消防設備士、全部取るならこの順番
消防設備士の免状は全部で8種類あります(甲種5つ+乙種6類・7類+甲種特類)。
「どれから取ればいいの?」「次はどの類を受ければいい?」――そんな疑問に答えるのがこの記事です。知識の流用がしやすい順番で並べたので、最短ルートで全制覇を目指しましょう。
全類制覇にかかる期間の目安
1類あたりの勉強時間:40〜100時間(類により異なる)
受験ペース:2〜3か月に1類が現実的
全8類+特類の制覇目安:約2〜3年
科目免除を活用すれば、2類目以降は法令共通をスキップでき加速します
消防設備士の全類一覧
まず、各類が「何の設備を扱うか」を整理しておきます。
ポイントは「甲種を取れば、同じ類の乙種は不要」ということ。つまり全制覇の最短ルートは甲種5つ+乙6+乙7+甲種特類=8免状です。
甲種には受験資格が必要
ただし、甲種には受験資格があります。誰でも受けられるわけではありません。主な要件は次のとおりです。
- 学歴 ── 大学・短大・高専・専門学校等で理工系(機械・電気・建築・土木など)の学科を修了
- 資格 ── 電気工事士(第1種 or 第2種)、電気主任技術者、技術士、建築士など
- 実務経験 ── 乙種消防設備士の免状取得後、2年以上の実務経験
よくあるパターンは「電気工事士(第2種)を先に取って甲種の受験資格にする」か「理系の学校を出ている」のどちらかです。
※詳しい受験資格は消防試験研究センターの公式サイトで確認してください。
受験資格がない場合は乙種から
甲種の受験資格がなくても、乙種は誰でも受験できます。乙種1〜5類は甲種と試験範囲が同じで、違いは製図試験がないだけです。
「まず乙種で合格 → 実務経験2年 → 甲種にステップアップ」という流れも王道ルートの一つです。工事をせず点検・整備だけ行う人は、乙種だけでも十分実務に対応できます。
各類の乙種ロードマップはこちらです。
乙種1類 / 乙種2類 / 乙種3類 / 乙種4類 / 乙種5類
おすすめの受験順序
なぜこの順番なのか?
この順番には「前の類の知識を、次の類でそのまま使える」という原則があります。一つずつ理由を見ていきましょう。
① 乙6(消火器)が入門に最適な理由
消防設備士を初めて受ける人に乙6をすすめる理由は3つあります。
- 身近な設備 ── 消火器は誰でも見たことがある。イメージが湧きやすい
- 試験範囲が狭い ── 消火器だけに集中すればいいので、勉強量が比較的少ない
- 法令共通を学べる ── ここで覚えた消防法の基礎知識は、全類で使い回せる
乙6で「消防設備士の試験ってこういう感じか」と掴めれば、次の類がずっとラクになります。
② 甲4(自火報)を2番目に受ける理由
- 法令共通を引き継げる ── 乙6で学んだ消防法の知識がそのまま使える
- 求人需要がNo.1 ── 甲種4類は消防設備業界で最も需要の高い資格
- 電気の基礎が身につく ── ここで学ぶオームの法則・電磁気の知識は、乙7にも直結する
③ 乙7(漏電火災警報器)を3番目に受ける理由
- 甲4の電気知識がそのまま使える ── 漏電火災警報器は電気設備なので、甲4で学んだ回路・電磁気の知識がそのまま活きる
- 試験範囲が最も狭い ── 対象設備が漏電火災警報器1つだけ。甲4の知識がある状態なら、短期間で合格を狙える
- 甲4の記憶が温かいうちに ── 電気の公式や用語は時間が経つと忘れる。甲4の直後がベストタイミング
④ 甲1(屋内消火栓・スプリンクラー等)を次に受ける理由
- 実務需要がNo.1 ── ビル管理・消防点検の現場で最も使う資格
- 水系設備の土台になる ── ポンプ・配管・水源の知識は、次の甲2(泡消火設備)にそのまま流用できる
