受験ガイド

消防設備士の義務講習(法定講習)とは?受講期限・届出・届かないとどうなる?

結論:消防設備士には「義務講習」がある。受けないと免状返納のリスクも

消防設備士の免状を持っている人は、定期的に「義務講習」(法定講習)を受けなければなりません。

これは消防法第17条の10に基づく制度で、消防設備士の知識・技術を最新の状態に保つことが目的です。

  • 初回:免状交付後 2年以内
  • 2回目以降:前回の受講から 5年以内

「試験に合格したら終わり」ではなく、免状を持ち続ける限り、講習の受講義務は続きます。受講しなかった場合の影響もあるので、しっかり押さえておきましょう。

義務講習の基本情報

項目 内容
根拠法令 消防法第17条の10
受講義務者 消防設備士の免状を持つすべての人
初回受講期限 免状交付日から2年以内
2回目以降 前回の受講日から5年以内
講習時間 約7時間(1日間)
受講料 約7,000円(都道府県によって多少異なる)
実施主体 各都道府県の消防設備保守協会等

講習の種類

義務講習は、消防設備士の免状の種類に応じて4区分に分かれています。

講習区分 対象の類
消火設備 甲種(乙種)1類・2類・3類
警報設備 甲種(乙種)4類・乙種7類
避難設備・消火器 甲種(乙種)5類・乙種6類
特殊消防用設備等 甲種特類

複数の区分にまたがる免状を持っている場合は、それぞれの区分の講習を受ける必要があります。

たとえば、甲種4類と乙種6類を持っている人は、「警報設備」と「避難設備・消火器」の2つの講習を受けなければなりません。

ただし、同じ区分内の複数の類(たとえば甲種1類と甲種2類)は、1回の「消火設備」の講習でまとめてカバーされます。

受講期限の数え方

受講期限を正確に把握しておくことが大切です。

ケース1:初めての免状

免状交付日(例:2026年4月1日)
初回講習の期限:2028年3月31日まで(2年以内)
次回の期限:初回受講日から5年以内

ケース2:新しい類を追加取得した場合

すでに消防設備士の免状を持っている人が新しい類を追加取得した場合、新しい区分の講習については、その類の免状交付日から2年以内に受講する必要があります。

ただし、すでに同じ区分の免状を持っていて講習を受けている場合は、その区分の受講サイクル(5年ごと)に統合されます。

ケース3:講習を受け忘れた場合

期限を過ぎても講習自体は受けられます。ただし、期限超過は都道府県知事への報告対象となり、最悪の場合は免状の返納命令を受ける可能性があります。

実際には、数か月〜1年程度の遅れですぐに返納命令になるケースはまれですが、期限内に受講するのが原則です。

講習の申し込み方法

1. 講習日程を確認する

各都道府県の消防設備保守協会(または消防試験研究センター支部)のWebサイトで、講習日程・会場・定員を確認します。

講習は年に数回実施されますが、都道府県によっては年1〜2回しか開催されない区分もあるため、早めに日程を確認しておきましょう。

2. 申し込む

  • 申込方法:郵送、窓口持参、一部の都道府県ではインターネット申込も可
  • 必要書類:受講申請書、消防設備士免状のコピー
  • 受講料:約7,000円(テキスト代含む。申込時に納付)

定員に達すると締め切られるため、早めの申し込みが安心です。

3. 受講する

講習は1日間(約7時間)で、おおむね以下のような内容です。

時間帯 内容
午前 法令の改正点、消防設備に関する最新情報
午後前半 工事・整備の技術基準、事故事例の紹介
午後後半 効果測定(確認テスト)

最後に効果測定(確認テスト)がありますが、これは資格試験とは異なり、講習内容の理解度を確認するためのものです。通常、この効果測定で「不合格」になって講習が無効になることはありません。

講習を受けないとどうなる?

義務講習を受講しなかった場合、以下のリスクがあります。

1. 都道府県知事からの「講習受講命令」

まず、都道府県知事から講習を受講するよう命令が出される可能性があります。

2. 免状の「返納命令」

命令に従わない場合、最終的には免状の返納命令を受ける可能性があります(消防法第17条の7第2項)。返納命令を受けると免状が取り上げられ、消防設備士として業務ができなくなります。

3. 実務上の問題

講習を受けていない消防設備士が業務を行っている場合、消防署の立入検査で指摘されることがあります。また、勤務先から講習受講の証明を求められる場合もあります。

実際にいきなり返納命令が出るケースはまれですが、義務である以上、期限内に受講するのが原則です。

受講を忘れないためのポイント

  • 免状交付日をスマートフォンのカレンダーに登録し、期限の3か月前にリマインダーを設定する
  • 複数の区分を持っている場合、それぞれの受講期限を一覧表にまとめておく
  • 年度初めに講習日程を確認し、早めに申し込む習慣をつける
  • 勤務先の総務・安全管理部門がある場合は、講習の案内をもらえることもある

