甲種3類/乙種3類

【甲3】鑑別問題の攻略法|ガス系設備の部品の見分け方と頻出パターン

結論から言います。

甲種3類の鑑別問題は、ガス系消火設備に使われる部品・機器の名称と用途を正確に答えられるかが勝負です。不活性ガス・ハロゲン化物・粉末の3設備に共通する部品もあれば、特定の設備にしかない部品もあります。この記事では、試験で出題される部品を「共通部品」と「設備固有の部品」に分けて整理し、写真を見た瞬間に名称が出てくるレベルまで仕上げます。

この記事は乙種3類の鑑別対策としてもそのまま使えます。乙3の鑑別で出題される部品・機器は甲3と同じです。乙3の全体的な学習計画は「【乙種3類】ロードマップ」をご覧ください。

鑑別問題とは? ―― 甲3の実技試験の前半

甲種3類の実技試験は「鑑別」と「製図」の2パートに分かれています。鑑別は写真や図を見て、名称・用途・操作方法などを記述する問題です。

鑑別で出題される内容は大きく3つに分けられます。

甲3 鑑別問題の出題パターン
部品・機器の識別
写真を見て名称を答える
用途や機能を説明する
最も出題頻度が高い
系統図の読み取り
系統図中の機器名称
接続関係を問われる
図記号の知識も必要
工具・計測器
点検で使う工具の名称
使用場面を答える
他の類と共通するものも
鑑別の時間配分
甲3の実技試験は鑑別5問+製図2問。時間配分の目安は鑑別に20〜25分、製図に35〜40分です。鑑別は「知っていれば即答」できるので、部品名と用途をしっかり覚えておけば短時間で確実に得点できます。迷った問題は飛ばして製図に時間を回すのも有効な戦略です。

ガス系3設備に共通する部品

不活性ガス・ハロゲン化物・粉末の3設備で共通して使われる部品から押さえましょう。これらはどの設備の系統図にも登場するので、最優先で覚えるべき部品です。

貯蔵容器(ちょぞうようき)

消火剤を貯蔵するボンベです。高圧ガスが封入されているため、耐圧試験に合格した強靭な金属製の容器が使われます。

現場で見ると、機械室や専用の容器室に数本〜数十本のボンベが整然と並んでいる光景が印象的です。1本の高さは約1.5m、重量は充てん状態で50〜80kgにもなります。

鑑別ポイント
試験では「この容器に貯蔵されている消火剤は何か」と問われることがあります。容器のがヒントになります。CO₂は緑色、窒素は灰色、粉末の加圧用ガス容器も灰色です。ただし、消火設備の貯蔵容器は高圧ガス保安法の色分けとは別に表示ラベルで判断するのが確実です。

容器弁(ようきべん)

貯蔵容器の上部に取り付けられた弁です。起動装置からの信号を受けて開放し、消火剤を配管に送り出します。

容器弁には安全装置として破壊板(ラプチャーディスク)が内蔵されています。異常な圧力上昇があった場合に破壊板が破れて圧力を逃がし、容器の破裂を防ぎます。

選択弁(せんたくべん)

複数の防護区画がある場合に、どの区画に消火剤を放出するかを選ぶ弁です。

たとえば、サーバールームA・B・Cの3部屋を1セットの貯蔵容器で守っている場合、火災が発生した部屋の選択弁だけが開いて、その部屋にだけ消火剤が放出されます。「ガス系消火設備の全体像」でも紹介した、ガス系設備の効率化に欠かせない部品です。

選択弁の文字図解(鑑別頻出)
外観:黒〜銀色の金属製ボディ/操作ハンドル(手動用・赤レバー)電磁弁(自動用・コイル付ソレノイド)が併設/呼び径25A〜50Aの配管に挟むフランジ式/側面に「選択弁」「区画名(A室/B室など)」の銘板
設置位置:主配管から防護区画別に分岐する直前。容器弁(貯蔵容器側)と噴射ヘッド(区画側)の中間に来る点が試験頻出。
役割:起動用ガスにより該当区画の選択弁だけを開放し、他の区画には消火剤を放出させない切替バルブ。「動作タイムライン(後述)の26秒の動き」と紐づけて覚える。

