4類の鑑別等は、機器の名称と役割を正確に答える科目
消防設備士4類の実技では、甲種は鑑別等5問・製図2問、乙種は鑑別等5問が出題範囲になります。これは消防試験研究センターの「試験科目及び問題数」で確認できる基本情報です。
鑑別等では、写真、図、説明文から機器の名称・用途・動作原理を答える形で学習します。この記事では、感知器、受信機、試験器具、発信機まわりの見分け方を、甲4・乙4の初学者向けに整理します。
確認メモ:写真だけで断定できない問題もあります。外観、表示、設置場所、問題文の条件を合わせて読み、正式名称で答えることを意識します。
まず押さえる4つの出題対象
| 対象 | 見るポイント | 答え方の例 |
|---|---|---|
| 感知器 | 熱・煙・炎のどれを利用するか。スポット型、分布型、分離型などの形。 | 差動式スポット型感知器、光電式スポット型感知器など。 |
| 受信機 | P型、R型、表示部、スイッチ、地区表示の有無。 | P型1級受信機、地区表示灯、復旧スイッチなど。 |
| 試験器具 | 熱、煙、光、空気管、配線のどれを確認する器具か。 | 加熱試験器、加煙試験器、減光フィルターなど。 |
| 附属機器 | 発信機、表示灯、地区音響装置、中継器、終端抵抗の役割。 | P型発信機、表示灯、地区音響装置、終端器など。 |
感知器の見分け方
感知器は、火災の何を利用して作動するかで整理します。大きくは熱感知器、煙感知器、炎感知器です。
| 手がかり | 候補 | 注意点 |
|---|---|---|
| 本体側面に煙を取り込む開口部がある | 煙感知器 | 光電式スポット型、イオン化式など、方式名まで確認する。 |
| 丸い本体で、温度表示や感熱部の説明がある | 定温式スポット型感知器 | 公称作動温度など、問題文の表示も読む。 |
| 温度の上昇率、空気室、リーク孔の説明がある | 差動式スポット型感知器 | 定温式との違いは、一定温度か温度上昇率かで整理する。 |
| 空気管と検出部を組み合わせる | 差動式分布型感知器 | 空気管式として、作動・流通・接点水高・リークの確認とつなげる。 |
| 送光部と受光部が向かい合う | 光電式分離型感知器 | 煙で光が弱くなる考え方。減光フィルターとの対応も確認する。 |
| レンズや窓があり、赤外線・紫外線の説明がある | 炎感知器 | 赤外線式、紫外線式、併用式などの区分に注意する。 |
熱、煙、炎の順に候補を絞る
- 煙を取り込む開口部があるかを確認する。あれば煙感知器の候補にする。
- 空気管、送光部・受光部、レンズのような特徴的な部材がないか確認する。
- 問題文の表示を読む。公称作動温度、差動式、光電式、赤外線、紫外線などの語が手がかりになる。
- 最後に、スポット型、分布型、分離型、線型などの形を付けて正式名称にする。
感知器の定義や作動原理は、感知器規格省令と消防法施行規則に関係します。詳しい個別論点は、次の記事で確認します。
受信機の見分け方
受信機は、感知器や発信機からの信号を受け、火災表示や警戒区域の表示を行う中心機器です。鑑別等では、受信機の種類だけでなく、盤面の表示灯やスイッチの名称も問われます。
| 項目 | 見るポイント |
|---|---|
| P型受信機 | 地区表示灯や回線表示を見て、警戒区域単位で表示する受信機として整理する。 |
| R型受信機 | 固有信号を扱い、表示部で詳細情報を扱う受信機として整理する。 |
| P型1級・P型2級 | 回線数、表示、用途の違いを教材の図と合わせて確認する。 |
操作盤で覚える名称
| 名称 | 役割 |
|---|---|
| 火災灯 | 火災信号を受けたときに火災状態を示す。 |
| 地区表示灯 | どの警戒区域から信号が来たかを示す。 |
| 主音響装置 | 受信機側で警報音を出す。 |
