乙種5類 模擬試験 解答・解説

解答・解説

第1科目:法令共通

問1

正解:(3)
特定防火対象物とは、不特定多数の者が出入りする施設や、火災時に自力避難が困難な者がいる施設をいいます。病院は自力避難が困難な者(患者)がいるため特定防火対象物です。(1)事務所、(2)共同住宅、(4)図書館はいずれも非特定防火対象物です。

問2

正解:(2)
消防法第17条第1項により、「防火対象物の関係者は、政令で定める消防用設備等について、設置し、及び維持しなければならない」と定められています。関係者とは所有者、管理者又は占有者のことです。面積の要件は個々の設備ごとに異なります。

問3

正解:(1)
消防法第17条の3の3により、点検の結果は特定防火対象物は1年に1回非特定防火対象物は3年に1回、消防長又は消防署長に報告しなければなりません。なお、点検そのものは機器点検が6か月に1回、総合点検が1年に1回です。

問4

正解:(2)
消防法第7条により、建築主事又は指定確認検査機関が建築確認を行う際に、消防長又は消防署長の同意を得なければなりません。消防同意は建築主が直接行うものではなく、建築確認の手続きの中で行われます。面積に関わらず必要です。

問5

正解:(2)
消防法第17条の4により、消防長又は消防署長は、消防用設備等が設置されていない場合や技術基準に適合していない場合に、防火対象物の関係者に対して設置や維持の措置を命じることができます。命令に従わない場合は罰則があります。すべての防火対象物が対象です。

問6

正解:(2)
消防設備士の講習は、免状の交付を受けた日以後における最初の4月1日から2年以内に初回の講習を受講し、以後は前回の講習を受けた日以後における最初の4月1日から5年以内ごとに受講する義務があります。受講しない場合は免状の返納を命じられることがあります。

第2科目:法令類別

問7

正解:(4)
避難器具は避難階及び11階以上の階を除く階で、収容人員が一定以上の場合に設置が必要です。(4)は誤りで、2階以上でも収容人員が基準未満であれば設置義務はありません。また、避難階(通常は1階)には不要です。11階以上は避難器具では対応できないため設置義務がありません。

問8

正解:(4)
救助袋(垂直式・斜降式)は2階以上の階に設置できます。(1)のすべり台は主に2階・3階に設置されますが、全ての階に適応するわけではありません。(2)の避難ロープは原則2階のみに設置できます(低層階向け)。(3)の緩降機は2階〜10階まで広く設置できます。

問9

正解:(2)
避難器具の設置個数は、各階の収容人員を一定の数値で割って算出します。この「一定の数値」は防火対象物の用途によって異なります。各階ごとに計算し、それぞれの階に必要数を設置します。(4)のように最上階だけでは不十分です。

問10

正解:(1)
主要構造部が耐火構造であり、かつ2方向避難(バルコニーや2以上の直通階段等)が確保されている場合は、避難器具の設置個数を減免できます。スプリンクラーや自火報は避難器具の減免要件には含まれません。非常用エレベーターも避難器具の代替にはなりません。

第3科目:機械の基礎

問11

正解:(2)
ボイルの法則は「一定温度のもとで、一定量の気体の体積は圧力に反比例する」という法則です(PV=一定)。圧力を2倍にすると体積は半分になります。(3)はシャルルの法則に関連しますが、正しくは体積は温度(絶対温度)に比例します。

問12

正解:(1)
フックの法則は「弾性限度内では、応力とひずみは比例する」というものです。この比例定数をヤング率(縦弾性係数)といいます。(2)は弾性限度を超えると元に戻りません(塑性変形)。(3)はゴムなどフックの法則に従わない材料もあります。

問13

正解:(2)
線膨張係数は温度が1℃上がるときの長さの伸び率を示す値で、この値が大きい金属ほど温度変化に対する伸びが大きくなります。(1)は逆で、金属は温度が上がると膨張します。(3)はアルミニウムの線膨張係数は鉄より大きいです。(4)は液体や気体にも熱膨張は起こります。

問14

正解:(1)
てこの原理では「力×距離=一定」(モーメントのつりあい)が成り立ちます。力点から支点までの距離を長くするほど、小さい力で大きな荷重を持ち上げることができます。避難器具でもこの原理は緩降機の降下操作や取付金具の構造に応用されています。

問15

正解:(3)
伸びは試験片が破断するまでの永久伸びを元の長さ(標点距離)に対する百分率(%)で表したものです。材料の延性を示す指標です。(1)の引張強さは材料が耐えうる最大の応力(破断応力に近い)です。(2)の降伏点は塑性変形が始まる応力です。(4)の絞りは断面積の減少率です。

第4科目:構造・機能・整備

問16

正解:(3)
施行令第25条に定める避難器具は8種類:すべり台、避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋、避難ロープ、避難タラップ、すべり棒です。非常用エレベーターは建築基準法に基づく設備であり、消防法の避難器具には含まれません。

問17

正解:(2)
すべり台には直線型らせん型があります。直線型はまっすぐ滑り降りるもの、らせん型は螺旋状に回りながら降りるもので、設置スペースに応じて選択されます。幼稚園や保育所など、自力避難が難しい人が多い施設で設置されることが多いです。乙種消防設備士は工事はできません。