起動装置(きどうそうち)

消火設備を手動で起動するための装置です。壁面に設置された赤い押しボタン箱が一般的で、ボタンを押すと起動用ガス容器が開放され、連動して貯蔵容器の容器弁が開きます。

自動起動の場合は感知器→受信機→起動用ガス容器→容器弁開放という流れで作動します。

噴射ヘッド(ふんしゃヘッド)

防護区画の天井や壁に設置され、消火剤を放出する出口です。ガスの場合は小さな穴が複数開いたノズル型、粉末の場合はやや大きめの放出口が特徴です。

音響警報装置(おんきょうけいほうそうち)

消火剤の放出前に「退避してください」と警報を鳴らす装置です。特にCO₂消火設備では、高濃度のCO₂を吸うと人体に危険なため、放出前の警報と退避確認が法令で義務付けられています。

実際の現場では、音声警報(「消火剤が放出されます。直ちに退避してください」)と、赤色の表示灯の点滅が同時に作動します。

不活性ガス消火設備に固有の部品

不活性ガス消火設備の構造と機能」で学んだ内容の中から、鑑別で特に出題される部品を整理します。

閉止弁(へいしべん)

CO₂消火設備の防護区画出入口付近に設置される弁で、人が中にいる場合にCO₂の放出を止めるための安全装置です。

CO₂は高濃度で人体に致命的なため、閉止弁の設置は法令上の義務です。「人がいるかもしれない場所でCO₂を放出して事故が起きる」のを防ぐ最後の砦です。

頻出ポイント:閉止弁はCO₂だけ
閉止弁が必要なのはCO₂消火設備のみです。窒素・IG-55・IG-541は人体への危険性がCO₂より低いため、閉止弁の設置義務はありません。これは鑑別でも筆記でもよく出題されるポイントです。

低圧式の液面計・圧力計

低圧式CO₂消火設備の貯蔵タンクには、液面計(消火剤の残量確認用)と圧力計(タンク内圧力の確認用)が取り付けられています。低圧式は-18℃以下で冷却貯蔵するため、冷凍機の故障で温度が上がると圧力が異常上昇します。

鑑別では「この計器の名称と用途を答えよ」という形で出題されることがあります。

ダンパー(圧力調整装置)

防護区画の開口部(給排気口など)を、消火剤放出時に自動で閉鎖する装置です。ガスが区画外に漏れるのを防ぎ、消火に必要な濃度を維持します。

ハロゲン化物消火設備に固有の部品

ハロゲン化物消火設備の構造と機能」で学んだ内容から、鑑別で問われやすい部品です。

蓄圧式容器と加圧式容器の違い

ハロゲン化物消火設備の貯蔵容器には、蓄圧式加圧式があります。

方式 仕組み 対応薬剤
蓄圧式 消火剤と加圧用N₂を同じ容器に封入 HFC-23
HFC-227ea
加圧式 消火剤と加圧用ガスを別々の容器に貯蔵 FK-5-1-12

鑑別では、容器に取り付けられた圧力計の有無で蓄圧式と加圧式を見分ける問題が出ることがあります。蓄圧式には圧力計が付いています。

粉末消火設備に固有の部品

粉末消火設備の構造と機能」で学んだ内容から、鑑別で問われやすい部品です。粉末は他のガス系2設備にはない独自の部品が多いので要注意です。

定圧作動装置(ていあつさどうそうち)

粉末消火設備で最も特徴的な部品です。配管内の圧力を一定に保ちながら粉末を噴射する装置で、圧力が下がると自動的にガスを補充し、圧力が上がりすぎると逃がします。

なぜ必要かというと、粉末は固体なので配管の中で詰まりやすく、圧力が不安定になりがちです。定圧作動装置がなければ、噴射ヘッドごとに放出量がバラバラになってしまいます。

鑑別ポイント:粉末設備だけの部品
定圧作動装置は粉末消火設備にしか存在しない部品です。不活性ガスやハロゲン化物はガス(気体)なので圧力が均一に伝わり、定圧作動装置は不要です。「この装置は何の設備に使われるか?」という問題では、迷わず粉末消火設備と答えましょう。

