甲種3類/乙種3類

甲種3類・乙種3類の鑑別等対策|写真・配管図の読み方

消防設備士第3類の鑑別等では、写真だけでなく、イラストや配管図を見て、機器の名称、設備の方式、配管形式、役割や理由などを記述します。見た目の丸暗記だけでは、写真の角度や図の表現が変わったときに判断できません。

対策の軸は、設備の方式を決める → 消火剤の流れを追う → 機器の位置と接続を見る → 役割を短文で書くの4段階です。この記事では甲種3類を中心に、乙種3類にも共通する読み方と、現在の公式公開問題から分かる練習方向を整理します。

甲3と乙3の鑑別等は「同じ問題」ではありません
どちらも鑑別等は5問ですが、現在の公式公開例は異なります。甲種第3類は機器写真から名称と方式を答える問題、乙種第3類は粉末消火設備の配管図から形式と理由を答える問題です。写真対策と図面対策の両方が必要です。

甲種3類・乙種3類の実技試験

消防試験研究センターの案内では、甲種第3類の実技は鑑別等5問・製図2問、乙種第3類の実技は鑑別等5問です。筆記は四肢択一式ですが、実技は写真・イラスト・図面等による記述式です。

区分 実技 学習上の重点
甲種3類 鑑別等5問・製図2問 機器・方式・配管の読み取りに加え、製図も別に対策する
乙種3類 鑑別等5問 機器写真だけに限定せず、配管図と理由説明も練習する

合格基準は、実技で60%以上です。ただし、消防試験研究センターは設問ごとの配点や採点語句を公表していません。「この語を書けば必ず部分点」といった非公式な断定は避け、設問が求める名称・方式・役割を過不足なく書く練習をします。試験科目は試験科目及び問題数、方式と基準は試験の方法で確認できます。

現在の公式公開問題から分かること

甲種第3類|機器写真と設備方式を結びつける

現在の甲種公式公開問題では、二酸化炭素を放射する不活性ガス消火設備の写真を見て、矢印で示された機器の名称と設備の方式を答えます。公開解答はノズル開閉弁移動式です。

ここで必要なのは部品名だけではありません。ホース先端の放射用器具、手元で開閉する弁、固定配管ではなく人が操作して放射する構成を一つのまとまりとして読むことです。写真の色やメーカー形状ではなく、どこにつながり、誰が、何のために操作するかを根拠にします。

乙種第3類|配管形式と採用理由を説明する

現在の乙種公式公開問題では、粉末消火設備の全域放出方式について、区画内の配管構成の形式と、その形式にする理由を答えます。公開解答はトーナメント形式。理由は、消火剤と放出用ガスの分離を防ぐため、またはヘッドからの放射圧を均一にするため、と示されています。

この例から、乙種の鑑別等も写真で部品名を答えるだけではないと分かります。配管の分岐が左右対称に近く、各ヘッドまでの条件をそろえる構成を読み、名称と機能を文章で結びつける必要があります。

公開問題は出題例の一部
公式ページは、掲載問題を知識・技能の目安として公開しており、問題の著作権も明示しています。本記事では問題の写真や図を転載していません。実物は消防試験研究センター「過去に出題された問題」から確認してください。

鑑別等を解く5段階

1|何を答える設問か分解する

最初に、解答欄ごとに要求を分けます。「名称」「設備の方式」「配管形式」「用途」「理由」は別の問いです。名称だけ合っていても、方式や理由が空欄なら設問を満たしません。

  • 名称:部品・機器・形式の正式な呼び方
  • 方式:全域放出方式、局所放出方式、移動式など
  • 位置:貯蔵容器側、分岐部、区画内、ホース先端など
  • 役割:何を開閉・選択・警報・調整・除去するか
  • 理由:なぜその構成や装置が必要か

2|設備と放出方式を先に決める

写真や図に、消火剤名、設備名、防護区画、ホース、固定ヘッド、貯蔵容器などの手掛かりがないか探します。方式が決まると、候補部品を大きく絞れます。

手掛かり まず考えること
防護区画内の固定ヘッドへ配管 全域放出方式または局所放出方式か、図の放射範囲を確認
ホースと手持ちノズル 移動式の構成と操作部を確認
複数区画への分岐 どの区画へ送るか選ぶ弁と、区画ごとの配管を確認
粉末貯蔵容器と加圧用ガス 加圧、圧力調整、放出後の配管清掃に関わる機器を確認

3|消火剤の流れを上流から追う

系統図では、貯蔵側から放出口まで指で追います。基本的な候補は、貯蔵容器、容器弁、集合管、選択弁、配管、噴射ヘッドまたはホース・ノズルです。ただし、すべての設備に同じ機器が同じ順序で付くわけではありません。方式と区画数を見て判断します。

「形が弁に見える」だけでは容器弁と選択弁を区別できません。貯蔵容器に直接付いていれば容器弁の候補、共通配管から防護区画別に分かれる位置なら選択弁の候補です。形状より接続位置を優先すると誤認が減ります。

4|名称と役割を一対で覚える

部品カードを作るなら、表面を写真だけにせず、裏面に「名称・位置・役割・使われる条件」を書きます。次の表は、読み取りのための基本整理です。実際の設備構成は方式や仕様で異なるため、法令と教材の図で確認してください。

名称 位置の手掛かり 役割を説明する軸
貯蔵容器 設備の上流側 消火剤を所定の状態で貯蔵する
容器弁 貯蔵容器に取り付く 容器から消火剤を放出する経路を開く
選択弁 共通部から区画別配管へ分かれる位置 消火剤を放出する防護区画を選択する
噴射ヘッド 固定配管の末端 消火剤を防護区画または防護対象へ放射する
ノズル開閉弁 移動式のホース先端側 使用者がノズルからの放射を開閉する
音響警報装置 防護区画や関係場所 消火剤放出に関する警報を発する
定圧作動装置 粉末設備の加圧・放出系統 貯蔵容器内が所定圧力に達した後の放出動作に関係する
クリーニング装置 粉末設備の配管系統 放出後に配管内の残留粉末を除去する

