漏電火災警報器の点検・整備 ── 結論から言います
漏電火災警報器は設置して終わりではありません。定期的に「ちゃんと漏電を検知できるか」を確認する必要があります。
点検・整備で押さえるべき内容は大きく3つです。
外観点検 ── まず目で見る
外観点検は、機器に異常がないかを目視で確認する作業です。
変流器(ZCT)の外観点検
- 損傷・腐食がないか
- 取り付けがしっかり固定されているか
- 貫通している電線に損傷・劣化がないか
- 分割型の場合、合わせ面に隙間やゴミがないか
受信機の外観点検
- 電源灯が正常に点灯しているか
- 外箱に損傷・腐食・変形がないか
- スイッチ類が正常な位置にあるか
- 設置場所の周囲に点検の障害物がないか
音響装置の外観点検
- 損傷・腐食がないか
- 取り付けがしっかり固定されているか
機能点検 ── 実際に動かして確認する
外観に問題がなくても、正しく動作するかは実際に試してみないとわかりません。機能点検では4種類の試験を行います。
①作動試験
漏電火災警報器が正しく漏電を検知して警報を鳴らすかを確認する、最も重要な試験です。
(試験用の端子を使用)
(作動表示が出るか)
(ベル・ブザーの音が出るか)
確認する数値
- 感度電流:公称作動電流値の50%以上100%以下で作動すること
- 作動時間:公称作動電流の130%の電流で0.3秒以内に作動すること
- 不作動電流:公称作動電流値の50%未満では作動しないこと
②絶縁抵抗試験
電気配線の絶縁状態を確認する試験です。絶縁抵抗計(メガー)を使います。
絶縁抵抗が低下しているということは、電気が本来流れてはいけない場所に漏れやすくなっているということ。5MΩ未満なら整備(修理・交換)が必要です。
③接地抵抗試験
受信機の接地(アース)が正しく機能しているかを確認する試験です。接地抵抗計を使います。
- 測定箇所:受信機の接地端子と大地の間
- 判定基準:D種接地工事 ── 100Ω以下
接地が不十分だと、漏電時に電流が大地に流れにくくなり、ZCTの検出精度に影響する可能性があります。
④音響装置の試験
- 受信機の試験スイッチを操作して音響装置が鳴動するか確認
- 音が明瞭に聞こえるか(1mで70dB以上)
点検の頻度
漏電火災警報器の点検頻度は、消防用設備等の点検報告制度に従います。
- 機器点検:6か月に1回(外観+機能の確認)
- 総合点検:1年に1回(実際に作動させて総合的に確認)
- 報告:特定防火対象物は1年に1回、非特定は3年に1回消防長等に報告
整備 ── 不良箇所の対応
点検で異常が見つかった場合の対応です。
よくある不良と対応
乙種7類の整備範囲
ここで重要なポイントがあります。乙種7類の消防設備士は「整備」はできますが「工事」はできません。
漏電火災警報器の工事には電気工事士の資格が必要です。なぜなら、漏電火災警報器は強電(100V/200V)の電路に直接関わる設備だから。消防設備士の免状だけでは工事はできない ── これは乙7の試験でも出題されるポイントです。
まとめ問題
第1問
漏電火災警報器の作動試験で確認する内容として、誤っているものはどれか。
(1)感度電流が公称作動電流値の50%以上100%以下であること
(2)公称作動電流の130%で0.3秒以内に作動すること
(3)公称作動電流値の50%未満では作動しないこと
(4)公称作動電流の200%で0.1秒以内に作動すること
第2問
漏電火災警報器の絶縁抵抗試験について、正しいものはどれか。
(1)受信機の絶縁抵抗は1MΩ以上であること
(2)受信機の絶縁抵抗は5MΩ以上であること
(3)絶縁抵抗計は100Vのものを使用する
(4)変流器の絶縁抵抗は測定不要である
第3問
乙種7類の消防設備士ができる業務として、正しいものはどれか。
(1)漏電火災警報器の新規設置工事
(2)漏電火災警報器の点検と整備
(3)漏電火災警報器の配線工事
(4)漏電火災警報器の接地工事
第4問
漏電火災警報器の接地抵抗試験について、正しいものはどれか。
(1)C種接地工事で接地抵抗は10Ω以下であること
(2)D種接地工事で接地抵抗は100Ω以下であること
(3)接地抵抗計ではなく回路計で測定する
(4)接地抵抗試験は外観点検で行う