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消防用設備等の非常電源|方式・容量・設備別基準

消防用設備等の非常電源は、設備ごとに方式を確認する

消防用設備等は、火災時に常用電源が止まっても必要な時間だけ動作できなければなりません。そのため、消防法施行令では多くの設備について「非常電源を附置すること」と定め、消防法施行規則で方式や容量を細かく定めています。

以前の整理では代表方式だけで説明されることがありますが、現行の消防法施行規則では、設備によって非常電源専用受電設備・自家発電設備・蓄電池設備・燃料電池設備などが使い分けられます。試験対策では、単に種類を丸暗記するよりも「どの設備に、どの方式が認められるか」を確認するのが安全です。

この記事の位置づけ:この記事は消防設備士試験向けの整理です。設計・届出・点検実務では、対象設備の条文、告示、所轄消防の指導を必ず確認してください。

代表的な非常電源の方式

方式 概要 整理のポイント
非常電源専用受電設備 消防用設備等に必要な電源を、専用の受電・配電系統で確保する方式。 非常電源として認められる設備がある一方、特定防火対象物の規模などにより使えない場合がある。
自家発電設備 原動機と発電機で電力を作り、停電時に消防用設備等へ供給する方式。 ポンプやファンなど、比較的大きな電力を使う設備で整理しやすい。
蓄電池設備 蓄電池に蓄えた電力を使う方式。設備によっては直交変換装置の有無も条件になる。 自動火災報知設備、非常警報設備、誘導灯などでよく出てくる。
燃料電池設備 燃料電池により電力を供給する方式。 消防法施行規則の非常電源規定に登場するため、代表方式だけで覚えると現行条文とずれる。

屋内消火栓設備で見る基本形

非常電源の整理は、屋内消火栓設備から見ると理解しやすくなります。消防法施行規則第12条第1項第4号では、屋内消火栓設備の非常電源として、非常電源専用受電設備、自家発電設備、蓄電池設備、燃料電池設備が列挙されています。

ただし、すべての防火対象物で同じ扱いではありません。特定防火対象物で延べ面積1,000平方メートル以上のものなどでは、非常電源専用受電設備を選べない整理になります。このように、非常電源は「方式名」だけでなく、対象物の用途・規模とセットで確認します。

屋内消火栓設備で押さえること

  • 非常電源の方式は複数ある。
  • 非常電源専用受電設備は、対象物の条件によって認められない場合がある。
  • 自家発電設備・蓄電池設備・燃料電池設備は、他の設備でも繰り返し登場する。
  • 配線や設置場所の基準も、同じ条文内であわせて確認する。

設備別の容量は「何分作動できるか」で整理する

非常電源で試験に出やすいのは、方式の名称だけではありません。設備ごとに「何分以上作動できる容量が必要か」が変わります。

設備 容量の整理 注意点
自動火災報知設備 非常電源は、設備を有効に10分間作動できる容量以上。 予備電源や受信機側の基準と混同しない。
非常警報設備 2回線を10分間有効に作動させ、その他の回線を10分間監視できる容量以上。 条件により自家発電設備・燃料電池設備なども登場する。
誘導灯 原則20分間。有効な避難経路など一定の箇所では60分間が必要。 60分のうち20分を超える部分は、蓄電池設備以外の方式も含めて整理する。
連結送水管の加圧送水装置 加圧送水装置を有効に2時間以上作動できる容量。 「30分」や「10分」と混同しやすい代表例。
無線通信補助設備 増幅器の非常電源は、設備を30分間以上作動できる容量。 消火設備ではなく、消火活動上必要な施設として整理する。

水系の消火設備や排煙設備などは、消防法施行規則第12条第1項第4号の例による形で非常電源を求める規定が多くあります。細かい設備ごとの整理では、該当条文が第12条を準用しているか、別に容量を定めているかを確認します。

自動火災報知設備は「非常電源」と「予備電源」を分ける

自動火災報知設備では、非常電源と予備電源を混同しやすいです。消防法施行規則では、非常電源の方式や容量を定める一方で、常用電源、非常電源、予備電源の維持についても別に規定しています。

そのため、学習時は次のように分けて見ると整理しやすくなります。

  • 非常電源:常用電源が止まった場合に、設備を有効に動かすための電源。
  • 予備電源:受信機や感知器等の機器側で要求される電源。非常電源と同じ言葉として扱わない。
  • 維持管理:非常電源・予備電源の電圧と容量が適正であることを確認する。

誘導灯は20分と60分を分けて覚える

誘導灯の非常電源は、直交変換装置を有しない蓄電池設備によるものとして、原則20分間作動できる容量が求められます。一方で、消防庁長官が定める要件に該当する防火対象物や避難経路では、60分間作動できる容量が必要になります。

ここで大切なのは、「すべての誘導灯が60分」とも「誘導灯は必ず20分」とも覚えないことです。原則20分、一定の場所は60分と分けて整理します。

よくある混同

混同しやすい表現 安全な覚え方
代表方式だけを丸暗記する。 現行規則では燃料電池設備も登場する。設備ごとに認められる方式を確認する。
条文に列挙されていない発電方式を、一般論だけで判断する。 試験対策では、対象設備の条文に列挙された非常電源方式を答える。未列挙の方式を断定しない。
自動火災報知設備は60分だけ覚えればよい。 非常電源の容量、予備電源、維持基準を分けて確認する。
ポンプ設備はすべて同じ容量。 設備ごとの条文で、準用先と容量を確認する。連結送水管の加圧送水装置のように2時間以上のものもある。

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理解度チェック

問題1

消防法施行規則第12条第1項第4号で、屋内消火栓設備の非常電源として列挙される方式に含まれるものはどれか。

  1. 非常電源専用受電設備
  2. 一般照明用の分電盤
  3. 避難器具
  4. 防火戸
解答を見る

正解:A(非常電源専用受電設備)
屋内消火栓設備の非常電源として、非常電源専用受電設備、自家発電設備、蓄電池設備、燃料電池設備が列挙されています。ただし、対象物の用途・規模によって選べる方式は変わります。

問題2

自動火災報知設備の非常電源の容量として、消防法施行規則上の整理に合うものはどれか。

  1. 設備を有効に1分間作動できる容量
  2. 設備を有効に10分間作動できる容量
  3. 設備を有効に60分間作動できる容量
  4. 設備を有効に2時間作動できる容量
解答を見る

正解:B(10分間)
自動火災報知設備の非常電源は、設備を有効に10分間作動できる容量以上と整理します。予備電源など別の基準と混同しないことが大切です。

問題3

誘導灯の非常電源について正しいものはどれか。

  1. すべての誘導灯で10分間あればよい。
  2. 原則20分間だが、一定の場所では60分間が必要になる。
  3. 非常電源は不要である。
  4. 必ず自家発電設備だけを使う。
解答を見る

正解:B
誘導灯は原則20分間作動できる容量が必要です。消防庁長官が定める要件に該当する防火対象物や避難経路では、60分間作動できる容量が必要になります。

まとめ

  • 消防用設備等の非常電源は、設備ごとに認められる方式を確認する。
  • 現行規則では、非常電源専用受電設備・自家発電設備・蓄電池設備・燃料電池設備が登場する。
  • 代表方式だけで覚えると、燃料電池設備を含む現行条文とずれる。
  • 自動火災報知設備は、非常電源と予備電源を分けて整理する。
  • 誘導灯は原則20分、一定の場所では60分と分けて覚える。
  • 容量は設備ごとに異なるため、準用先と個別規定を確認する。

参照条文

最終確認日: 2026年6月30日。法令は改正されることがあるため、実務で使う場合は最新の条文を確認してください。

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