5|解答を「対象+動作+目的」で書く

用途や理由は、単語を並べるより、主語と動作を入れた短文にします。たとえば選択弁なら「複数の防護区画のうち、消火剤を放出する区画を選択するため」のように、何をどうする機器かを明確にします。

一方で、設問が名称だけを求めるなら説明を追加する必要はありません。最初に分解した要求に合わせ、解答欄の大きさも見ながら簡潔に書きます。

設備別に確認するポイント

不活性ガス消火設備

不活性ガス消火設備の構造と機能」で、消火剤、貯蔵方式、放出方式、安全措置を条件別に確認します。特に二酸化炭素設備は人命安全に関わるため、閉止弁などの機器を単独で暗記せず、どの設備・方式・場所に関する規定かを条文と図で確認してください。

鑑別では、固定式の噴射ヘッドと移動式のホース・ノズル、容器弁とノズル開閉弁を混同しないことが重要です。写真全体から方式を判断してから、矢印部分の名称を決めます。

ハロゲン化物消火設備

ハロゲン化物消火設備の構造と機能」で、消火剤名、貯蔵、起動、放出、法令上の扱いを確認します。容器の色、メーカー名、外観だけで断定せず、銘板、配管、設問文に示された消火剤や方式を根拠にします。

粉末消火設備

粉末消火設備の構造と機能」で、貯蔵容器、加圧用または蓄圧用ガス、圧力調整器、定圧作動装置、クリーニング装置、配管、噴射ヘッドの関係を確認します。

粉末は固体粒子をガスとともに送るため、配管の分岐や放射条件を図で理解することが大切です。公式乙種公開問題のトーナメント形式は、名称だけでなく、消火剤と放出用ガスの分離防止や放射圧の均一化という理由まで結びつけます。

鑑別等と法令・点検をつなげる

機器の用途は、構造の記事だけでなく、法令と点検の記事を読むと定着します。

たとえば選択弁なら、図中の位置だけでなく、点検で開閉状態や機能を確認する理由を考えます。ノズル開閉弁なら、移動式設備で使用者が放射を操作する場面まで想像します。名称を作業と結びつけると、写真が変わっても答えやすくなります。

オリジナル確認問題

以下は読み方を練習するためのオリジナル問題で、公式問題の再現ではありません。文章から位置・接続・役割を拾って答えてください。

問題1

二酸化炭素を放射する設備で、ホース先端のノズルに使用者が手元で放射を開閉する弁が付いている。弁の名称と設備の方式を答えなさい。

解答例

名称:ノズル開閉弁
方式:移動式

問題2

複数の防護区画で貯蔵容器を共用し、共通配管から各区画へ分岐する位置に、放出先を切り替える弁がある。この弁の名称と役割を答えなさい。

解答例

名称:選択弁
役割:複数の防護区画のうち、消火剤を放出する区画を選択する。

問題3

粉末消火設備の区画内配管が左右対称に近い分岐を繰り返し、各ヘッドまでの配管条件をそろえる構成になっている。配管形式の名称と、その構成にする目的を答えなさい。

解答例

名称:トーナメント形式
目的:消火剤と放出用ガスの分離を防ぐ、または各ヘッドからの放射圧を均一にする。

問題4

粉末消火設備で、消火剤放出後にガスを流し、配管内に残った粉末を除去する装置の名称と役割を答えなさい。

解答例

名称:クリーニング装置
役割:放出後、配管内に残留した粉末を除去する。

問題5

写真に弁が写っているが、形状だけでは容器弁か選択弁か判断できない。図または写真全体のどこを確認すべきか、2点答えなさい。

解答例

貯蔵容器に直接取り付いているか、共通配管から防護区画別に分岐する位置にあるかを確認する。接続先と配管上の位置を根拠に判断する。

誤答を減らすチェックリスト

  • 写真だけでなく、設問文の消火剤名と方式を読んだか。
  • 矢印が本体・弁・配管・操作部のどこを指すか確認したか。
  • 容器側から放出口まで流れを追ったか。
  • 機器の形状だけでなく、接続位置と役割を根拠にしたか。
  • 名称、方式、用途、理由のうち、求められた項目をすべて書いたか。
  • 単位や設備名を省略して意味が変わっていないか。
  • 「頻出だから」ではなく、法令・構造・点検の理解で説明できるか。

甲種3類は製図を別に仕上げる

甲種3類は鑑別等5問に加えて製図2問があります。鑑別等だけで実技対策は完了しません。「ガス系消火設備の製図対策」で、平面図・系統図の条件整理、必要量計算、設問文と図面の照合を練習してください。

甲種全体の学習順は「甲種3類ロードマップ」、乙種全体の学習順は「乙種3類ロードマップ」にまとめています。

まとめ

第3類の鑑別等は、写真の部品名暗記だけではありません。現在の公式公開例でも、甲種はノズル開閉弁と移動式の結びつき、乙種は粉末設備のトーナメント配管と採用理由が問われています。

設問の要求を分け、設備方式を決め、消火剤の流れを追い、機器の接続位置と役割から名称を判断してください。最後に「対象+動作+目的」の短文で説明できるようにすれば、写真・イラスト・配管図のいずれにも対応しやすくなります。

公式情報

※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。図や画像だけで機器を判断せず、製品表示・取扱説明書・公式資料を確認してください。

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