クリーニング装置

消火剤の放出後、配管内に残った粉末を清掃用ガスで吹き飛ばす装置です。粉末が配管内に残ると、次回の放出時に詰まりの原因になります。

クリーニング装置も粉末消火設備だけの部品です。ガス系の他の2設備はガス(気体)が消火剤なので、配管内に残留物が残りません。

加圧用ガス容器

粉末消火設備の粉末は、それ自体には圧力がありません。噴射するためには、別途N₂(窒素)やCO₂を封入した加圧用ガス容器が必要です。

鑑別では、貯蔵容器(粉末が入っている)と加圧用ガス容器(N₂やCO₂が入っている)を区別する問題が出ます。加圧用ガス容器には圧力計が付いており、貯蔵容器より小さいのが特徴です。

ガス系消火設備の動作タイムライン ―― 自動起動から放出停止まで30秒

鑑別では「この部品はどのタイミングで動くか」と動作順を問う問題が増えています。部品名を覚えるだけでなく、火災感知から消火剤放出完了までの時間軸で整理しておくと、選択肢の絞り込みが一段速くなります。

経過時間 動作 関連部品
0秒 火災感知(自火報からの信号入力) 感知器・受信機
0〜5秒 制御盤起動 → 警報・退避時間タイマー開始 制御盤・音響警報装置
5〜25秒 退避時間(CO₂は20秒以上・人命優先) 音響警報・放出表示灯(赤)
25秒 退避時間終了 → 起動用ガス容器の電磁弁開放 起動用容器(窒素5L程度)・電磁弁
26秒 起動用ガス → 選択弁(防護区画別)開放 選択弁(区画別)
26.5秒 起動用ガス → 容器弁開放 → 主消火剤放出開始 容器弁・主貯蔵容器
27秒 配管経由 → 噴射ヘッドから消火剤放出 配管(STPG370)・噴射ヘッド
28秒 圧力スイッチON → 放出表示灯点灯 圧力スイッチ・放出表示灯
30秒以内 全域放射式(表面火災):放出完了 CO₂・ハロンの法定要件
60秒以内 深部火災/不活性ガス:放出完了 CO₂深部・IG-541等
試験で問われる重要数値
退避時間:20秒以上(CO₂全域放射式)/放出時間:30秒以内(表面火災・全域)/60秒以内(深部火災・全域)/60秒以内(IG-541等の不活性ガス・全域)。鑑別で「容器弁が動くのは何秒後か」「放出表示灯はどの段階で点くか」と問われたら、26.5秒・28秒と即答する。

頻出パターン5選

実際の試験で繰り返し出題されるパターンを5つにまとめました。

パターン1:貯蔵容器・容器弁の写真から名称と用途を答える

貯蔵容器+容器弁の文字図解
外観:縦長の鋼製ボンベ(CO₂用は赤色/ハロン用は灰色/不活性ガス用は黒〜緑色の塗り分け)/容器口径65A前後/上部にネジ込み式の容器弁を装着/容器弁の側面に安全封板(ラプチャーディスク)が組み込まれている
容器内圧の目安:CO₂=約5.7MPa(21℃)/ハロン1301=約4.2MPa/IG-541等の不活性ガス=約15〜19.6MPa(超高圧)。ガス種類で容器弁の規格が違うため互換性なし(後述「3系統互換性マトリクス」参照)。
安全封板の作動圧:CO₂用は約16〜25MPa、不活性ガス用は約25〜31.5MPaで破裂し、容器内の異常圧力上昇から容器破裂を防ぐ。鑑別では「容器弁の付属部品=安全封板」と即答できるよう紐づける。

「写真の機器の名称と用途を答えよ」と問われます。容器弁は、起動装置からの信号を受けて開放し、消火剤を配管に送り出す弁です。安全装置として破壊板(ラプチャーディスク)が内蔵されています。