問18

正解:(2)
避難ロープには、使用者が握りやすいように一定間隔で結び目又はすべり止めが設けられています。(1)は避難ロープは原則2階のみに設置できる器具です(高所からの使用は危険)。(3)は使用荷重の基準は1.5kN(約150kg)です。(4)は避難ロープと救助袋は別の種類の避難器具です。

問19

正解:(1)
緩降機は着用具(ベルト式)を身体(胸部〜腰部)に装着し、窓やバルコニーの開口部から降下します。調速器がロープの繰り出し速度を制御するため、使用者は安全な速度で降下できます。(4)は誤りで、交互式緩降機は1人ずつ交互に降下します(2人同時ではない)。

問20

正解:(2)
斜降式救助袋は、袋の下端を地上で固定し、上端を取付口に接続して斜めに展張します。使用者は袋の中を滑り降りて避難します。(1)の垂直式は垂直方向に吊り下げるもので、水平方向ではありません。(3)は格納状態から展張操作が必要です。

問21

正解:(2)
避難はしごは固定式・立てかけ式・つり下げ式・ハッチ用つり下げ式の4タイプがあります。固定式は建物の外壁に固定して常設、立てかけ式は壁に立てかけて使用、つり下げ式は取付部から吊り下げて使用、ハッチ用つり下げ式はバルコニーのハッチに格納されています。

問22

正解:(2)
避難橋は隣接する建物との間に架け渡して、別の建物に避難するための器具です。同一階の高さで架設し、歩いて避難できる構造になっています。建物間の距離が近い場合に有効な避難手段です。(1)のような異なる階をつなぐものではありません。

問23

正解:(1)
操作面積とは、避難器具を操作・使用するために必要なスペースのことで、器具の設置場所の付近に確保しなければなりません。(2)の降下空間は降下中の安全を確保するための空間で、操作面積とは別の基準です。(3)は操作面積内に障害物(家具等)を置いてはいけません。

問24

正解:(1)
避難器具の取付部は、操作しやすいように床面からの高さが1.8m以下の位置に設けることとされています。高すぎると使用者が器具に手が届かず、緊急時の操作が困難になるためです。ただし、避難器具の種類や設置方法によって詳細は異なります。

問25

正解:(2)
避難器具の標識は設置場所と、その階の出入口付近の2か所に設置します。出入口付近の標識は、避難者が避難器具の設置場所を素早く見つけられるようにするためです。標識には「避難器具」の文字と設置場所への誘導方向を表示します。

問26

正解:(4)
救助袋の降下空間の下部(着地点付近)には、降下した人が安全に離脱できる十分な広さの避難空地(空きスペース)が必要です。(1)は緩降機の降下空間の基準です。(2)は斜降式にも降下空間は必要です。(3)は降下空間内に障害物(樹木・電線等)があってはなりません。

問27

正解:(2)
緩降機のロープの長さは、取付部から地盤面その他の降着面までの距離に余裕を加えた長さとします。ロープが短いと地面に到達できず、長すぎると地面でたるんで危険です。設置階の高さに応じて適切な長さを選定する必要があります。

問28

正解:(4)
実際に降下させて速度を測定するのは総合点検の内容であり、外観点検には含まれません。外観点検では、器具本体の変形・損傷・腐食、格納箱の状態、標識の表示、降下空間の障害物の有無などを目視で確認します。機器点検は6か月に1回です。

問29

正解:(1)
救助袋の総合点検では、実際に人が降下(降下テスト)を行い、袋の展張状態、降下速度、着地の安全性などを確認します。総合点検は1年に1回実施します。外観確認のみでは不十分で、実際の使用状態で機能を検証することが重要です。

問30

正解:(1)
金属製避難はしごの点検では、横さん(ステップ)のゆるみ・変形・腐食の有無、縦棒の損傷、取付金具の固定状態、塗装の剥離などを確認します。金属の腐食は強度低下に直結するため、特に重要なチェック項目です。変形がある場合は使用に耐えられない可能性があります。

実技:鑑別

問31

名称:すべり台(らせん型)

主な設置施設:

すべり台は特別な操作技術が不要で、幼児や高齢者など自力避難が困難な人でも安全に避難できるのが特徴です。らせん型は直線型に比べて設置スペースが小さくて済みます。

問32

名称:避難ロープ

使用方法:取付部にロープの上端を固定し、窓やバルコニーの開口部からロープを降ろす。使用者はロープに設けられた結び目又はすべり止めを手で握り、足で挟みながら降下する。原則として2階からの避難に使用する簡易な器具であり、高所からの使用は危険なため適さない。

問33

器具:ストップウォッチ(降下速度測定用)

測定する項目:緩降機の降下速度

合格基準:降下速度が16cm/秒以上150cm/秒以下であること。この範囲を外れると、遅すぎて避難に時間がかかる、または速すぎて着地時に危険となります。総合点検時に実際に降下テストを行い、降下距離と時間から速度を算出します。

問34

名称:避難器具用ハッチ

構造上の特徴:

問35

左:斜降式救助袋
右:垂直式救助袋

構造上の違い:斜降式救助袋は袋を斜めに展張して、使用者が袋の内部を滑り降りる構造です。一方、垂直式救助袋は袋を垂直に吊り下げ、使用者は袋の内部をらせん状に回転しながら降下します。斜降式は降下速度が遅く安心感がありますが、設置に広い空地が必要です。垂直式は設置スペースが小さくて済みますが、降下速度が速くなります。


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