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スプリンクラー設備の設置義務|消防法施行令12条の基準

スプリンクラー設備の設置義務は、消防法施行令12条で確認する

スプリンクラー設備を設置する防火対象物又はその部分は、消防法施行令第12条に列挙されています。この記事では、条文の号建てを崩さず、学習用に用途、階、面積、代替消火設備の順で整理します。

確認メモ:実務では、用途判定、複合用途、地階・無窓階、構造、条例、所轄消防の確認が関係します。このページは消防設備士試験の学習整理であり、設計判断そのものを代替するものではありません。

第12条1項で見る主な設置対象

第12条1項は、スプリンクラー設備を設置する対象を号ごとに定めています。まずは、何を基準に判定しているかを分けて確認します。

条文上の整理 確認するポイント
医療・福祉系用途 別表第一(六)項イ、(六)項ロのうち、第12条1項1号が列挙するもの。延焼抑制構造や入所者の条件も確認する。
劇場等の舞台部 地階、無窓階、4階以上の舞台部は300m2以上、その他の階は500m2以上。
11階以上 特定用途を含む建物や、別表第一に掲げる防火対象物の11階以上の階について確認する。
用途別の床面積 百貨店等や一部の医療系用途は3,000m2以上、その他の特定用途は6,000m2以上など、用途ごとの基準を見る。
地階・無窓階・4階以上10階以下 階ごとの床面積で判定する。用途によって1,000m2又は1,500m2などの基準が分かれる。

医療・福祉系用途は、条文の枝番号まで確認する

第12条1項1号は、別表第一(六)項イ(1)(2)、(六)項ロ(1)(3)、(六)項ロ(2)(4)(5)の一部を対象にしています。ここは「病院なら全部」「福祉施設なら全部」とまとめると誤りやすい部分です。

対象の見方 学習上の注意
(六)項イ(1)(2) 病院・診療所のうち、条文が定める条件に該当するもの。
(六)項ロ(1)(3) 老人短期入所施設、乳児院など、入所・宿泊を伴う福祉系用途が中心。
(六)項ロ(2)(4)(5) 介助がなければ避難できない者を主として入所させるか、延べ面積275m2以上かを確認する。

条文には「総務省令で定める構造を有するもの以外」などの除外条件も出てきます。学習では、用途名だけで決めず、第12条1項1号と施行規則12条の2を合わせて確認します。

劇場等の舞台部は、階と床面積で見る

別表第一(一)項の防火対象物では、舞台部の床面積が基準になります。第12条1項2号では、舞台部を「舞台並びにこれに接続して設けられた大道具室及び小道具室」としています。

舞台部の位置 床面積の基準
地階、無窓階、4階以上の階 300m2以上
その他の階 500m2以上

11階以上は、複数の号で扱われる

第12条1項3号は、別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項、(九)項イ、(十六)項イに掲げる防火対象物で、地階を除く階数が11以上のものを扱います。さらに同項12号では、前各号以外の別表第一に掲げる防火対象物の11階以上の階も扱います。

整理:11階以上は「用途に関係なく一言で全部」と覚えるより、第12条1項3号と12号の両方に出てくる、と押さえる方が安全です。いずれも総務省令で定める部分を除く扱いがあります。

用途別の大きな床面積基準

第12条1項4号は、平屋建以外の特定用途について、総務省令で定める部分以外の床面積の合計で判定します。

用途 床面積の合計
別表第一(四)項、(六)項イ(1)から(3)まで 3,000m2以上
その他の対象用途 6,000m2以上

このほか、ラック式倉庫、地下街、準地下街、指定可燃物を一定数量以上貯蔵・取り扱う建築物なども第12条1項に列挙されています。細かい用途は、条文本文で確認します。

地階・無窓階・4階以上10階以下の階

第12条1項11号は、前各号に該当しない防火対象物の地階、無窓階、4階以上10階以下の階を、階ごとの床面積で判定します。

対象 地階・無窓階 4階以上10階以下
(一)項、(三)項、(五)項イ、(六)項、(九)項イ 1,000m2以上 1,500m2以上
(二)項、(四)項 1,000m2以上 1,000m2以上
(十六)項イの該当階 原則1,000m2以上 原則1,500m2以上。(二)項又は(四)項の用途部分がある階は1,000m2以上。

第12条2項で見る技術基準の入口

設置対象に該当したら、次は第12条2項の技術上の基準を確認します。この記事では入口だけ整理します。

  • スプリンクラーヘッドを設ける部分は、用途や条文上の号によって分かれる。
  • ヘッドまでの水平距離は、舞台部、指定可燃物、耐火建築物かどうかなどで変わる。
  • 特定施設水道連結型を除き、水源、加圧送水装置、非常電源、双口形の送水口が関係する。
  • 水量や放水性能は、防火対象物の用途、構造、規模、ヘッド種別に応じて総務省令で定める。

ヘッドの種別、水平距離、水量、放水性能は施行規則13条の2以降や14条も関係します。設備方式や設置間隔は、別記事で確認します。

代替消火設備がある場合の扱い

第12条3項では、第1項各号に掲げる防火対象物又はその部分に、水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備を、定められた技術上の基準に従って設置した場合の扱いを定めています。

この場合、当該設備の有効範囲内の部分については、スプリンクラー設備を設置しないことができるとされています。学習では「代替設備の有効範囲内」という条件を落とさないようにします。

確認問題

問題1

別表第一(一)項の防火対象物で、舞台部が地階にある場合、スプリンクラー設備の設置判定で確認する舞台部の床面積はどれか。

(1)150m2以上 (2)300m2以上 (3)500m2以上 (4)1,000m2以上

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正解:(2)300m2以上
第12条1項2号では、舞台部が地階、無窓階又は4階以上の階にある場合は300m2以上、その他の階は500m2以上です。

問題2

第12条1項11号で、(一)項、(三)項、(五)項イ、(六)項、(九)項イの防火対象物の地階又は無窓階に該当する階は、床面積何m2以上で確認するか。

(1)300m2以上 (2)500m2以上 (3)1,000m2以上 (4)1,500m2以上

解答を見る

正解:(3)1,000m2以上
同じ区分の4階以上10階以下は1,500m2以上です。地階・無窓階と4階以上10階以下を分けて確認します。

問題3

第12条3項で、代替消火設備がある場合の説明として適切なものはどれか。

(1)建物全体で必ずスプリンクラー設備が不要になる
(2)有効範囲内の部分について、スプリンクラー設備を設置しないことができる場合がある
(3)消火器具があれば同じ扱いになる
(4)非常電源は常に不要になる

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正解:(2)有効範囲内の部分について、スプリンクラー設備を設置しないことができる場合がある
条文は、水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備を技術上の基準に従って設置した場合の扱いを定めています。

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