パターン2:選択弁の写真から名称と役割を答える

選択弁は複数の防護区画のうち、火災が発生した区画にだけ消火剤を放出するための弁です。「この弁がないとどうなるか」と聞かれたら、「関係のない区画にも消火剤が放出され、消火剤が不足して消火できなくなる」と答えます。

パターン3:起動装置(操作箱)の写真から名称と操作方法を答える

壁面に設置された赤い押しボタン箱の写真が出されます。操作方法は「保護カバーを開けてボタンを押す」です。起動すると起動用ガス容器→容器弁開放→消火剤放出の順で作動します。CO₂の場合は遅延装置(20秒以上)で放出を遅らせ、退避時間を確保します。

パターン4:定圧作動装置やクリーニング装置の写真から設備の種類を答える

写真を見て「この装置が使われる消火設備の種類を答えよ」というパターンです。定圧作動装置・クリーニング装置は粉末消火設備にしか存在しないので、見た瞬間に「粉末消火設備」と答えられるようにしましょう。

パターン5:系統図中の機器名称を答える

ガス系消火設備の系統図が示され、矢印で指された部分の機器名称を答えます。以下の配置を頭に入れておきましょう。

ガス系消火設備の系統図 ── 部品の配置順
感知器
受信機
起動装置
起動用ガス容器
容器弁
貯蔵容器
選択弁
配管
噴射ヘッド

3系統ガス×部品互換性マトリクス ―― なぜ容器弁は使い回せないのか

CO₂・ハロン1301・不活性ガス(IG-541/IG-100/IG-55)は、いずれも貯蔵容器・容器弁・選択弁・噴射ヘッドという同じ部品名で構成されますが、容器内圧と部品規格が3系統で異なるため互換性はありません。鑑別で「3系統の容器弁は同じか違うか」を問われた時に即答できるよう、独自整理した表が下記です。

項目 CO₂ ハロン1301 IG-541/IG-100/IG-55
容器内圧(21℃) 約5.7MPa 約4.2MPa 約15〜19.6MPa(超高圧
容器弁規格 高圧用(CO₂専用) ハロン専用 超高圧用(規格違い)
充填比 1.5以上1.9以下 0.9以上1.6以下 単位重量充填
安全封板作動圧 約16〜25MPa 約12〜20MPa 約25〜31.5MPa
配管材質 STPG370 STPG370 STPG370 超高圧仕様(厚肉)
放出時間 表面30秒/深部60秒以内 10秒以内 60秒以内
環境影響 温室効果ガス オゾン層破壊(モントリオール議定書1987) 環境負荷小
新規製造 継続 1995年全廃(既設のみ) 継続・推奨
設計濃度(電気火災) 34%(表面) 5%(バンク使用) 37〜43%(IG-541)
「容器弁は3系統で互換性なし」が試験ポイント
CO₂用容器弁を不活性ガス(IG-541)の容器に取り付けると、容器内圧が3倍以上で破裂リスクがあります。ハロン用容器弁はオゾン層破壊により新規流通停止=既設メンテ専用。不活性ガス用容器弁は超高圧仕様で厚肉・高価。鑑別で「3系統の容器弁は共通か否か」を問われたら「規格違い・互換性なし」と即答する。

設備固有の部品 ―― 早見表

「この部品はどの設備?」を即答できるように、一覧表にまとめました。

部品名 該当設備 理由
閉止弁 CO₂消火設備のみ CO₂は人体に致命的
低圧式タンク CO₂消火設備のみ 他のガスは液化困難
定圧作動装置 粉末消火設備のみ 粉末は圧力が不安定
クリーニング装置 粉末消火設備のみ 配管内に粉末が残留
加圧用ガス容器 粉末消火設備のみ 粉末に自圧がない
遅延装置 CO₂・ハロゲン化物 退避時間の確保

