乙種2類 模擬試験 解答・解説
解答・解説
第1科目:法令共通
問1
正解:(2)
消防法第2条第2項に「防火対象物とは、山林又は舟車、船きょ若しくはふ頭に繋留された船舶、建築物その他の工作物若しくはこれらに属するものをいう」と定義されています。建築物に限らず、山林や船舶も含む広い概念です。
問2
正解:(3)
消防設備士免状には更新義務はありません。ただし、都道府県知事が行う講習を定期的に受講する義務があります(免状交付後最初の4月1日から2年以内、以降5年以内ごと)。免状の「更新」と講習の「受講義務」を混同しないようにしましょう。
問3
正解:(3)
点検は機器点検が6か月に1回、総合点検が1年に1回です。報告の頻度は、特定防火対象物が1年に1回、非特定防火対象物が3年に1回です。(1)と(2)は報告頻度が逆になっています。
問4
正解:(2)
防炎対象物品にはカーテン、布製ブラインド、じゅうたん、展示用合板、どん帳、舞台の大道具用合板等が含まれます。(1)は誤りで、高層建築物(高さ31m超)や地下街なども防炎規制の対象です。(3)は逆で、31m超は防炎規制が適用されます。(4)は登録検定機関等が行います。
問5
正解:(2)
消防法第17条の2の5により、技術基準が改正された場合でも、既存の防火対象物には原則として改正前の基準(経過措置)が適用されます。ただし、特定防火対象物は用途変更や増改築などの際に新基準が遡及適用される場合があります。(1)の「直ちに適用」は誤り、(3)は増改築時には新基準が適用される場合があります。
問6
正解:(2)
感知器、閉鎖型スプリンクラーヘッド、消火器などは検定対象機械器具等に含まれます。(1)は誤りで、検定に合格したものでなければ販売・陳列・使用してはなりません。(3)は総務大臣が型式承認を行い、日本消防検定協会等が検定を実施します。(4)は型式承認+個別検定の両方が必要です。
第2科目:法令類別
問7
正解:(3)
施行令第13条により、泡消火設備は自動車の駐車場で床面積200m²以上のもの(屋上部分を除く)、飛行機の格納庫、指定可燃物を貯蔵・取扱う施設などに設置が義務づけられています。泡消火設備は主に油火災のリスクが高い場所に設置される設備であり、一般的な事務所や映画館は対象外です。
問8
正解:(2)
固定泡放出口方式の放射時間は、液面上注入方式が30分間、液面下注入方式が20分間です。液面下注入方式のほうが放射時間が短いのは、泡が油面まで浮上する過程でロスが生じるため、連続放射により短時間で消火する設計思想に基づいています。
問9
正解:(2)
高発泡方式の全域放出方式は、防護区画の冠泡体積(床面から最も高い位置にある可燃物の上面までの空間体積)以上の泡を放出する必要があります。(1)はフォームヘッド方式の基準です。(3)は移動式泡消火設備、(4)はフォームウォータースプリンクラー方式の説明です。
問10
正解:(2)
移動式泡消火設備の水源は15分間の放射に必要な量以上です。(1)はフォームヘッド方式の水源は10分間です。(3)は液面上注入方式が30分間、液面下注入方式が20分間で、方式によって異なります。方式ごとの放射時間の違いは頻出ポイントです。
第3科目:機械の基礎
問11
正解:(1)
パスカルの原理は「密閉された容器内の流体に加えた圧力は、流体のすべての部分に等しい大きさで伝わる」というものです。(2)はベルヌーイの定理に反する説明(流速が増すと圧力は低下する)。(3)はボイルの法則の誤りで、気体の体積は圧力に反比例します。(4)は液体の密度も温度により変化します。
問12
正解:(1)
応力σは「内力÷断面積」で求められ、単位はPa(パスカル)=N/m²です。(2)は引張応力と圧縮応力は逆方向です。(3)はせん断応力は軸に対して直角方向に作用します。(4)はN(ニュートン)は力の単位であり、応力の単位はPa(パスカル)です。
