甲種5類/乙種5類

【甲5】鑑別問題の攻略法|避難器具の見分け方と頻出パターン

結論から言います。

甲種5類の鑑別問題は、避難器具8種類の外観を見分け、名称・用途・構造上の特徴を正確に記述できるかが勝負です。特に緩降機・救助袋・避難はしごの3つは出題率が非常に高く、部品名称まで問われます。この記事では、試験で出る避難器具を「写真を見た瞬間に答えが出る」レベルまで整理します。

鑑別問題とは? ―― 甲5の実技試験の前半

甲種5類の実技試験は「鑑別」と「製図」の2パートです。鑑別は写真や図を見て、名称・用途・使い方などを記述式で答えます。

出題パターンは大きく3つです。

甲5 鑑別問題の出題パターン
避難器具の識別
写真から器具名を答える
種類・用途・適応階を説明
最頻出パターン
部品・構造の識別
緩降機の調速器・ロープ
救助袋の展張方法
はしごの横さん・縦棒
設置・操作方法
使用手順を説明
降下空間の確保
点検時のチェック項目

避難器具8種類 ―― 見分け方の決定版

避難器具の全体像と分類」で学んだ8種類を、鑑別の視点で整理します。写真で何を見れば種類を特定できるかに焦点を当てます。

緩降機(かんこうき)

マンションやビルのバルコニーに設置されていることが多い器具です。調速器(ちょうそくき)という円筒形のブレーキ装置にロープが巻かれており、ベルトを体に巻いて窓から降下します。調速器が自動的に速度を制御するので、訓練を受けていない人でも安全に降りられます。

[緩降機の全体写真:Gemini生成画像を挿入予定]
調速器(円筒形)・ロープ・着用具(ベルト)・取付具の構成

鑑別での見分けポイント:写真に円筒形の調速器が見えたら緩降機です。2本のロープが調速器から出ている「交互式」が最も一般的で、1人が降りると反対側のロープが上がってくる仕組みです。

緩降機の構成部品(頻出)
1. 調速器 ── 降下速度を自動制御するブレーキ装置(降下速度:16〜150cm/秒)
2. ロープ ── 調速器に巻かれた降下用のワイヤーロープ
3. 着用具(ベルト) ── 体に巻いて使うハーネス
4. 取付具 ── 壁面や窓枠に固定する金具

救助袋

布製の筒(シュート)の中を滑り降りる器具です。垂直式斜降式の2種類があります。

種類 外観 降り方
垂直式 真下に垂れ下がる布筒 らせん状に滑り降りる
斜降式 斜めに張られた布筒 すべり台のように降りる

鑑別での見分けポイント:布製の筒が見えたら救助袋です。真下にまっすぐ垂れていれば垂直式斜めに張り出していれば斜降式です。斜降式は地上で支柱やロープで角度を保つ必要があるため、展張に広いスペースが必要です。

避難はしご(4タイプ)

避難器具の中で最も設置数が多い器具です。マンションのバルコニーにある「避難ハッチ」を開けると出てくるのが、つり下げはしごの一種です。

タイプ 外観の特徴
固定はしご 壁面に常時取り付けられている金属製はしご
立てかけはしご 収納されており、使用時に壁に立てかける
つり下げはしご 窓枠等からつり下げて使用。ワイヤーロープ製
ハッチ用つり下げはしご 避難ハッチに内蔵。蓋を開けると自動展開

避難はしご・すべり台・その他の避難器具」で詳しく解説していますが、鑑別で特に注意すべきは横さん(ステップ部分)の間隔です。等間隔で25cm以上35cm以下と定められています。

すべり台

公園の遊具と同じ原理で、傾斜した金属板の上を滑り降ります。自分で体勢を制御する必要がないため、幼児・高齢者・障がい者の避難に最適です。保育園や幼稚園で多く見られます。

鑑別での見分けポイント:金属製の傾斜した板状の構造物。側面に手すりがある。避難器具の中で唯一「滑る面」が見えるのが特徴です。

その他4種類

器具名 見分けポイント
避難橋 建物間を結ぶ橋。隣の建物へ水平に移動する
避難ロープ 1本のロープ。自力で降りる必要があり、訓練が必要
避難タラップ 固定はしごに似るが、足場(踏み板)が広い
すべり棒 消防署でおなじみの垂直の棒。つかまって滑り降りる

鑑別で狙われる「部品名称」

器具全体ではなく、特定の部品をアップで見せて名称を答えさせる問題も頻出です。特に緩降機と救助袋の部品は必ず覚えましょう。

緩降機の部品

緩降機・救助袋の構造と機能」で学んだ内容から、鑑別で問われる部品です。

部品名 特徴・役割
調速器 円筒形のブレーキ装置。降下速度を16〜150cm/秒に制御
着用具(ベルト) 体に巻くハーネス。ロープの先端に取り付けられている
取付具 壁面・窓枠に固定する金属金具。アンカーボルトで固定
リール(巻取器) ロープを巻き取って収納する装置

救助袋の部品

部品名 特徴・役割
袋本体 布製のシュート。内部をらせん状(垂直式)or 直線状(斜降式)に降下
取付枠 窓や開口部に固定する金属枠。袋の入口を保持する
誘導綱(展張ロープ) 地上から引いて袋を展開する。斜降式では角度の調整にも使う

頻出パターン5選

パターン1:避難器具の写真から名称と用途を答える

最も基本的なパターンです。器具全体の写真を見て「名称」「用途」「適応する階」を答えます。

覚えるべき適応の目安:

