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漏電火災警報器の設置基準|警戒電路・公称作動電流値・B種接地線をわかりやすく解説

漏電火災警報器、「どこに」「どう」設置する?

漏電火災警報器の設置義務」の記事で「どんな建物に」設置するかを学びました。今回は、その漏電火災警報器を「どこに」「どのように」設置するか ── 設置基準のルールを解説します。

ポイントは3つです。

設置基準 ── 3つのポイント
1. 警戒電路
どの電気回路を
監視するか
2. 感度と電流値
どのくらいの漏電で
作動させるか
3. 機器の設置位置
変流器・受信機を
どこに置くか

警戒電路 ── どの回路を監視するか

警戒電路とは

警戒電路(けいかいでんろ)とは、漏電火災警報器が監視する電気回路の範囲のことです。自火報でいう「警戒区域」に相当する概念ですね。

施行規則では、警戒電路について次のように定めています。

基本ルール:建物の引込線の電源側に最も近い位置で、ラスモルタル造の部分を含む電路を警戒電路とする。

警戒電路のルール

  • 引込線の電源側に近い位置で変流器(ZCT)を設置する ── これにより建物全体の漏電を監視できる
  • ラスモルタル造の部分を含む電路を警戒対象とする
  • 電路が分岐している場合は、分岐回路ごとに変流器を設置してもよい

イメージとしては、水道の元栓に水漏れセンサーをつけるようなものです。一番元に近い場所で監視すれば、建物内のどこで漏電が起きても検知できます。

B種接地線と警戒電路の関係

変流器の設置位置で重要なのがB種接地線(接地工事の種類)との関係です。

重要ルール:変流器は、B種接地線よりも電源側(負荷側ではない)に設置すること。

なぜか? B種接地線は変圧器の二次側を大地に接続する線です。もし変流器をB種接地線より負荷側に設置すると、漏電電流がB種接地線を通って戻ってしまい、L線とN線の電流差が生じにくくなります。つまり、ZCTが漏電を検知できなくなるのです。

正しい設置
電源 → 【ZCT】 → B種接地線 → 負荷漏電電流はZCTを通って漏れるので検知できる

誤った設置
電源 → B種接地線 → 【ZCT】 → 負荷漏電電流がB種接地線で戻り、ZCTを通らないので検知できない

公称作動電流値と感度電流

公称作動電流値の選び方

構造の記事で学んだとおり、公称作動電流値には200mA~1000mAの5段階があります。設置基準では、警戒電路に応じた適切な値を選ぶことが求められます。

原則:公称作動電流値は400mA以下とする。
ただし:警戒電路の定格電流が60Aを超える場合は、定格電流の概ね1/1000以上で設定する。

なぜ400mA以下が原則なのか? それは、漏電電流が大きくなるほど発熱量(ジュール熱)が増え、火災リスクが高まるから。できるだけ低い値で検知することが望ましいのです。

ただし、大きな電流が流れる回路は正常時の漏れ電流も大きいため、感度を上げすぎると誤報が増えます。そこで定格電流が大きい回路では、実態に合わせた設定が認められています。

感度電流の確認

試験で問われやすい数値を整理しておきましょう。

  • 感度電流:公称作動電流値の50%以上100%以下で作動すること
  • 不作動電流:公称作動電流値の50%未満では作動しないこと
  • 作動時間:公称作動電流の130%0.3秒以内

機器の設置位置

変流器(ZCT)の設置位置

  • 引込線の電源側に最も近い位置に設置
  • B種接地線よりも電源側に設置
  • 屋外に設置する場合は防水措置を講じること
  • 分電盤の一次側(電源側)に設置するのが一般的

受信機の設置位置

  • 点検しやすい場所に設置
  • 操作・確認しやすい高さ(床面から0.8m以上1.5m以下)
  • 湿気・じんあい・衝撃・振動が少ない場所

これは自火報の受信機と同じ考え方です。管理人室や防災センターなど、常時人がいる場所が理想的ですね。

音響装置の設置位置

  • 受信機に内蔵されている場合はそのまま
  • 外付けの場合は、音響が有効に聞こえる場所に設置

設置基準の全体まとめ

設置基準の要点まとめ
変流器:引込線の電源側に近い位置、B種接地線より電源側
公称作動電流値:原則400mA以下、定格60A超は1/1000以上
感度:公称値の50%~100%で作動、130%で0.3秒以内
受信機:点検しやすい場所、高さ0.8m~1.5m

まとめ問題

第1問

漏電火災警報器の変流器(ZCT)の設置位置について、正しいものはどれか。

(1)分電盤の二次側(負荷側)に設置する
(2)B種接地線よりも負荷側に設置する
(3)引込線の電源側に最も近い位置に設置する
(4)各部屋の照明回路ごとに設置する

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正解:(3)
変流器は引込線の電源側に最も近い位置に設置します。また、B種接地線よりも電源側に設置しなければなりません。負荷側に設置すると、漏電電流がB種接地線を通って戻ってしまい、正しく検知できなくなります。

第2問

漏電火災警報器の公称作動電流値について、正しいものはどれか。

(1)原則として200mA以下とする
(2)原則として400mA以下とする
(3)すべての場合において1000mA以下とする
(4)警戒電路の定格電流にかかわらず同じ値とする

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正解:(2)
公称作動電流値は原則400mA以下です。ただし、警戒電路の定格電流が60Aを超える場合は、定格電流のおおむね1/1000以上の値で設定できます。

第3問

変流器をB種接地線よりも電源側に設置しなければならない理由として、正しいものはどれか。

(1)電圧が高い場所の方が感度が良くなるから
(2)負荷側に設置すると漏電電流がB種接地線を通って戻り、検知できなくなるから
(3)B種接地線は漏電火災警報器の接地に使用するから
(4)電源側の方が配線が太く、変流器を取り付けやすいから

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正解:(2)
ZCTは「L線の電流」と「N線の電流」の差で漏電を検知します。B種接地線より負荷側にZCTを設置すると、漏電電流がB種接地線を経由してN線に戻るため、ZCTを通過する時点ではL線とN線の電流差が生じません。つまり漏電があっても検知できなくなります。

第4問

漏電火災警報器の感度電流と作動時間について、正しいものはどれか。

(1)公称作動電流値の30%以上で作動すること
(2)公称作動電流の150%の電流で0.3秒以内に作動すること
(3)公称作動電流値の50%以上100%以下で作動し、130%で0.3秒以内に作動すること
(4)公称作動電流値の100%で0.1秒以内に作動すること

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正解:(3)
感度電流は公称作動電流値の50%以上100%以下で作動する必要があります。また、公称作動電流の130%の電流では0.3秒以内に作動しなければなりません。この2つの数値(50%~100%と130%・0.3秒)はセットで覚えましょう。

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