問13
正解:(2)
亜鉛めっき(トタン)は、鉄よりイオン化傾向の大きい亜鉛が先に腐食することで鉄を守る犠牲防食(犠牲陽極法)です。(1)はイオン化傾向の大きい金属が腐食します。(3)はステンレス鋼は鉄にクロムとニッケルを添加した合金です。(4)は塗装は環境遮断による防食であり、犠牲防食ではありません。
問14
正解:(2)
ベルヌーイの定理は「流体の速度エネルギー+圧力エネルギー+位置エネルギー=一定」を示す法則です。流速が増すと速度エネルギーが増える分、圧力エネルギーが低下します。これは配管の絞り部分やベンチュリ管の原理に応用されています。(4)は非圧縮性の定常流に適用されます。
問15
正解:(2)
繰り返し荷重により、材料の引張強さよりも小さい応力で破断する現象を疲労破壊といいます。消防用設備の配管やポンプ部品なども振動による疲労破壊に注意が必要です。(1)は衝撃荷重の説明です。(3)は引張荷重の説明。(4)のクリープは高温下で時間とともに変形が進行する現象です。
第4科目:構造・機能・整備
問16
正解:(3)
泡消火設備の主な消火作用は窒息効果です。泡が油面を覆うことで、燃焼に必要な酸素の供給を遮断します。泡に含まれる水分による冷却効果もありますが、あくまで補助的な作用です。水系消火設備(甲1)の「冷却メイン」との違いを押さえましょう。
問17
正解:(2)
たん白泡消火薬剤は動物性たん白質(牛のひづめ・角など)の加水分解物を主成分としています。泡の耐熱性・耐油性に優れますが、流動性が悪く、腐敗しやすいのが欠点です。(1)は合成界面活性剤泡、(3)は水成膜泡(AFFF)の特徴です。
問18
正解:(2)
フッ素たん白泡消火薬剤は、たん白泡の欠点である流動性の悪さをフッ素系界面活性剤の添加により改善したものです。たん白泡の耐熱性・耐油性を維持しつつ、流動性を高めています。液面下注入方式の固定泡放出口に適しています。
問19
正解:(2)
ラインプロポーショナー方式は、配管途中に設けたベンチュリ管の絞り部で流速を上げ、ベルヌーイの定理により生じる負圧で薬剤を吸引・混合する方式です。(1)はプレッシャープロポーショナー方式、(3)はポンププロポーショナー方式、(4)はプレッシャーサイドプロポーショナー方式の説明です。
問20
正解:(2)
フォームヘッドは開放型のヘッドです。火災感知器が火災を感知すると一斉開放弁が開き、放射区域内のすべてのフォームヘッドから一斉に泡が放出されます。(1)はフォームウォータースプリンクラーヘッドの特徴です。(3)は火災感知器との連動が必要です。
問21
正解:(2)
フォームウォータースプリンクラーヘッドは閉鎖型のヘッドで、通常のスプリンクラーヘッドと同じように熱で感熱体が破壊されて開放します。スプリンクラー設備の知識がそのまま使えるのがポイントです。(1)はフォームヘッド方式の説明です。
問22
正解:(2)
液面下注入方式は、タンクの底部付近から泡を送り込み、泡の浮力を利用して油面まで浮上させる方式です。タンク上部で火災が発生していても安全に泡を供給できるのが利点です。(1)は液面上注入方式。(3)は逆で、液面下は20分間、液面上は30分間です。(4)はフッ素たん白泡が一般的ですが、「のみ」は誤りです。
問23
正解:(2)
高発泡方式は膨張比80以上の高膨張の泡で空間全体を埋めて消火する方式です。航空機格納庫・船倉など広い空間の消火に適しています。(1)は低発泡の説明。(3)は感知器や一斉開放弁は必要です。(4)は高発泡は油火災だけでなく一般可燃物の火災にも効果があります。
問24
正解:(1)
