒電路の1線だけを通す | 負荷電流が相殺されない | 誤り |
B種接地線は一律に「通さない」ではない
旧本文では「B種接地線を変流器へ通してはいけない」と一律に説明していました。しかし、消防法施行規則第24条の3は、変流器を警戒電路へ設ける方式だけでなく、B種接地線へ設ける方式も定めています。
したがって、配線図を見たら、先にどちらの方式かを確認します。
- 警戒電路方式:警戒電路の全電線を変流器へ通し、電流の差を検出する。
- B種接地線方式:変圧器のB種接地線に変流器を設け、その線に流れる漏えい電流を検出する。
公式公開問題は警戒電路方式の図です。その図に対して必要な指摘は「警戒電路の1線しか通っていない」であり、「B種接地線は絶対に通してはいけない」という一般化ではありません。
誤り2:受信機電源が電流制限器の二次側から分岐している
公式公開問題のもう1つの誤りは、受信機の電源を電流制限器の二次側から分岐している点です。公開解答は、電流制限器の一次側から分岐するよう求めています。
配線図では、電源側から負荷側へ線をたどり、電流制限器の前後を確認します。「一次側」は電源側、「二次側」は負荷側です。受信機への分岐点が電流制限器より負荷側にあれば、公式問題の指摘対象になります。
答案では「二次側から分岐している」だけで終えず、一次側から分岐していないため、一次側から分岐すると、誤りと訂正を対にして書くと要点が明確です。
配線図を読む5つの手順
- 電源側と負荷側を確認する:引込口、電流制限器、分電盤、負荷の順を追う。
- 方式を判定する:警戒電路方式か、B種接地線方式かを確認する。
- 変流器を通る線を数える:警戒電路方式なら全電線が通っているかを見る。
- 受信機電源の分岐点を見る:電流制限器の一次側か二次側かを確認する。
- 誤りと理由を分けて書く:「どこが誤りか」「なぜ誤りか」「どう直すか」を短文にする。
答案の組み立て方
誤り:警戒電路の1線しか変流器を通っていない。
理由:1線だけでは正常な負荷電流を相殺できず、漏えい電流だけを検出できない。
訂正:警戒電路の全電線を変流器へ通す。
鑑別等の前提になる構造・規格
配線図を読むには、漏電火災警報器の構造を現行規格で押さえる必要があります。
- 漏電火災警報器は、変流器と受信機で構成される。
- 対象となる警戒電路は、電圧600V以下である。
- 変流器は漏えい電流を検出し、受信機へ信号を送る。
- 受信機は赤色表示と音響信号により、関係者へ報知する。
- 音響装置は受信機を構成するもの、または受信機へ接続するものとして扱い、独立した第3の構成機器とは数えない。
構造、表示、集合型受信機、現在の公称作動電流値は、漏電火災警報器の構造と動作原理で確認してください。
旧規格値と点検値を混同しない
旧本文にあった公称作動電流値の段階表と作動条件は、旧規格由来の数値であり、現在の規格の説明には使用できません。現行規格では、公称作動電流値は200mA以下、感度調整装置の調整範囲の最大値は1A以下と定められています。
また、直流500Vの絶縁抵抗計で5MΩ以上という値は、変流器・受信機の製品規格上の絶縁抵抗試験です。設置後の定期点検で一律に用いる現場判定値ではありません。
定期点検の総合点検では、作動電流値を2~3回測定し、すべてが公称作動電流値または作動電流設定値に対して-60%から+10%の範囲か確認します。音響装置は、設置位置の中心から前面1mで70dB以上か確認します。製品規格と点検基準は分けて覚えてください。詳しくは漏電火災警報器の点検で整理しています。
オリジナル確認問題
以下は公式問題の転載ではなく、配線図を読むための確認問題です。
問1:変流器を通る電線
単相2線式の警戒電路で、2線のうち1線だけが変流器を通っています。誤りと理由を答えてください。
解答を見る
警戒電路の1線しか変流器を通っていない点が誤りです。1線だけでは正常な負荷電流を相殺できないため、2線とも変流器へ通します。
問2:受信機の電源
受信機の電源が電流制限器の負荷側から分岐されています。どのように訂正しますか。
解答を見る
電流制限器の二次側から分岐している点を改め、一次側から受信機の電源を分岐します。
問3:B種接地線方式
「B種接地線は、どのような方式でも変流器へ通してはならない」という説明は正しいですか。
解答を見る
正しくありません。消防法施行規則第24条の3には、警戒電路へ変流器を設ける方式のほか、B種接地線へ設ける方式があります。まず配線図がどちらの方式かを判定します。
旧本文で削除した誤解しやすい説明
| 旧説明 | 問題点 | 現在の整理 |
|---|---|---|
| 変流器・受信機・音響装置の3機器で構成 | 現行規格の定義と異なる | 構成機器は変流器と受信機 |
| B種接地線は必ず変流器を通さない | B種接地線方式を無視している | 方式を判定してから配線を読む |
| 公称作動電流値は5段階 | 旧規格値 | 現行規格は200mA以下、調整範囲の最大値1A以下 |
| 鑑別等は写真の名称当てが中心 | 公開例だけでは出題傾向を断定できない | 現在の公式例は誤配線図の読解 |
| 漢字・略語の部分点や採点方法 | 採点基準が非公開 | 公式用語で簡潔に答える |
受験前の確認リスト
- 公式公開問題の第7類の図を、自分で線を追いながら確認した。
- 警戒電路方式では、全電線を変流器へ通す理由を説明できる。
- 受信機電源を電流制限器の一次側から分岐すると説明できる。
- 警戒電路方式とB種接地線方式を区別できる。
- 構成機器は変流器と受信機であると説明できる。
- 警戒電路の電圧600V以下を確認した。
- 旧規格値、現行の製品規格値、定期点検値を区別できる。
まとめ
- 乙種第7類の実技は鑑別等5問で、現在の公式公開例は誤配線図の読解である。
- 警戒電路方式では、警戒電路の全電線を変流器へ通す。
- 受信機の電源は、電流制限器の一次側から分岐する。
- B種接地線を一律に変流器へ通さないのではなく、先に方式を判定する。
- 公式公開問題は過去問題の一部であり、頻出率・配点・部分点は推測しない。
関連する審査済み記事
参照した公式資料
- 消防試験研究センター「過去に出題された問題」
- 消防設備士試験・乙種の公式公開問題PDF
- 消防試験研究センター「試験科目及び問題数」
- 消防試験研究センター「試験の方法・試験時間・合格基準」
- e-Gov法令検索「消防法施行規則」(第24条の3)
- e-Gov法令検索「漏電火災警報器に係る技術上の規格を定める省令」
- 消防庁「別表第12 漏電火災警報器の点検の基準」
- 消防庁「第12 漏電火災警報器の点検要領」
公式公開問題、法令、点検基準は更新されることがあります。受験前や実務で使用する際は、リンク先の最新版を確認してください。
※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。図や画像だけで機器を判断せず、製品表示・取扱説明書・公式資料を確認してください。
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