よくある疑問

Q. 他の都道府県で講習を受けられる?

はい、どの都道府県でも受講できます。免状を交付した都道府県に限定されません。勤務地や自宅に近い会場を選べます。

Q. 業務に従事していなくても受講義務がある?

はい、あります。消防設備士の免状を持っている限り、実際に業務を行っているかどうかに関係なく受講義務があります。「今は消防設備の仕事をしていないから不要」ということにはなりません。

Q. 講習を受けると何がもらえる?

受講修了後に「受講済証」(講習修了シール等)が交付されます。これを免状に貼付するか、受講記録として保管します。次回の講習期限はこの受講日を起点に5年後です。

Q. 講習のテキスト代は受講料に含まれている?

通常、受講料にテキスト代が含まれています。別途テキストを購入する必要はありません。

まとめ

  • 消防設備士には義務講習があり、免状を持つ限り受講義務がある
  • 初回は免状交付後2年以内、以降は5年ごとに受講
  • 講習は4区分に分かれ、複数区分の免状を持つ人は各区分の講習が必要
  • 受講しないと返納命令のリスクがある
  • 免状交付日をカレンダーに登録して、期限の3か月前に行動する習慣をつけよう

理解度チェック

問題1 消防設備士の義務講習に関する記述として、正しいものはどれか。

(1)義務講習は、実際に消防設備の業務に従事している人のみが受講すればよい。
(2)初回の義務講習は、免状交付日から5年以内に受講すればよい。
(3)義務講習は、免状を持つすべての人に受講義務があり、初回は免状交付後2年以内に受講する。
(4)義務講習は一度受講すれば、その後は受講の必要がない。

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正解:(3)
消防設備士の義務講習は、業務に従事しているかどうかに関係なく、免状を持つすべての人に受講義務があります。初回は免状交付後2年以内、以降は前回から5年以内に受講します。(1)は業務従事者に限りません。(2)は初回は2年以内です。(4)は定期的に受講し続ける必要があります。

問題2 義務講習の区分に関する記述として、正しいものはどれか。

(1)消防設備士の義務講習は全類共通で1種類のみである。
(2)講習は「消火設備」「警報設備」「避難設備・消火器」「特殊消防用設備等」の4区分に分かれている。
(3)甲種4類と乙種7類を持っている場合、別々の区分の講習を2回受ける必要がある。
(4)同じ区分の複数の類(甲種1類と甲種2類など)を持っている場合、それぞれ個別に講習を受ける必要がある。

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正解:(2)
義務講習は4区分に分かれています。(1)は全類共通ではありません。(3)は甲種4類と乙種7類はどちらも「警報設備」の区分に含まれるため、1回の講習でカバーされます。(4)は同じ区分内の複数類は1回の講習でまとめてカバーされます。

問題3 義務講習を受講しなかった場合のリスクとして、正しいものはどれか。

(1)試験の合格が取り消され、再度試験を受け直す必要がある。
(2)罰金が科せられるが、免状は引き続き有効である。
(3)都道府県知事から免状の返納命令を受ける可能性がある。
(4)リスクは特になく、次回の講習で遅れた分をまとめて受講すればよい。

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正解:(3)
義務講習を受講しない場合、都道府県知事から講習受講命令、さらに従わない場合は免状の返納命令を受ける可能性があります。(1)は合格自体が取り消されるわけではありません。(2)は罰金ではなく返納命令のリスクです。(4)はリスクがないわけではありません。

問題4【応用】 ある消防設備士が甲種4類(2025年4月交付)と乙種6類(2026年10月交付)の免状を持っている。義務講習の受講について、正しいものはどれか。

(1)甲種4類と乙種6類は同じ講習区分なので、1回の講習で両方カバーできる。
(2)甲種4類の初回講習期限は2027年3月、乙種6類の初回講習期限は2028年9月である。
(3)甲種4類は「警報設備」、乙種6類は「避難設備・消火器」の区分で、それぞれの講習を受ける必要がある。
(4)2つの類を持っている場合、どちらか一方の講習だけ受ければ免除される。

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正解:(3)
甲種4類は「警報設備」、乙種6類は「避難設備・消火器」の区分に分かれており、それぞれの講習を受ける必要があります。(1)は別々の区分です。(2)は期限の計算が不正確です(2025年4月交付なら2027年4月まで、2026年10月交付なら2028年10月まで)。(4)は区分が異なるため、一方の受講でもう一方が免除されることはありません。

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