一斉開放弁は火災感知器(感知ヘッドや火災報知設備の感知器)と連動して自動的に開放することができます。手動起動装置も併設されています。(2)は逆で、常時閉鎖状態です。(3)は自動・手動の両方が可能。(4)はフォームヘッド方式や固定泡放出口方式でも使用されます。
問25
正解:(2)
プレッシャーサイドプロポーショナー方式は、ポンプの吐出圧力で薬剤タンクの中のゴム袋(ブラダー)を加圧し、薬剤を配管に圧入する方式です。(1)はラインプロポーショナー方式、(3)はポンププロポーショナー方式、(4)はプレッシャープロポーショナー方式の説明です。
問26
正解:(3)
水成膜泡(AFFF)は、フッ素系界面活性剤の効果で油面上に水性の薄膜(アクアスフィルム)を形成します。この薄膜が油面を覆い、泡が消えた後も再着火を防ぎます。(1)は薬剤により適用範囲が異なります。(2)はたん白泡は流動性が悪いのが欠点です。(4)はたん白泡が耐熱性に最も優れています。
問27
正解:(4)
泡消火薬剤の混合比率は薬剤の種類ごとに定められており、たん白泡・水成膜泡・合成界面活性剤泡のいずれも3%型と6%型があります。混合装置は所定の比率で正確に混合できるよう調整されています。混合比率が低い(3%型)方が薬剤の使用量が少なくて済みます。
問28
正解:(3)
泡消火設備の点検も他の消防用設備等と同じく、機器点検は6か月に1回、総合点検は1年に1回実施します。機器点検では外観・機能の確認、総合点検では実際の放射試験や発泡倍率の測定などを行います。
問29
正解:(2)
泡水溶液の濃度は屈折率計(手持屈折計)を用いて確認します。泡水溶液の屈折率は薬剤の濃度に比例するため、屈折率を測定することで混合比率が適正かどうかを判断できます。(1)は発泡倍率の測定方法です。
問30
正解:(3)
泡消火薬剤の劣化判断は、発泡倍率と25%還元時間の2つを測定して行います。劣化が進むと発泡倍率が低下し(泡が膨らまない)、還元時間も短くなります(泡が早く消える)。(1)は薬剤は経年劣化します。(4)はたん白泡の方が劣化(腐敗)しやすいです。
実技:鑑別
問31
名称:プレッシャーサイドプロポーショナー
仕組み:ポンプの吐出圧力を利用して薬剤タンク内のゴム袋(ブラダー)を加圧し、薬剤を配管に圧入して混合する。薬剤タンクは圧力容器構造で、ポンプから分岐した加圧水がブラダーの外側に送られ、内側の薬剤を押し出す仕組みである。
問32
名称:高発泡用泡放出口(高膨張泡発生装置)
主な設置場所:
高発泡用泡放出口は、膨張比80以上の泡を大量に発生させ、広い空間を泡で満たして消火します。送風機(ファン)で空気を送り込みながら泡水溶液をネットに当てて泡を作ります。
問33
名称:フッ素たん白泡消火薬剤
たん白泡との比較での利点:フッ素系界面活性剤が添加されているため、たん白泡消火薬剤と比べて流動性が良い(泡が広がりやすい)。たん白泡の長所である耐熱性・耐油性を維持しつつ、流動性の悪さを改善した薬剤である。液面下注入方式に適している。
問34
器具の名称:
- 発泡ノズル(泡サンプル作成用ノズル)
- 収泡器(泡採取容器)
測定するもの:発泡倍率
発泡ノズルから泡を放出し、収泡器に一定体積の泡を採取します。収泡器内の泡の重量を量り、同じ体積の泡水溶液の重量と比較して発泡倍率を算出します。発泡倍率=泡の体積÷泡水溶液の体積です。
問35
名称:一斉開放弁
役割:平常時は閉鎖状態を保ち、火災感知器が火災を感知したとき(または手動起動装置の操作時)に自動的に開放して、泡水溶液を放射区域内のフォームヘッドや固定泡放出口に一斉に送水する。放射区域ごとに設けられ、火災発生区域だけに泡を放出する区域制御の要となる弁である。
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