消防設備士の難易度はどれくらい?
結論から言います。消防設備士の合格率は全体で約30〜40%。国家資格としては中程度の難易度です。
ただし、類によって合格率にかなり差があります。一番受かりやすい乙種7類は合格率60%を超える一方、難しい類は20%台。どの類を受けるかで難易度はまったく変わってきます。
この記事では、全類の合格率データを比較しながら、難易度ランキングと受験戦略を紹介していきます。
📚 この記事でわかること
- 甲種1〜5類・乙種1〜7類すべての合格率と受験者数(公式データ)
- 難易度5段階ランキングと、類別の「つまずきポイント」
- 全類制覇を最短で達成するおすすめ受験順序
- 類ごとの必要学習時間の目安(30〜80時間)
- 足切り(科目別40%)を回避する戦略とQ&A
合格率だけでは測れない「実感難易度」 ── 受験経験から
合格率の数値は客観データとして貴重ですが、受験者のバックグラウンドによって体感難易度は大きく変わります。例えば電気工事士の資格を持っている方なら甲4・乙7は実質20時間の勉強で合格できる一方、文系で電気未経験の方には甲4が最難関に感じることもあります。
管理人が消防設備士の受験経験者に聞き取ったところでは、「乙7は易しい」というのは電気の基礎が既にある人の感想でした。逆に消火器の仕組みはすべての人にとって初見に近いので、乙6は初学者にも公平に難しいとのこと。合格率の数字と「自分にとっての難易度」は分けて考えるのがコツです。
【全類】合格率の一覧(令和5年度)
消防試験研究センターが公表している最新の試験実施状況データです。
甲種
| 類 | 対象設備 | 受験者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 甲種1類 | 水系消火設備 | 3,865 | 30.3% |
| 甲種2類 | 泡消火設備 | 3,910 | 25.9% |
| 甲種3類 | ガス系消火設備 | 19,205 | 32.3% |
| 甲種4類 | 自動火災報知設備 | 3,581 | 34.6% |
| 甲種5類 | 避難器具 | ― | ― |
乙種
| 類 | 対象設備 | 受験者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 乙種1類 | 水系消火設備 | 2,137 | 28.2% |
| 乙種2類 | 泡消火設備 | 679 | 25.8% |
| 乙種3類 | ガス系消火設備 | 1,144 | 22.1% |
| 乙種4類 | 自動火災報知設備 | 8,384 | 34.4% |
| 乙種5類 | 避難器具 | 1,232 | 33.7% |
| 乙種6類 | 消火器 | 25,136 | 38.1% |
| 乙種7類 | 漏電火災警報器 | 5,469 | 60.3% |
出典:一般財団法人 消防試験研究センター「試験実施状況(令和5年4月〜令和6年3月)」
難易度ランキング(易しい順)
合格率と試験範囲の広さをもとに、難易度を5段階で整理しました。
| 難易度 | 類 | ポイント |
|---|---|---|
| ★ | 乙種7類 | 合格率60%超。範囲が狭く、4類と知識が共通 |
| ★★ | 乙種6類 | 合格率38%。身近な消火器がテーマで初心者向き |
| ★★★ | 甲種4類・乙種4類 乙種5類 |
合格率33〜35%。4類は範囲が広いが教材が充実 |
| ★★★★ | 甲種1類・乙種1類 甲種3類 |
合格率28〜32%。専門性が高く計算問題もあり |
| ★★★★★ | 甲種2類・乙種2類 乙種3類 |
合格率22〜26%。受験者が少なく教材も限られる |
類別の「つまずきポイント」早見表
合格率だけでは見えない、実際の受験者が詰まりやすいポイントをまとめました。
| 類 | つまずきやすい分野 |
|---|---|
| 乙6 | 消火薬剤の種類と適応火災、能力単位の計算 |
| 乙7 | 電気の基礎(オームの法則・電磁誘導)、ZCTの原理 |
| 甲4/乙4 | 製図(甲種のみ)、感知器の種類、警戒区域の計算 |
| 甲1/乙1 | 水力計算(甲種)、ポンプ性能曲線、配管の損失計算 |
| 甲2/乙2 | 泡消火薬剤の種類と混合方式、教材の少なさ |
| 甲3/乙3 | 不活性ガス・ハロゲン化物の種類、計算問題 |
| 甲5/乙5 | 避難器具8種類の鑑別、設置基準の細かい数値 |
類別の学習時間目安
合格するまでにどれくらい勉強が必要か、時間の目安をまとめました。