  • すべり台 → 全ての階に適応。幼児・高齢者向き
  • 避難はしご → 全ての階に適応(ただし高層階では使いにくい)
  • 緩降機 → 全ての階に適応。ただし1人ずつしか降りられない
  • 救助袋 → 全ての階に適応。多人数の避難に適する
  • 避難ロープ → 2〜3階限定。体力が必要
  • すべり棒 → 1〜2階。消防署のイメージ

パターン2:緩降機の部品の名称を答える

緩降機の写真に矢印が引かれ、各部品の名称を答える問題です。調速器・ロープ・着用具(ベルト)・取付具の4つは必ず答えられるようにしましょう。

特に「調速器の役割を述べよ」と問われたら、「降下速度を自動的に制御する装置で、降下速度を毎秒16cm〜150cmの範囲に保つ」と答えます。

パターン3:救助袋の垂直式と斜降式の違いを答える

2枚の写真を並べて「それぞれの名称と違いを答えよ」と問う問題です。

解答のポイント
垂直式:袋が建物の壁面に沿って真下に垂れ下がる。内部をらせん状に滑り降りるため、降下速度が自動的に制御される。設置スペースが少なくて済む。
斜降式:袋が斜めに張り出している。すべり台のように直線的に滑り降りる。地上で展張するスペースが必要。恐怖感が少ないため利用しやすい。

パターン4:避難はしごの横さん間隔を答える

避難はしごの写真を見て、「横さんの間隔の基準を答えよ」と問われます。答えは等間隔で25cm以上35cm以下です。

「なぜこの数値なのか」も聞かれることがあります。25cm未満だと足が入りにくく、35cmを超えると足を踏み外す危険性が高くなるためです。

パターン5:降下空間の確保について答える

降下空間とは、避難器具を使って降下する際に必要な障害物のない空間です。器具ごとに必要な降下空間が定められています。

鑑別では「降下空間とは何か説明せよ」と問われるので、「避難器具の使用時に、器具の周囲に確保すべき障害物のない空間のこと。降下中に建物の突起物やひさしに接触する事故を防ぐために必要」と答えます。

詳しくは「避難器具の設置場所と降下空間」をご覧ください。

理解度チェック ―― 練習問題5問

本番形式の問題で得点力を確認しましょう。すべてオリジナル問題です。

問題1

写真の避難器具の名称を答えなさい。この器具は布製の筒状で、建物の壁面に沿って真下に垂れ下がっており、内部をらせん状に滑り降りる構造になっている。

解答を見る

正解:救助袋(垂直式)
布製の筒状で真下に垂れ下がっている → 垂直式の救助袋です。内部はらせん状の構造になっており、降下速度が自動的に制御されます。斜降式と違い、建物の壁面に沿って垂直に設置するため省スペースですが、入口から下が見えないため心理的な抵抗感がやや大きい器具です。

問題2

緩降機の写真において、円筒形の装置(ア)の名称を答えなさい。また、この装置の役割と、降下速度の基準値を述べなさい。

解答を見る

正解:(ア)調速器
役割:降下者の降下速度を自動的に制御するブレーキ装置です。内部の遠心ブレーキ機構により、体重に関係なく一定の速度で安全に降下できます。
降下速度の基準:毎秒16cm以上150cm以下と定められています。16cm/秒未満だと降下に時間がかかりすぎ、150cm/秒を超えると着地時に危険なためです。

問題3

避難はしごの横さん(ステップ部分)の間隔について、施行規則で定められている基準値を答えなさい。また、その数値が定められている理由を簡潔に述べなさい。

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正解:等間隔で25cm以上35cm以下
理由:25cm未満では足を入れるスペースが狭すぎて昇降しにくく、35cmを超えると足を踏み外す危険性が高くなります。火災時のパニック状態でも安全に使用できるよう、この範囲に定められています。

問題4

避難器具のうち、自力で降りる体力が必要なため使用できる階が制限されている器具の名称を答えなさい。また、この器具が適応する階を述べなさい。

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正解:避難ロープ
避難ロープは1本のロープをつたって自力で降下する器具です。相当な腕力と体力が必要なため、2階および3階にのみ適応が認められています。高層階からの使用は体力的に困難で危険なため、適応階が厳しく制限されています。同様にすべり棒も体力を要するため、低層階に限定されています。

問題5

幼稚園(2階建て)に設置する避難器具として最も適切なものを1つ挙げ、その理由を述べなさい。

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正解:すべり台
理由:すべり台は避難器具の中で唯一、利用者が自分で体勢を制御する必要がない器具です。座って滑るだけで地上に到達できるため、幼児や体力のない人でも安全に使用できます。幼稚園・保育園・福祉施設など、自力避難が困難な人が利用する施設には、すべり台が最も適しています。緩降機はベルトの装着が必要で幼児には難しく、避難はしごも手足でしっかり掴む必要があるため、幼児向きではありません。

まとめ

甲種5類の鑑別問題のポイントを整理します。

カテゴリ 押さえるべき内容
器具の識別 8種類の外観の違い。特に緩降機・救助袋・避難はしご
緩降機の部品 調速器・ロープ・着用具・取付具。降下速度16〜150cm/秒
救助袋の種類 垂直式(らせん降下)と斜降式(直線降下)の違い
はしごの基準 横さん間隔25cm以上35cm以下。4タイプの違い
適応の特徴 すべり台=幼児向き、避難ロープ=2〜3階限定

避難器具は8種類と数が多いですが、外観の違いがはっきりしているため、一度覚えれば混同しにくい分野です。特に緩降機の調速器と救助袋の垂直式/斜降式は必ず出るので、確実に得点源にしましょう。

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