よくある間違い ―― ひっかけパターン

鑑別の採点で意外と点を落としやすいポイントを整理します。「知っているのに間違える」を防ぐのが合格への近道です。

間違い1:「遅延装置」の対象設備を間違える
遅延装置(20秒以上)が必要なのはCO₂消火設備とハロゲン化物消火設備です。粉末消火設備には不要。「ガス系3設備すべてに必要」と答えてしまうミスが多いです。粉末は人体への直接的な危険性が低いため、退避のための遅延装置は求められません。
間違い2:「閉止弁」と「選択弁」を混同する
どちらも「弁」ですが役割がまったく違います。選択弁=「どの区画に消火剤を送るか」を選ぶ弁(3設備共通)。閉止弁=「人がいる場合にCO₂の放出を止める」安全装置(CO₂のみ)。名前ではなく「何のための弁か」をセットで覚えましょう。
間違い3:充てん量の基準を逆に覚える
再充てんが必要になるのは規定量の90%を下回った場合(10%減少)です。「90%以上なら再充てん」と逆に覚えてしまう人がいます。「90%未満で再充てん」――つまり「1割減ったらアウト」と覚えましょう。

点検で使う工具・計測器

鑑別問題では、点検現場で使う工具や計測器の名称を問われることもあります。「ガス系消火設備の点検・整備と試験方法」で学んだ内容から、出題されやすいものをピックアップします。

容器弁開放器

容器弁を手動で開放するための専用工具です。点検時に容器弁の作動確認を行う際に使用します。

はかり(秤)

貯蔵容器の重量を測定して消火剤の充てん量を確認するために使います。ガスの場合、圧力計だけでは正確な残量がわからないことがあるため、重量測定が重要な点検項目です。充てん量が規定の90%を下回ると再充てんが必要です。

ストップウォッチ

放出試験や連動試験で、起動から放出までの遅延時間を測定するために使います。CO₂消火設備の遅延時間は20秒以上と規定されています。

鑑別出題パターン4分類×採点キーワード集 ―― 部分点を取り切る

甲種3類の鑑別は、出題パターンを4つに分類すると採点ポイントが透けて見えます。鑑別系の標準処方として既に1158(鑑別全般)/1159(甲4特化)で確立した「採点キーワード方式」を、ここでは甲3カテゴリ用に展開します。

パターン①:部品名のみ(写真→名称)
解答キーワード:正式名称+型式記号(例:「容器弁(CO₂用・高圧型)」)。ひっかけ=「逆止弁」と「閉止弁」を混同しない(操作管=逆止弁/配管末端=閉止弁)。
パターン②:設置位置(部品→取付場所)
解答キーワード:「主貯蔵容器の出口」「操作管」「防護区画別配管」「タンク室内」。ひっかけ=容器弁(容器側)と選択弁(配管中間)の取付位置を入れ替えない。
パターン③:役割記述(部品→機能を文章で)
例:容器弁の役割を述べよ → 「主消火剤の放出を制御する弁」+「起動用ガスにより自動開放」+「機械式・電磁弁併設」の3要素全部書くと満点/2要素で半分/1要素以下で0点。
パターン④:違い記述(2部品の比較)
例:逆止弁と閉止弁の違い → 「逆止弁=操作管に設置・流体の逆流を防止」「閉止弁=配管末端に設置・配管内圧抜き用」。両方の役割と設置位置の4要素全部書くのがコツ。
採点キーワード必勝3原則(鑑別共通)
全部書く戦略:知っているキーワードを全部書く(NG減点はない)/②字を読めるように書く:判読不能だと0点判定/③正式名称を使う:「容器のフタ」NG、「容器弁」OK。「鑑別問題の攻略法(全般)」「甲4の鑑別攻略」と方針を統一。

理解度チェック ―― 練習問題5問

本番形式の問題で、鑑別の得点力を確認しましょう。すべてオリジナル問題です。

問題1

ガス系消火設備の系統図において、複数の防護区画がある場合に、火災が発生した区画にだけ消火剤を放出するために設けられる弁の名称を答えなさい。

解答を見る

正解:選択弁
選択弁は、複数の防護区画がある場合に、火災が発生した区画にのみ消火剤を放出するために配管の分岐点に設置される弁です。これがないと、火災とは無関係の区画にも消火剤が放出されてしまい、必要な区画に十分な消火剤が行き渡らなくなります。