🟢 30〜40時間コース
乙7・乙6(範囲が狭く、初学者向け)
1日1時間×1か月で合格圏
🟡 50〜70時間コース
甲1・甲3・甲5(計算・製図あり)
1日1時間×2〜3か月
🔴 60〜80時間コース
甲4・甲2(範囲広/教材少)
1日1時間×2〜3か月
おすすめの受験順序
全類制覇を目指す方は、以下の順番がおすすめです。
乙種6類 → 甲種4類 → 乙種7類 → 甲種1類 → 甲種2類 → 甲種3類 → 甲種5類
この順番にする理由を整理すると:
- 乙6でスタート — 消火器は身近で取り組みやすい。消防法の基礎が身につく
- 甲4は需要No.1 — 自火報は実務で最も多い。教材も充実している
- 乙7は甲4の直後 — 電気の知識がそのまま使える。合格率60%でサクッと取れる
- 甲1は実務需要◎ — 水系消火設備は現場で多い。甲4の次に取る人が多い
- 甲2→甲3→甲5 — 受験者が少ない類は、基礎力がついてからの方が効率的
当サイトでは全類のロードマップを公開しています。詳しくは「消防設備士 全類制覇ロードマップ」をご覧ください。
合格基準を確認しよう
消防設備士の合格基準は以下のとおりです。
| 区分 | 合格基準 |
|---|---|
| 筆記試験 | 各科目40%以上 かつ 全体で60%以上 |
| 実技試験 | 60%以上 |
つまり、どれか1科目でも40%を切ると「足切り」で不合格になります。苦手科目を作らないのが合格のコツですね。
足切りを回避する3つの戦略
STEP 1 ── 苦手科目を知る
過去問を1周して、正答率が低い科目を特定。多くの受験者は「電気の基礎」か「法令共通」が苦手
STEP 2 ── 40%ラインを先に
苦手科目は最低40%確保を最優先。完璧を目指さず、足切り回避ラインに集中
STEP 3 ── 得意科目で稼ぐ
得意科目で80%以上取れば、全体60%を楽にクリア。配分を意識する
よくある質問(Q&A)
Q1. 合格率が低い類は本当に難しい?
合格率の低さには「受験者が少なく記念受験が多い」「教材が少ない」という側面もあります。甲種2類・乙種3類は受験者が少ないため教材も少なく、結果的に合格率が下がる傾向に。しっかり対策すれば、他類とそれほど難易度は変わりません。
Q2. 電気工事士を持っていると有利?
圧倒的に有利です。甲種4類・乙種4類・乙種7類では電気の基礎が科目免除になるうえ、内容的にも電気工事士と重なるため、学習時間を半分以下に短縮できます。詳しくは科目免除をご覧ください。
Q3. 甲種と乙種、どちらから受けるべき?
初受験なら乙種からが王道。甲種は受験資格(実務経験・他資格)が必要な場合があります。ただし、最終的に工事もしたい方は甲種必須。詳細は甲種と乙種の違いを参照してください。
Q4. 不合格になった場合、再受験は可能?
何度でも受験可能です。試験は年2〜6回実施(都道府県により異なる)。一部合格した科目の再免除制度はないため、次回は全科目を受け直します。不合格からの再受験戦略で復活のコツを紹介しています。
Q5. 合格発表はいつ?
試験日から約1か月後に消防試験研究センターのWebサイトで発表されます。書面通知も送付されます。詳しくは合格発表の確認方法をご覧ください。
一次情報で確認
📖 合格率・難易度の一次情報
- 一般財団法人 消防試験研究センター ── 試験実施状況・合格率の公式データ
- 消防庁公式サイト ── 消防設備士制度の運用通知
独学に不安なら ── 通信講座で合格率アップ
合格率が30%台の類も、通信講座を使えば合格率を大幅にアップできます。特に甲種1・2・3類のような計算・製図のある類や、教材が少ない2・3類では、動画講義と体系的なテキストが効きます。
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まとめ
- 消防設備士の合格率は全体で30〜40%(乙7だけ60%超)
- 初受験は乙種6類か乙種7類がおすすめ
- 全類制覇なら乙6→甲4→乙7→甲1→甲2→甲3→甲5の順が効率的
- 類別の学習時間目安は30〜80時間(1日1時間で1〜3か月)
- 足切り(科目別40%)を回避するには苦手科目を作らないのが鉄則
- どの類も、過去問を繰り返し解くことが合格への最短ルート
当サイトでは全類の学習教材と模擬試験を無料で公開しています。ぜひ活用してください。
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