| 地区音響停止スイッチ | 地区音響装置の鳴動停止に関係する。 |
| 復旧スイッチ | 発報状態を復旧し、通常監視状態へ戻す。 |
| 導通試験スイッチ | 感知器回路の断線確認に関係する。 |
P型・R型、P型1級・2級の詳しい違いは、受信機の種類と機能で確認してください。
試験器具の見分け方
試験器具は、「どの感知器を、何で確認するか」で対応づけます。実務では点検基準、点検要領、製品仕様、点検票に従いますが、学習では対応関係から整理すると覚えやすくなります。
| 試験器具 | 対応する対象 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 加熱試験器 | 熱感知器 | 差動式、定温式などを加熱して動作を確認する考え方。 |
| 加煙試験器 | 煙感知器 | 煙を与えて受信機側の火災表示を確認する考え方。 |
| 減光フィルター | 光電式分離型感知器 | 送光部と受光部の間の光を弱める確認。 |
| 空気管式の試験器 | 差動式分布型感知器 | 作動、流通、接点水高、リークの確認とつなげる。 |
| 回路計 | 配線・回路 | 導通や抵抗の確認で使う計測器として整理する。 |
| 絶縁抵抗計 | 配線の絶縁 | 漏れ電流につながる絶縁状態を確認する計測器として整理する。 |
試験方法の詳細は、感知器の試験方法で整理しています。
発信機・表示灯・地区音響装置の整理
感知器や受信機だけでなく、発信機や音響装置も4類の基本機器です。名前と役割をセットで覚えます。
| 機器 | 役割 |
|---|---|
| 発信機 | 人が手動で火災信号を受信機へ送るための機器。 |
| 表示灯 | 発信機の位置などを分かりやすく示す灯火。 |
| 地区音響装置 | 建物内に火災警報を知らせる音響装置。 |
| 中継器 | 感知器や設備側の信号を受信機側へ中継する機器。 |
| 終端抵抗・終端器 | 感知器回路の断線監視に関係する部品。 |
発信機・地区音響装置・表示灯の基準は、発信機・地区音響装置・表示灯で確認してください。
記述で失点しないための書き方
- 略称で終わらせない:「煙感知器」だけでなく、「光電式スポット型感知器」のように方式と形まで書く。
- 用途を一言で添える:加熱試験器なら「熱感知器の作動確認」、加煙試験器なら「煙感知器の作動確認」と対応づける。
- 見た目だけで迷ったら表示を見る:公称作動温度、差動式、光電式などの表示や問題文の条件を読む。
- 動作原理を混同しない:差動式は温度上昇率、定温式は一定温度への到達、光電式は光の変化、炎感知器は赤外線・紫外線で整理する。
練習問題
問題1
側面に煙を取り込む開口部があり、天井面に点で取り付けられる感知器として、最も基本的な名称はどれか。
(1)差動式分布型感知器
(2)光電式スポット型感知器
(3)定温式感知線型感知器
(4)P型発信機
問題2
光電式分離型感知器の確認で対応づける器具として、最も適切なものはどれか。
(1)加熱試験器
(2)減光フィルター
(3)消火器加圧用ガス容器
(4)避難はしご
問題3
P型受信機の盤面で、どの警戒区域から信号が来たかを示すものはどれか。
(1)地区表示灯
(2)定温式スポット型感知器
(3)減光フィルター
(4)絶縁抵抗計
まとめ
- 4類の鑑別等は、機器の正式名称、用途、動作原理を対応づけて答える。
- 感知器は、熱・煙・炎のどれを利用するかから候補を絞る。
- 受信機は、P型・R型、地区表示灯、復旧スイッチなどの盤面名称を整理する。
- 試験器具は、加熱、加煙、減光、空気管、回路、絶縁の対象と対応づける。
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参考情報
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