問題2

粉末消火設備にのみ設けられる装置で、配管内の圧力を一定に保ちながら粉末を噴射するための装置の名称を答えなさい。

解答を見る

正解:定圧作動装置
定圧作動装置は粉末消火設備にのみ設けられる装置です。粉末は固体のため配管内で圧力が不安定になりやすく、この装置が圧力を一定に調整することで、すべての噴射ヘッドから均一に粉末が放出されるようにしています。

問題3

CO₂消火設備の防護区画出入口付近に設置され、人がいる場合にCO₂の放出を停止するための弁の名称を答えなさい。また、この弁が他の不活性ガス消火設備(窒素・IG-55等)に設置義務がない理由を簡潔に述べなさい。

解答を見る

正解:閉止弁
閉止弁はCO₂消火設備にのみ設置が義務付けられています。CO₂は消火濃度で人体に致命的な影響を与えるため、人がいる場合に放出を停止できる安全装置が必要です。窒素やIG-55・IG-541は、消火濃度でも酸素濃度が人間の生存に最低限必要なレベル(約12〜14%)を維持するため、CO₂ほどの危険性がなく、閉止弁の設置義務はありません。

問題4

粉末消火設備で、消火剤の放出後に配管内に残った粉末を除去するための装置の名称を答えなさい。また、不活性ガス消火設備やハロゲン化物消火設備にこの装置が不要な理由を述べなさい。

解答を見る

正解:クリーニング装置
クリーニング装置は、粉末放出後に清掃用ガス(N₂等)を流して配管内の残留粉末を除去する装置です。不活性ガス消火設備やハロゲン化物消火設備の消火剤は気体(ガス)であるため、放出後に配管内に残留物が残ることがなく、クリーニングの必要がありません。

問題5

ガス系消火設備の点検において、貯蔵容器の消火剤の充てん量を確認するために使用する計測器の名称を答えなさい。また、充てん量がどの程度を下回った場合に再充てんが必要か述べなさい。

解答を見る

正解:はかり(秤)
貯蔵容器の重量をはかりで測定し、容器の自重を差し引くことで消火剤の充てん量を確認します。充てん量が規定量の90%(10%減)を下回った場合に再充てんが必要です。圧力計だけでは正確な残量がわからないため(特に液化ガスの場合)、重量測定が重要な点検項目とされています。

まとめ

甲種3類の鑑別問題のポイントを整理します。

カテゴリ 押さえるべき部品
3設備共通 貯蔵容器・容器弁・選択弁・起動装置・噴射ヘッド・音響警報装置
CO₂固有 閉止弁・低圧式タンク(液面計・圧力計付き)
粉末固有 定圧作動装置・クリーニング装置・加圧用ガス容器
工具・計測器 容器弁開放器・はかり・ストップウォッチ

鑑別問題は「知っているか、知らないか」がそのまま点数に直結します。この記事で紹介した部品を、写真を見た瞬間に名称が出てくるレベルまで覚えれば、鑑別パートは確実に得点源になります。

粉末固有の3点セットで覚える
粉末消火設備だけにある部品は「定圧・クリーニング・加圧ガス」の3点セット。粉末は固体だから「圧力が不安定(→定圧作動装置)」「配管に残る(→クリーニング装置)」「自力で飛ばない(→加圧用ガス容器)」。「粉末=固体」を思い出せば、3つとも理由で導き出せます
甲種3類の学習ロードマップ
鑑別問題だけでなく、筆記・製図を含めた全体の学習計画はこちら

甲種3類 完全ロードマップを見る →

通信講座で効率よく学ぶ

SATの消防設備士講座を見てみる → 動画講義でガス系設備の仕組みを視覚的に理解
JTEXの消防設備士講座を見てみる → テキスト中心でじっくり学びたい方に

RECOMMENDED BOOKS

おすすめ参考書と勉強法

合格に必要な参考書を類別に厳選して紹介しています。
甲種3類の参考書選びにも対応しています。

参考書記事を見る →

関連する攻略記事

独学が不安な方へ

※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。

内容の誤りやお気づきの点がございましたら、お問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。正確な情報をお届けできるよう、随時修正してまいります。

-甲種3類/乙種3類