- ボリュームが最大 ── 対象設備が5つ(屋内消火栓・スプリンクラー・水噴霧・屋外消火栓・動力消防ポンプ)あるので、体力と集中力のあるうちに
⑤ 甲2(泡消火設備)を甲1の直後に受ける理由
- 甲1の水系知識がベース ── 泡消火設備は「水+泡」の設備。ポンプや配管の知識は甲1と共通
- 差分を学ぶだけ ── 甲1との違いは泡の混合方式と泡ヘッドくらい。追加で覚える量が少ない
⑥ 甲3(不活性ガス・粉末消火設備等)
- 独立した分野 ── ガス系消火設備は水系とも電気系とも違う。どのタイミングで学んでもOKだが、ここまでに試験慣れしているのでスムーズに取り組める
- 対象設備の構造が似ている ── 不活性ガス・ハロゲン化物・粉末は「ガスを放出して消火する」という共通点があり、まとめて学びやすい
⑦ 甲5(避難器具)
- 消火・警報とは毛色が違う ── 避難はしご・救助袋・緩降機(かんこうき)など、機械的な設備が中心。他の類との知識の重なりが少ないので、最後に回してOK
- 機械の基礎知識が活きる ── 乙6で学んだ力のモーメント・材料の知識がここでも役立つ
⑧ 甲種特類(ラスボス)
- 受験資格が必要 ── 甲1〜3のいずれか+甲4+甲5の3免状が受験条件。①〜⑦をクリアしていれば自動的に受験資格を満たす
- 出題が特殊 ── 実技試験がなく、筆記のみ。「工事設備対象設備等の構造・機能・工事・整備」「火災及び防火」「消防関係法令」の3科目
甲4(中級):電気の計算と製図が加わる。1〜2か月
甲1(中〜上級):水力計算と配管の製図。2か月
甲2・甲3:甲1と知識が重なるため効率よく取れる
甲5:範囲が狭く比較的楽。1か月弱
乙7:電気の知識があれば最短。科目免除が強い
甲種特類:全類の知識を統合。最後に挑戦
全制覇の見取り図
大事なのは「前の類で学んだ知識を、次の類でフル活用する」こと。この順番で進めば、毎回ゼロから勉強し直す必要がありません。
当サイトでも、この順番で各類の解説記事を充実させていきます。まずは乙種6類のロードマップから始めてみてください。
通信講座で効率よく合格を目指す
独学が不安な方は通信講座も選択肢です。法令・構造・実技をプロの講師が体系的にカバーしてくれます。
SAT 消防設備士講座 →
JTEX 通信教育 →![]()
資格の学校TACで学ぶ
大手資格予備校TACの消防設備士講座。実績豊富なカリキュラムで効率よく合格を目指せます。
TACの消防設備士講座を見てみる →
試験対策・キャリア情報
- 消火設備の種類一覧|スプリンクラー・消火栓・ガス消火の違いをわかりやすく解説
- 消防設備士試験に不合格…再受験で合格するための戦略
- 消防設備士試験の電子申請ガイド|準備物・手順・トラブル対処法まで
- 消防設備士よくある質問FAQ|試験・勉強・年収・キャリアまで20問
- 消防設備士の勉強に使えるアプリ・Webサービス|スキマ時間活用術
- 消防設備士試験のひっかけパターン集|よくある間違い17選
- 消防設備士試験 直前チェックリスト|1週間前〜当日の完全ガイド
- 消防点検とは?頻度・費用・届出義務をわかりやすくまとめ
- 消防設備士の工具・持ち物リスト|現場で必要な道具を完全網羅
- 消防設備業界の会社の種類|点検会社・施工会社・メーカーの違いを比較
※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。
内容の誤りやお気づきの点がございましたら、お問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。正確な情報をお届けできるよう、随時修正してまいります。